かめかめ・かめラ
信州紀行
(山梨県〜長野県)
(2011/9/10-11)(記 2012/3/18)


 9月10日(土)の夜に長野市へ行くことになった。10日(土)は第二土曜日なので通常業務は休みである。普通なら小田急線で新宿へ出て、東京か大宮から長野新幹線で行くのだろうが、そうは行かない(笑)。うまい具合に青春18きっぷが1回分残っているのだ。正確に言うと、今日のために1回分残していたのである。趣味の世界のこういったやりくりは、私はかなり上手である。仕事にも生かせれば・・・・・・・(以下自粛)

 朝5時30分に起床。いつもと違い、こういう日の早起きは苦にならない。遠足や運動会を迎えた小学生みたいなのである。伊勢原駅前のなか卯で朝食を取り、伊勢原駅を6時46分の快速急行新宿行きに乗った。本厚木で各駅停車に乗り換え次の厚木駅で下車する。厚木駅といっても所在地は海老名市である。そしてJR相模線との接続駅であるのに急行は停車しない。奥ゆかしい駅なのである。少し横道に逸れるが、この文章は11月2日に書いている。前日の11月1日はJR東日本が社会人野球の全国大会である都市対抗野球で初優勝した。エースの十亀(とがめ)投手はドラフトで西武ライオンズから一位指名されたばかりだ。“かめ”つながりなので応援しよう!  すっぽ抜けてしまったフォークボールのようにかなり逸れてしまったので話しを戻す。

 厚木駅の改札は小田急とJRが同じである。一度改札を出てから、窓口で青春18きっぷに印をもらい再び中に入る。

 橋本行きの列車に乗る。相模線は電化されているが単線なので、海老名や番田で列車行き違いのために数分停車する。なんとなくのんびりしていてローカル線の味わいが残っている路線である。橋本から八王子までは横浜線。これは都市型路線であり座席には座れない。八王子からは中央線に乗り換える。八王子から高校生が大量に乗車したが、次の西八王子で下車した。近くに高校があるのだろう。そしてその先の高尾でまた乗り換えである。


青春18きっぷ

 最後の欄に厚木駅の印が押されている。


ブルーライン相模線応援

 東京〜高尾までは中央線快速が頻繁に運行されているので“中央線”と呼ぶのに対して、高尾から先は中央東線と呼ぶこともある。甲府行き普通列車は6両のボックスタイプのセミクロス。トイレは付いている。登山やハイキングの格好をした中高年の人々で満席である。座席が確保できずドア付近に立ったままで出発を迎えた。

 藤野で目の前の人が降りたのでセミクロスのロング部分に座ることができた。ラッキー池田(古!)である。初狩から笹子へ向かう急勾配の坂もまったく苦もなく登っていく。先月(8月5日)に大月から富士急行に乗り換えたが、今回は大月駅で特急待ち合わせで数分停車する。ホームに出て気分転換し、乗客もかなり空いてきたので最後尾へ移動する。

 
中央東線車両@高尾駅 ◇ 大月駅

 勝沼ぶどう郷駅付近から甲府盆地とぶどう畑がよく眺められる。絶景の一つである。山梨市駅では特急はまかいじ(横浜〜松本)に追い抜かれた。小田急線で町田へ出て、JR町田駅からこの特急はまかいじに乗ることもできるのだが、特急なので青春18きっぷは使えない。甲府には定刻通り10時04分に到着した。


【勝沼ぶどう郷からの眺め】


桃のオブジェ@山梨市駅

 甲府駅で1時間余りの乗り換え時間がある。まだ昼食には早いが、駅ビルの中のとんかつ新宿さぼてんでお弁当を買う。いくつかの種類があったが、一口ヒレカツ・メンチ・イカフライの入った“ゆり”にした。メンチとイカは好物であるのだ。これで620円とはお買い得である。甲府駅前には武田信玄像がでーんとそびえている。今風の表現でいうと“ドヤ顔”をして鎮座している。

 
甲府駅 ◇ 武田信玄像

 甲府からは3両編成、ボックスタイプセミクロスである。始発にもかかわらず乗客が多く、ボックスの進行方向窓際は取れず。逆向き通路側になんとか座席を確保した。車窓も望めないのでさっそくゆり弁当を食べることにする。まだ温かさが残るお弁当はなかなか美味しい。これでビールがあったらなおいいが、夜の仕事に備えて自粛する。

 列車は徐々に高度を上げ、信州へ向かっている。左手には南アルプスの甲斐駒ヶ岳など、そして右手には八ヶ岳が見えてくる。小海線の起点となっている小淵沢駅を過ぎる。ここで降りて、清里や野辺山方面へ行くのもいいなぁ、などと考えるが、夜の仕事に備えて自粛する。岡谷へは数分遅れて到着した。

 
甲斐駒ヶ岳方面の車窓 ◇ 八ヶ岳方面の車窓


中央東線旧線地図

 普通なら岡谷から塩嶺トンネルを通ってみどり湖駅を経由して塩尻に向かうのだが、私は普通ではない(笑)。塩嶺トンネルが開通するまでの旧い中央東線に着実に従うのである。岡谷駅の降りたホームの向かい側に白い豊橋行きの列車が出発を待っている。飯田線直通豊橋行きの普通列車である。これに乗り換えて辰野駅まで向かうのである。2両セミクロスだが、高校生で満員である。立っているしかないのだ。

 
豊橋行き車両 ◇ 辰野駅名標

 わずか11分で辰野に到着した。ここからが支線の始まりである。


【辰野駅に入線】

 単行(1両)のかわいらしい列車が辰野駅に入線したきた。折り返し運転となるこの列車に乗る。座席はロングシートであり、さすがに座席には余裕がある。


車両前面展望


【辰野駅を出発】


【信濃川島〜小野】

 定刻の12時40分に辰野駅を出発した。辰野から信濃川島、小野を経て塩尻に向かう路線は、昔は幹線だったが今では支線(旧線)として位置づけられている。諸行無常の哀愁が感じられる路線である。約20分で塩尻駅に到着した。先月(8月7日)にも来たばかりだ。


車両@塩尻駅

 約30分の待ち時間があるのでホームをブラブラしてみた。駅名標がおしゃれだ。というよりも“美味しい”駅名標なのだ。改札口の近くにはスタンプがあった。明治35年12月15日開業で標高が716mだそうだ。再びホームに戻り、松本方面に足を運ぶ。ワイングラスが大きく写っている看板もおしゃれで美味しそうだ。

 
塩尻駅名標 ◇ 塩尻駅スタンプ


ホームの看板

 看板の向こう側にはワインの貯蔵樽が3つ積んであり、「日本でここだけ 塩尻駅名物」と書いてある。「みどりの風と香りただよう ワイン・ぶどうの里 塩尻市」ということだ。“日本でここだけ”とは、どうも「ホームのぶどう園」らしい。ホームの先には写真のようなぶどう園があった。ホームが余っていたのでこのように利用したのであろう。なかなか面白いアイデアである。

 
ホームの樽

 
ホームのぶどう園

 塩尻から松本までの列車は特急列車の遅れの影響を受け、4分遅れて出発した。車両は4両ボックスタイプのセミクロスシート。松本でも約30分の待ち合わせで長野行き普通列車に乗り換える。こちらは3両ボックスタイプのセミクロスシートである。途中の姨捨駅はスイッチバックになっているが、その前後からの眺めは“善光寺平の眺め”として日本三大車窓の一つとなっている。平とは盆地のことで、善光寺平とは長野盆地のことである。姨捨駅で下車して善光寺平の景色を楽しんでもいいのだが、夜の仕事に備えて自粛する。


【善光寺平の眺め】

 
姨捨駅からの眺め ◇ 姨捨駅停車中

 一度姨捨駅に停車した列車が後ろ向きに走り出した。スイッチバックである。そして側線に入って停まり、また進行方向を変えて前に進み出す。


【スイッチバック1】


【スイッチバック2】


スイッチバック3

 そしてしばらくして桑野原信号所でも特急列車の通過待ちのためにスイッチバックになっている側線に入って停まった。なかなか楽しい列車である。

 長野駅から目的のホテルまではタクシーを利用した。そして夜の仕事を無事に終えて、待ちに待った(笑)懇親会である。懇親会と言ってもただの飲み会に他ならない。久しぶりに会う方々と楽しい時間を過ごし、ホテルのベッドで休んだ。

 夜、ふと目を覚ますと、私の隣にはすやすや寝息をたてている美しい女性が、、、昨日のコンパニオンかな? えっ、どうして??? 自分はいったい何やってんだ!!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・うそです。うそです。妄想です。夢の中です。懇親会にもコンパニオンなんていませんでした。

 次の日は、早朝から長野電鉄などを乗ろうと計画していたが、睡魔に負けて予定変更。どうもスイマせん(笑)。というわけで、帰りは極々普通のルート、そうです長野新幹線で帰って来た。新宿では京王デパートの鳩居堂で贈答用のお線香を買い(いいお線香って高いんですね)、小田急線の快速急行と急行を乗り継いで(乗り継ぎなくないのだけれど仕方ない)帰った。
【旅程】
2011/9/10 伊勢原0646ー<小田急線>ー0652本厚木0656ー<小田急線>ー0657厚木0716−<相模線 青春18きっぷ>ー0747橋本0756−<横浜線>ー0807八王子0811−<中央線>−0818高尾0820ー<中央本線>ー1004甲府1058ー<中央本線>ー1224岡谷1229ー<中央本線>ー1240辰野1246ー<中央本線>ー1307塩尻1342ー<篠ノ井線>ー1359松本1426ー<篠ノ井線>ー1546長野

2011/9/11 長野1026ー<北陸(長野)新幹線 あさま502号>ー1146大宮1200ー<湘南新宿ライン>ー1228新宿1329ー<小田急線>ー1401相模大野1402ー<小田急線>1421伊勢原