かめかめ・かめラ
岳南鉄道

(静岡県富士市)
(2004/11/23)
 静岡県の地図を見ると、吉原から北側に走る線路がある。北に向かってそして途中から東に向かっており、どこに接続するでもなく終点に至る。その距離わずか9.2km。それが岳南鉄道だ。富士山を富岳(あるいは富嶽)と言うことから、富士山の南の地域という意味なんでしょうね。  今日は、天気は快晴! 絶好の旅日和である。小田急線で小田原へ出て東海道本線で吉原へ行くのが順当なところだが、本厚木からあさぎりに乗って御殿場線回りで沼津へ出て、東海道本線で吉原へ行くことにした。伊勢原駅の窓口で「あさぎり1号、本厚木から沼津まで、乗車券は吉原まで」の切符を購入し上り電車で本厚木へ。電車の中で切符を良く見ると、特急券が本厚木〜御殿場までになっているのに気づく。本厚木駅の窓口で、事情を話して本厚木〜沼津までに変更してもらう。


本厚木駅構内にある茶屋風の飲食店

 
列車表示 ◇ あさぎり1号

 定刻通りに本厚木駅を出発。南側の席だったため強い日差しが差し込んでくる。意外にも乗客が多い。よく観察するとゴルフでもやりにいくような感じである。禁煙席でもよかったが喫煙席を指定したのだが、スモーカーの私でも煙のモクモク状態には閉口する。新松田駅の手前でスピードを落とし、ポイントで一旦上り線路に移り、すぐにJRとの連絡線路をゆっくりと右カーブしていく。JR御殿場線に合流してすぐに松田駅に到着。その後、谷峨駅で上りのあさぎりと列車交換し、駿河小山駅に8時47分着。かなりの乗客が降車した。やはりゴルフ客である。御殿場駅に到着する手前から富士山が青空にくっきりと姿をみせる。

 
東名高速(車窓) ◇ 富士山(車窓)

 御殿場駅には8時59分着。さらに乗客が減り、まばらな車内となった。雄大な富士山を右手に見ながら裾野を経て沼津には9時23分定刻に到着した。同じホームの反対側線路に浜松行きが停車しており乗り換えは大変便利である。吉原駅には9時44分の到着である。

 
岳南鉄道線のりば ◇ 仏舎利殿

 
見晴らし台 ◇ 田子の浦港


富士山

 岳南鉄道乗り換え口はホームの西側に階段があるが、まずは南口へおりて「富士と港が見える公園」に向かう。5分くらいで到着。裏側から行ったので最初に仏舎利殿がデンと現れ、?と思ったが、見晴らし台はその反対側にあった。見晴らし台からは富士山が正面に見え、田子の浦港も眼下に見下せる。吉原駅へ戻ろうと今度は別の道を歩いていると、ピンクのちらしを手にしたウォーキングの人たちと、次々とすれ違う。

 
探索ウオーク受付 ◇ ピンクのチラシ(地図)

 
スタート地点(岳南富士岡駅) ◇ ゴール地点(吉原駅)

 ウォーキングの大会でもやっているのかなと思い、吉原駅の北口へ行くと謎が解けた。まさにJR東海主催の「富士てがみまつりとかぐや姫探索ウォーク」の受付があった。ここで私もピンクのチラシをもらった。それによると岳南鉄道で岳南富士岡駅が起点となり最後に「富士と港が見える公園」を見た後、吉原駅が終点になっていた。前もって準備していた地図を家に忘れてきてしまったので、このチラシの地図が役にたった。


岳南鉄道吉原駅


一日フリー乗車券

 
がくちゃん かぐや富士号 ◇ 車内風景

 
写真の掲示 ◇ 車窓

 岳南鉄道吉原駅の窓口で一日乗車券(400円、土日祝のみ)を購入し、かぐや富士号に乗って岳南富士岡を目指す。車内の窓の上部には、昔から現在までの岳南鉄道の写真が掲載され、写真の場所を当てるクイズなどもあった。この電車は2年前にデビューしたもので公募により「がくちゃん かぐや富士」と名付けられた2両編成のロングシート車である。ワンマンであり、降車は最前部のドアからで、乗車時には整理券を取るバスのような仕組みである。電車は東海道に沿ってしばらく西へ向かい、それから進路を北に変え、たちまちに今度は東へ向かうというもの。単線だが周囲に工場が多く貨物車両が多い。

 
岳南富士岡駅 ◇ 駅構内にあった車両(通称:赤がえる)

 岳南富士岡駅に到着。構内には、“赤がえる”と称される車両があった。

 
湧水公園の鯉 ◇ 順路矢印@医王寺

 
竹採公園 ◇ 神授の竹@竹採公園

 駅前に探索ウォークの起点があり、矢印で順路が表示されており、誰でも迷子になる心配はない。駅を出て、しばらくは富士山に向かって北上する。湧水公園や医王寺があり、さらに10分くらい歩くと竹採公園があった。かぐや姫伝説の地である。“比奈”という地名があるが“姫”からきているのだそうだ。

 
かがみ石 ◇ 滝不動

 さらに順路に従って行くと、かがみ石や滝不動といった見どころがある。

 
鎧ヶ淵親水公園 ◇ 湧き水@親水公園

 さらに親水公園では数多くの人々が昼食休憩をしていた。

 
岳南原田駅名標 ◇ がくちゃん かぐや富士号

 岳南原田駅から、探索ウォーク順路から離れて岳南鉄道で終点の岳南江尾へ向かう。

 
終点に到着 ◇ 岳南江尾駅舎


車両(赤)(通称:新赤がえる)@岳南江尾駅

 岳南江尾駅は終点であるが周囲には“駅前”と思われるものは何もなく数軒の民家と駅舎がポツンとあった。


貨物車両

 比奈駅付近にはJR貨物車両が多かった。周囲の工場と直結して貨物輸送に貢献しているのだろう。

 
東海道吉原宿 ◇ 吉原中央駅


西木戸跡

 岳南江尾駅から折り返しで電車に乗り、吉原本町駅で下車。旧東海道を西へ向かって歩く。静岡銀行の脇に「東海道吉原宿」の目印を発見。そしてバスのターミナルである吉原中央駅を通り過ぎ、さらに10分ほど歩くと「西木戸跡」があった。これにて旧東海道散策を中止し吉原本町駅方面へ戻る。

 
牛1 ◇ 牛2


菅原道真像

 駅への途中に天神社がある。鳥居をくぐると左右に牛のオブジェが迎えてくれ、菅原道真像もあった。

 
日産前駅名標1 ◇ 日産前駅名標2

 
地域のための傘 ◇ 車両(新赤がえる)@日産前駅

 隣の日産前駅まで行こうと歩を進める。無人駅でローカル色豊かな駅だった。多くの駅に傘が置いてあり「皆さまのためのかさです」と書いてある。突然の雨にも利用者の利便性を考えた優しく地域と密着した鉄道であることがわかる。


JRと岳南鉄道の線路のつながり

 写真ではわかりにくいかも知れないが、ホームの線路の2本右の線路は岳南鉄道につながっている。JR貨物の通り道なんだろうな、と推測する。
 帰りは吉原から乗った普通列車が沼津で、接続予定の御殿場線普通列車の遅れの影響で数分遅れ、熱海での乗り換えが駆け足でギリギリとなってしまった。お年寄りは階段が多かったので乗り換えられなかったんじゃないかな。良く歩き良く走った1日だった。
【旅程】
伊勢原(07:44)〜本厚木(07:51) 小田急小田原線 急行 180円
本厚木(08:05)〜沼津(09:19) 小田急小田原線〜御殿場線 特急あさぎり1号 2980円
 <内訳>運賃 330円(本厚木〜松田)+1110円(松田〜吉原)、特急券 1540円
沼津(09:30)〜吉原(09:44) 東海道本線 普通
吉原(10:46)〜岳南富士岡(11:00) 岳南鉄道 一日乗車券 400円
岳南原田(12:29)〜岳南江尾(12:40) 岳南鉄道
岳南江尾(12:43)〜吉原本町(12:58) 岳南鉄道
日産前(14:33)〜吉原(14:37) 岳南鉄道
吉原(15:04)〜熱海(15:49) 東海道本線 普通 950円(〜小田原)
熱海(15:52)〜小田原(16:19) 東海道本線 普通
小田原(17:16)〜新松田(17:30) 小田急小田原線 各駅停車 360円(〜伊勢原)
新松田(17:31)〜伊勢原(17:51) 小田急小田原線 各駅停車