かめかめ・かめラ
寝台特急北斗星

(宮城県〜北海道)
(2004/7/2-3)

 仕事の関係で出張することがある。今回は仙台の後、札幌に移動することになった。時刻表で仙台-札幌の飛行機を探すと18時30分発の全日空便があった。千歳空港着は19時40分の予定である。これでもよかったのだが、「そうだ!寝台特急は利用できないかな」ということで再び時刻表を見ると、カシオペアが仙台駅を20時58分発で、北斗星1号は21時13分発であり利用可能である。しかしカシオペアは二人部屋しかなく、一人旅は北斗星しか利用できない。どちらも人気があり、なかなかチケットが入手できないと聞いている。1ヶ月ちょっと前に近くの旅行会社へ行き、「7月2日の北斗星1号、仙台から札幌まで、A寝台一人用個室ロイヤル、1枚」と申し込む。「もし取れなかったら仙台空港18時30分発の全日空便にする」という次善策も忘れずに伝えた。結果から言うと、第一希望のチケットが取れた。約20年前に長崎駅から“ブルートレインさくら”に乗って以来の久々の寝台列車の旅である。なお北斗星は青函トンネル開業と同時の1988年3月13日から運転が開始されている。

東京都区内〜札幌市内までの乗車券

 6月30日の夜、東京駅から東北新幹線で仙台入り。仙台での二日間は非常に天気がよく過ごしやすかった。新しくできたホテルモントレ仙台に2泊した後、7月2日の20時55分には仙台駅の1番ホームに居た。

仙台駅

 20時58分にはカシオペアが到着するのだ。ちょっと恥ずかしいけど、意を決してパチリ! カシオペアに乗車する新婚さんらしき二人がいたので「写真を取りましょうか?」と申し出て、カシオペアをバックにパチリ! 少しは人の役に立ったかな?

カシオペア

 21時13分に北斗星1号が仙台駅に到着。興奮していたためか、北斗星の写真はピンボケで情けない。

ホーム表示北斗星1号

寝台チケット

 とにかく乗車。9号車の2番個室に入る。室内の内装や設備に感激していると、すぐに車掌が来てチケットを確認し個室の鍵を渡される。予想より立派な鍵である。

個室の鍵

 では個室の説明を。まずはドアをあけて右側がソファ&ベッドで、その手前には鏡がある。左側手前にシャワールーム(洗面&トイレ兼用)で左奥にテレビ・机・イス、その向こうにクロゼットがある。非常にコンパクトにまとまっており小さなビジネスホテルといった感じである。

室内見取り図ソファ1


ソファ2鏡(摩周湖の図柄)


シャワールーム洗面(上)&トイレ(下)
(未使用状態)


洗面セット机&イス


テレビ&クロゼットドライヤー

 室内でしばしくつろいだ後、7号車にレストランが6号車にロビーがあると聞いて、6号車に向かって歩き出した。7号車は予約のフレンチディナーの時間帯で飛び込みでの着席は無理であり、6号車のロビーに入る。若者5人のグループと一人旅の中年男性、そして私よりも少し若い感じの男性2人がいた。男性の2人組は、共同馬主として千歳から日高へのバスツアーに参加するとのこと。千歳空港まで飛行機で行ってもいいが、ゆっくりした旅をしたいとのことでこの列車を利用していると話してくれた。7号車のレストランは22時以降はパブタイムとして開放される。そこへ行ったが一人では何故かむなしいので部屋に戻る。戻った途端に電話が鳴り「仙台からご乗車のお客さまですね。ただ今からウエルカムドリンクを持っていきます」という女性の声。そう、個室には電話もあるんです。すぐにウエルカムドリンクが届いた。「おー、こんなにいろいろあるんだ」というのが正直な感想。

ウエルカムドリンク

 “小樽”というワインを飲んでいい気持ちになった。23時過ぎになったのでもう寝ようかとベッドに入る。列車の振動が気になり、「眠れないんじゃないか?」と心配になったが5分程で列車の振動にも慣れ速やかに眠ることが出来た。ゆっくり休んでいると、突然携帯電話が鳴った。長男からだった。レポート作成の疑問点を父親に聞いてきたのであった。それに答えて時計を見ると1時30分であった。一度起きるとなかなか寝れないもの。枕のそばのスイッチをいろいろ見てみるとステラリウムというのがあり、そのボタンを押すと何と何と幻想的なライトアップがされていた。写真で見るより実際は見事であった。

ステラリウム1ステラリウム2

 4時頃に一回目が覚めてからまた寝て、6時過ぎに起床した。車窓からの景色を見ているだけで楽しいものである。今日は少し雲が出ている。

車窓風景1車窓風景2


車窓風景3

 昨日のウエルカムドリンクが届けられたとき、「明朝、モーニングコーヒーと新聞をお届けにあがります」と言われたので7時頃にお願いした。ところが7時30分を過ぎてもまだこない。8時を過ぎてもこない。まぁいいや、忘れられちゃったかな? とあきらめかけた8時15分頃、「遅くなりました」という言葉とともにホットコーヒーと北海道新聞が届けられた。

モーニングコーヒー&新聞

 定刻の7月3日午前9時18分に無事に札幌駅に到着。約12時間の楽しい旅は終わった。