かめかめ・かめラ
おやじの遠足 鶴見線界隈
(神奈川県横浜市〜川崎市)
(2008/4/27)(記 2008/5/3)


 伊勢原にゆかりのあるおやじ達(以下おやじーズ)が集まり、皆で鶴見線界隈に行くことになった。称して“おやじの遠足”である。第1回は静岡県の大井川鉄道、第2回は群馬・栃木県のわたらせ渓谷鉄道であり、これが第3回となる。今回は私が幹事なのだが、おやじーズの意見も参考にしながら企画させていただいた。残念ながら1人は都合が悪く欠席になったが、計5人のおやじーズは、まるで小学生の遠足を思い出したかのように、仕事がある日よりも早起きをして、いそいそ、そわそわ、わくわく、うきうきしながら無事に集合した。


おやじの遠足の行程(1)

 
伊勢原駅 ◇ エスカレーター

 伊勢原駅は、先週からエスカレーターが使用可能になったので、早速乗ってみた。健康のためには少しでも歩いた方がいいのだが・・・

伊勢原8:38ー8:49海老名 小田急 【鶴巻温泉からT氏乗車、伊勢原から私が合流、愛甲石田からK氏とH氏が合流】
海老名8:58−9:29横 浜 相模鉄道 【大和からI氏合流】
横 浜9:38ー9:48鶴 見 JR京浜東北線
鶴 見10:00−10:02国 道 JR鶴見線

 予定通りに鶴見駅に到着し、駅員さんにお願いして、おやじーズの最初の集合写真をパチリ! やはり遠足だからね(笑)。そして3両編成の列車で最初の目的地である国道駅を目指す。といっても、鶴見線でわずか一駅なので、2分ほどで到着である。

 
国道駅構内 ◇ やきとり屋「国道下」

 
国道駅構内 ◇ ホームへ向かう階段途中から見下ろす

 鶴見駅を出た列車が、今通ってきた京浜東北線などの線路を下に見てオーバークロスし、たちまちに国道駅に到着した。ホームから階下に降り、改札を抜けた奇妙な空間を目の当たりにしたおやじーズは、そのレトロ過ぎる雰囲気に「すごいなぁ!」と感嘆の声をあげる。K氏からは「ラーメン博物館みたいだ!」という声も聞かれた。そう、まるで映画三丁目の夕日のセットのような感じである。その名も「国道下」というやきとり屋は夜になると営業しているようだったが、さすがに午前中は閉まっていた。午後になると、小雪のような女将さんが、下準備を始めるんだろうな、きっと。しばしの妄想である。「国道駅で過去を想い偲び哀愁を感じる」という目的は達成できたようである(当社比)(^_^;

 おやじーズの中で一番若い(それでもおやじだが)I氏が「この間のBSの鉄道模型ちゃんねるという番組で国道駅が紹介されていましたよ。かなりリアルな模型でしたね。」という情報を教えてくれた。さて、その後の行動がさすがにおやじーズである。近くのドラッグストアでビールを買い込んだ。この次の目的地で一杯やろうというのだ。たくましきおやじーズである。

 
海芝浦駅名標 ◇ 列車とホームと海

 鶴見線の旅はまだまだ続く。国道駅を出て次に向かうは海芝浦駅である。

国 道10:32−10:41海芝浦

 実は今回のプランで一番頭を悩ませたのがこの区間である。日中のこの時間帯には海芝浦駅を発着する列車は1時間に1本しかないのだ。乗り遅れると1時間待つことになる。地方のローカル線のような話しだが、首都圏の横浜市内の鶴見線の話しである。列車は鶴見小野、弁天橋(この駅の近くにT氏の関連会社がある)、浅野、新芝浦と停車し、鶴見線の終点の一つである海芝浦駅に到着した。浅野駅を出てから、向かって左側の車窓には海がこれでもかと近づき追いかけてきていた。H氏からも「すごいなぁ」とため息が出ていた。海芝浦駅は鉄道ファンには有名な駅である。まず「海に一番近い駅」としてである。厳密にいうと目の前に(というか足の下に)広がっている海は運河なのだが、この際細かなことは抜きにしよう。次に「駅舎の外に出られない駅」としてである。実はこの駅舎は、東芝京浜事業所の敷地に設置されていて、改札の外は会社の所有地なのだ。だから社員証がないと改札の外には出られないのである。

 
海芝公園 ◇ 公園から駅方向

 それでは困るというか、つまらないというか、いろいろな意見が出たのであろう。海芝公園が海沿いに作られ、ここで少し休憩することができるようになった。最近では鉄道ブームなのか、我々おやじーズ以外にも家族連れのような人たちも何人かこの公園に来ていた。その中のおひとり、海をバックにビールで乾杯をしているおやじーズの写真撮影をお願いした。デジカメのモニタに写るおやじーズを見てどんな印象を抱いたのかは私は知らない(笑)。しかし昔なら「ファインダーの向こうに見える」なんて書いていたのが、今ではほとんどがデジカメのモニタだから時代は確かに変わったものだ。何はともあれ二枚目の集合写真だ。二枚目といってももちろん「美男子」という意味ではないし(笑)、集合写真よりも酒豪写真の方がわかりやすいかも知れない(爆)。

 
鶴見つばさ橋 ◇ 東芝京浜事業所

 集合写真の後はしばしの休憩である。鶴見つばさ橋が正面に見えるし、日本の経済成長を支えたであろう重厚長大ないくつかの会社や工場を見ることができる。まさしく社会見学である。ちなみにこの海芝浦という駅名は、海に近い東芝(元は東京芝浦電気)の駅という意味だそうだ。新芝浦駅も同様である。また、鶴見線の前身である鶴見臨港鉄道の設立者で浅野財閥の浅野総一郎からの浅野駅、安田財閥を起こした安田善次郎の名をとった安善駅、実業家の大川平三郎が由来の大川駅、大地主の小野信行さんから鶴見小野駅、日本鋼管(現JFE)創業者の白石元次郎にちなんだ武蔵白石駅、昭和電工の工場の近くにある昭和駅など、駅名に実業家や会社・工場にちなんだ名前が多いのも特徴的であり、この路線の役割もなんとなく想像がつく。どうです? 立派な社会見学でしょう(笑)

海芝浦11:00ー11:04浅 野
浅 野11:07−11:13浜川崎

 19分間の休憩だったが十分に「異色の海芝浦駅界隈を堪能する」という目的は達成できたようだ(当社比)(^_^; さて乗り遅れの許されない列車で浅野駅まで戻り、そこで乗換えである。浅野駅のホームは三角形をしていて面白いし、駅舎も渋くてH氏は「昭和の時代を感じる」との言葉。三角形のホームに関しては、T氏からは「小野田線の雀田駅もこんな感じだよね」という発言があり、それに対して私も「徳島県の池谷駅もそうですね」と返す。知らない人にはなんのことだがわからないが、知っている人にはピンとくるマニアな会話である(笑)。跨線橋などはないので、とにかく線路を二度渡り、乗り換えて浜川崎を目指す。


おやじの遠足の行程(2)


浜川崎駅(南武線ホーム)

 浜川崎駅も面白い構造をしている。ホームに降りて階段を昇ると「右はJFEスチール東日本製鉄所へ抜ける専用の出入り口です」などと書かれている。当然左折して階段を降りると、道路をはさんだ正面に南武線の浜川崎駅がある。駅舎は異なるが同じ駅扱いであり、乗り換える場合にはSUICAの改札機にタッチしてはいけないという特徴がある。南武線支線の浜川崎駅で長大な貨物列車を見送った後、2両の南武線の列車に乗り換える。

浜川崎11:23ー11:28八丁畷
八丁畷11:31ー11:37生麦 京浜急行

 二つ目の八丁畷駅で降りて京急へまたまた乗り換える。八丁畷と書いて「はっちょうなわて」と読む。この駅は、JRと京急がほぼ直角に交わっていて、JRが京急をオーバークロスする形だが、京急の跨線橋にJRのホームがあるという、一風変わった構造なのである。京急に乗り換えて向かう先は生麦駅である。


おやじの遠足の行程(3)

 
記念写真@生麦事件参考館(H氏所蔵) ◇ 電話&FAX番号

 生麦駅で下車し、地元の人に尋ねながら、生麦事件参考館に向かう。よく見ると民家につながっているようだ。予約しないと館内入場できないということは、ひょっとして市民の趣味のボランティアなのかも知れないですね。ここで三回目の記念撮影パチリ!。セルフタイマーでの撮影となったが、さすがH氏、バッチリである。折角なのでここでオープンにしちゃいましょ! いいですよね、Hさん? 返事も待たずに掲載した写真が左上のもの。向かって左側から、I氏、T氏、私、K氏、H氏である。ここの電話番号やFAX番号が面白かったのでパチリ! 3710で「ミナト」、4580で「ヨコハマ」、こういう感性は個人的には大好きです(爆)

 
生麦事件の碑 ◇ 説明板

 さて次はキリン横浜ビアビレッジ方面へ向かうのだが、その前にもう一つ。ビアビレッジ入口のすぐそばにある「生麦事件の碑」に寄り道である。1862年(文久2年)に起こった生麦事件は有名ですが、1988年(昭和63年)に横浜市地域史跡に指定された。ふーん、リチャードソンって漢字では力査遜って書くんだ、という本来の主旨とは別の点に妙に感心する。でもこの事件が薩英戦争に発展したようで、今も昔も外交の重要性や難しさを感じますね。と強引な話しの振り方ですが(笑)、このついでにタイマーを利用し記念碑の石段のところでパチリ! これで四回目となる。

 
キリン横浜ビアビレッジ入口 ◇ 中の様子

 
つつじが満開 ◇ 日本初の宣伝カー

 さてこのおやじの遠足のメーンイベントは、やはりキリン横浜ビアビレッジである。しかし、ただ飲むだけでは能がないとばかり、まずはブルワリーツアー(無料)に参加である。ツアー参加者は専用の窓口で受付した後、待合いスペースで時間まで待つ。そこのスペースには日本初の宣伝カーが鎮座していた。昔からこんな宣伝カーがあったんだね。K氏のアイデアでのこのツアーは、ビールの製造工程(製麦→仕込み→発酵→貯蔵→ろ過→ビン詰め・缶詰め)やミニ知識などのガイドがあり、とても楽しいもの。特に発酵前の麦汁の試飲ができ、初めて口にする味にビックリ。ホップを入れる前から独特の苦味の原点があるような感じだ。ちょっとだけ、ショッキングー、グー、グーである。エコロジーにも取り組んでいるようで感心。

 
ラガー ◇ スタウト

 1時間ほどのツアーの閉めは、できたてビールの試飲+おつまみ付き。おかわり券もあるので二杯まで試飲できる。できたてビールはさすがに美味しい。また飲みながらガイドの女性が、家で缶ビールを美味しく飲めるグラスへの注ぎ方を実演したが、三度に分けて少し時間をかけて注ぐと、ビールの泡が滑らかになり、グラスの縁より1cm以上高くなるのには驚いた。こちらもショッキングー、グー、グーなのだ。

 その後、ビレッジ内のパブレストラン「スプリング・バレー」で飲み直し。だって無料の試飲だけじゃ失礼でしょ、少しは払わなきゃ(笑)。その前にレストランをバックに、五回目の記念写真。パチリ! しばし談笑した後、生麦を後にし、横浜経由で海老名に戻った。H氏とはここで別れたが、その他4人のおやじーズはビナウォークの丸井のレストラン街に向かい、えぼしでさらに一杯を追加するのであった。そしてなんとおやじの遠足番外編の相談まで・・・・  まだ明るいうちにお開きとなり、次回の再会を誓うおやじーズであった。