かめかめ・かめラ
東急世田谷線ぶらり旅

(東京都世田谷区)
(2004/10/31)


 昨日から降り続いていた雨も朝8時頃にはあがり、今日は妻と二人で東急世田谷線沿線のぶらり旅である。東急世田谷線は、東急田園都市線の三軒茶屋駅と京王下高井戸駅とを結ぶ全長5.0kmの短い路線で途中の山下駅にて小田急線の豪徳寺駅と連絡している。伊勢原駅発10時32分の急行新宿行きに乗り、成城学園着11時19分。そして11時24分発の各駅停車に乗り換えて11時37分に豪徳寺駅着。ここで下車するのは生まれて初めてである。

 
中華そば満来 ◇ ラーメン

 まずは軽く腹ごしらえ。豪徳寺駅から東急世田谷線の山下駅へ行く途中の商店街にある満来に寄る。2002年2月9日に放送されたアドマチック天国<豪徳寺・梅ヶ丘>で11位にランクインされたが、それ以外にもテレビや雑誌などで200円のラーメンがあることで以前から数多く紹介されている。昔ながらの店内は何となく心が落ち着く。私はラーメンを、妻はわんたん(300円)を食す。二人で500円では申し訳ない気持ちさえするが、こちらからすると素晴らしいコストパフォーマンスである。ごちそうさまでした。


山下駅

 食後に山下駅へ。一日フリー切符があったら購入しようとするが無人駅らしい。駅舎の掲示物を見ると、一回130円均一(子供は70円均一)ということと、“せたまる”というICカード(JRのスイカのようなもの)の告知がされていたが、一日フリー切符のことのみならず、乗車方法も記載していない。固定客が多いのであろうが、初見参の者にとっては親切とは言いがたい。

 
車両(緑) ◇ 車両(ピンク)

 二両編成の電車は各車両に二ヶ所の出入口があり、最前方と最後方が入口で、その他が出口となっている。また車掌が最後尾にいる。そんなことは後からわかったことで、最初はどうしていいかわからずに、出口から乗ってしまったようだ。他の乗客は前払いのバスのように乗車時に料金を支払っている。あわてて前方へ行き、二人分260円を支払う。車内掲示も“せたまる”の使用方法の記載が中心である。車両は非常にカラフルでコンパクトである。


向井潤吉アトリエ館入口

 松蔭神社前駅で下車。駅舎の掲示物で「一日フリー切符 300円」があることを発見! ただし起終点駅(三軒茶屋駅と下高井戸駅)と上町駅のみで発売とのこと。後ほど購入することとして、まずは向井潤吉アトリエ館へ向かう。電停からは徒歩で約15分である。向井潤吉(1901-1995)は“民家の画家”として知られており、伊勢原市子易の民家の絵もあった。内部は写真撮影厳禁だったので外部の写真しかない。

 
フォルトゥーナ外観 ◇ 甲斐のうさぎパン

 松蔭神社前駅に戻る道すがら、フォルトゥーナ(世田谷区世田谷1-10-19-101、電話03-3706-1977)という甲斐小麦のパン屋さんに寄り、カレーパンや甲斐のうさぎパンを買う。まさしくぶらり旅である。


世田谷線散策きっぷ(表) 


世田谷線散策きっぷ(裏) 

 松蔭神社前駅から再び電車に乗り込み三軒茶屋駅へ。今度は最後部から乗り、車掌さんに「一日フリー切符を購入したいのですが」と尋ねた。すると三軒茶屋まで行くことを確認した上で「三軒茶屋と上町と下高井戸でしか販売しておりませんので、ここでは130円支払っていただき、三軒茶屋でこの券(支払い証明書のようなもの)を駅員に提出して差額の170円をお支払いください」とのこと。システムはわかったが、車掌が車内に居ればそこで販売してもよさそうなものだが・・・。なんのための車掌なんだろ。ちなみに一日フリー切符とは呼ばずに“世田谷線散策きっぷ”と呼ぶ。切符を手に入れるのにこんなに大変だったのは初めてである。それだけ手に入れた時の喜びは大きかったのは事実である。

 
三軒茶屋駅名標 ◇ 折り返して下高井戸行きになる車両(赤)


三軒茶屋駅

 さて終点の三軒茶屋駅に到着。上述のように“世田谷線散策きっぷ”を手に入れた後、まずは駅の周辺を散策。“三軒茶屋”という地名は、江戸時代の中ごろ、大山道(矢倉沢往還)の本道(現世田谷通り)と近道(現玉川通り)の分岐点付近に、田中屋・信楽(後に石橋屋)・角屋という三軒の茶屋があったことに由来するとの説明が世田谷通り沿いにあった。

 
エコー仲見世 ◇ 喰うてかへんか?

 “エコー仲見世”商店街と「喰うてかへんか?」とかかれた看板のあるすずらん通りを歩く。新旧混在・東西混在のような雰囲気に、街の活気が伝わってくる。

 
宇明家餃子定食 ◇ しそ餃子


ずわいがにとアボガドの贅沢サラダ

 しばらく散策した後、宇明家三軒茶屋店で昼食。私は宇明家餃子定食(790円)を、妻はしそ餃子(200円)とずわいがにとアボガドの贅沢サラダ(820円)を注文。美味しくいただいた。

 
キャロットタワー ◇ 展望ロビーからの眺め

 その後さらに三軒茶屋のシンボルのキャロットタワーの26階にある展望ロビーへ。そこからの眺めは素晴らしい。ちょっと曇り空だったが、遠くには横浜のランドマークタワーも見え堪能できた。

 
三軒茶屋駅を出たばかりの車両(黄) ◇ 西太子堂駅に停車中の車両(ピンク)

 展望ロビーから直下を見ると、世田谷線がゆっくりと走っているのが見える。おもちゃの電車を見ているようで楽しい。


環状七号線との踏切

 三軒茶屋を後にして宮の坂駅へ向かう。若林駅手前で環状七号線の踏切を越える。線路と道路の踏切なんて特別珍しいことではないが、電車側にも信号があり、電車が停止することもあるのは珍しいと思う。

 
宮の坂駅 ◇ 車両(青)

 
保存車両 ◇ その内部

 宮の坂駅には保存車両がある。中は開放されていて子供たちの格好の遊び場となっているようだ。

 
豪徳寺参道 ◇ 豪徳寺境内

 
招き猫奉納所 ◇ 車両(紫)(宮の坂駅)

 小田急線の駅名にもなっている豪徳寺というお寺も近くにある。立派な参道があり敷地も広い。招き猫のお寺として有名らしく招き猫の奉納所があった。あと3週間後くらいなら見事な紅葉が眺められると、近所のおじさんが教えてくれた。

 
段差のないホームと車内 ◇ 車イスでも通れる連結部

 再び電車に乗り、下高井戸駅を目指す。世田谷線の車両はすべて低床車である。つまり車イスが、道路からホームへ、そしてホームから車内へ、そのまま乗り込めるのだ。当たり前に聞こえるかも知れないが、これが路面電車のメリットの一つである。お年よりの乗り降りも他の電車や地下鉄に比べたら圧倒的に楽である。高齢社会である21世紀はもっと路面電車が見直されてもよいと思う。


車窓風景(松原駅〜山下駅間)

 下高井戸駅で下車し、下高井戸駅前市場やその近くの商店街などを散策。今日は本当によく歩く一日だ。商店街をぶらぶら歩くだけでも新たな発見があったりしてかなり楽しい。かなり疲れたので、帰りは各駅停車の新松田行きでそのまま伊勢原へ。計算してみると、伊勢原・豪徳寺間が行きは65分、帰りは74分と10分も違わないのも新しい発見だった。
【旅程】
伊勢原(10:32)〜成城学園(11:19) 小田急小田原線 急行 480円(豪徳寺まで)
成城学園(11:24)〜豪徳寺(11:37) 小田急小田原線 各駅停車
山下〜松蔭神社前 東急世田谷線 130円
東急世田谷線散策フリーキップ 300円
豪徳寺(15:35)〜伊勢原(16:49) 小田急小田原線 各駅停車 480円