かめかめ・かめラ
房総半島紀行

(千葉県市原市・大多喜町・大原町・鴨川市・君津市・木更津市など)
(2005/3/21)
(記 2005/3/26)



ピンク:小湊鉄道、緑:いすみ鉄道、青:外房線、紫:バス、赤:徒歩、水色:久留里線

 久しぶりの休日を有意義に過ごすために朝5時に起きて伊勢原駅へと歩く。途中のセブンイレブンで温かいお茶とオニギリを購入し、伊勢原駅5時43分発各駅停車町田行きに乗る。

 
夜明け前の伊勢原 ◇ おにぎり

 海老名で下車し、相鉄に乗り換えて横浜へ向かう。徐々に乗客が多くなってきた。横浜からはアクアライン経由のバスで五井まで向かう予定である。五井行きのバスは18番線から出発するが17番線は東京ディズニーリゾート行きのバスを待つ客で一杯である。元気モリモリの若者や女性が多い。7時発のバスには乗りきれずに次のバスを待つ人の行列がこれまた長い。
 7時5分発の五井行きのバスには20人くらいが乗車した。ディズニーリゾートと比較すると勝負にならないが、予想していたよりもはるかに多くの人達に利用されている。五井駅到着の予定時刻は8時10分であるが、8時1分には到着してしまった。バスは当然ながら道路状況により遅れることもあり計画を建てる際に注意が必要である。

 
五井駅 ◇ 五井駅構内



 さてここからは小湊鉄道いすみ鉄道を利用して外房の大原へ出ようというわけである。ホームページの情報によると「房総半島横断乗車券」が発売されているということなので、五井駅の窓口で聞くと「それは小湊鉄道のホームで販売しているので改札でそのことを申し出て入って構いません」とのこと。改札でそのことを伝えると、なるほどすぐに通してくれた。大らかなものだ。
 小湊鉄道のホームへ降り、階段の裏側に券売所があった。正式には「房総横断記念乗車券」というのらしい。小湊鉄道の上総鶴舞駅といすみ鉄道の大多喜駅が関東の駅百選に認定されたのを記念して誕生したものだそうだ。せっかくだからこの二つの駅も見てみよう。


 8時32分発の上総牛久行きの列車はすでにホームに入線していた。一両編成のロングシート車両で2ドアである。車掌がおりワンマンではない。小湊鉄道には18の駅があるが、そのうちの半分の9つの駅名に「上総−−」という字がついている。定刻に発車した列車は、海士有木駅で対向車と列車交換をした後、8時59分定刻に上総牛久駅に到着した。

 
小湊鉄道 ◇ 上総牛久駅

 さて上総鶴舞駅へはあと二駅だが、次の列車まで約1時間待ちである。この後の行程を考えるとここは鉄道での移動をあきらめタクシーを利用する。うまい具合に駅前にタクシー会社がある。運転手には「上総鶴舞駅を経由して高滝駅まで」と告げる。5分ほどで上総鶴舞駅に到着。構内は広く確かに景観がよい。この佇まいが関東の駅百選に認定されたのだと確信する。

 

 
上総鶴舞駅

 上総鶴舞駅で写真を数枚撮ったあと、高滝駅までタクシーで向かう。高滝駅周辺には高滝湖、高滝神社、高滝ダムなどがある。

 
高滝湖 ◇ 加茂橋

 
高滝神社 ◇ 高滝ダム

 


高滝駅

 高滝駅に入ってきたのは2両編成の列車。女性車掌である。シートが7割方うまるくらいの乗客が乗っている。車内には3月26日の千葉ロッテ対東北楽天の開幕試合のチラシがあった。養老渓谷駅で半分以上が下車し、次の終点の上総中野へ向かう。“養老”という言葉を聞いて、“養老の滝”を真っ先に思い出すのはオヤジの性か。

 
車窓 ◇ 千葉ロッテ対東北楽天のチラシ

 上総中野駅に到着。ここでいすみ鉄道の乗り換えである。カメラを片手にした多くの客が駅や列車や周辺風景を撮影している。


車両@上総中野駅

 
駅名標@小湊鉄道 ◇ 駅名標@いすみ鉄道

 いすみ鉄道の列車がしばらくするとやってきた。こちらはバスのような形状の1両ロングシートのワンマン列車である。「なのはな」と命名された列車で、この地域が菜の花の見どころであることを告げている。まだ少し早いかも知れないが、確かに線路の脇には数多くの菜の花が黄色い花を咲かせていた。

 
車両@上総中野 ◇ 線路脇の菜の花

 いすみ鉄道の列車に乗って出発を待っていたら、デジカメを片手にあたりを写していた隣のオジサンから「わたらせ鉄道と同じような車両ですね」と声をかけられた。スーツの上にトレンチコートを着ているのに、スポーツタイプのスニーカーを履いていたオジサンだった。同類に思われたのかも知れないが、正直いうとかかわりたくなかったので「わたらせ鉄道には乗ったことないんです」とさりげなく会話をはずませなかった(笑)。
 大多喜駅で途中下車する。上総鶴舞駅と同様に関東の駅百選に選ばれただけあり立派な駅だった。

 


大多喜駅

 大多喜駅で駅近くの大衆食堂があれば腹ごしらえをしようと思い、周辺を散策するが目ぼしい食堂は見当たらない。朝からおにぎり1個しか食べていないのでお腹が空いているが、次の大原までがまんすることにしよう。

 
駅近くの公園の案内板 ◇ 駅近くの菜の花

 12時7分大多喜始発の列車で大原に向かう。車窓からはこれでもかと言わんばかりに菜の花が咲いているのが見える。

 
車両 ◇ 線路沿いの菜の花

 大原駅に到着し、駅前ロータリーの向こう側にある清宮食堂で昼食を取る。そして13時12分発の特急わかしお9号で安房鴨川へと向かう。


いすみ鉄道大原駅

 
外房線大原駅

 
特急わかしお9号 ◇ 車窓

 安房鴨川駅に着き、駅前の観光案内所でこれからのバスの予定と発着場所について確認する。そして14時50分発の千葉行きのバス(千葉中央バス)に乗る。

 
安房鴨川駅 ◇ バスからの車窓

 このバスの笹という停留所で降りて、徒歩で久留里線の終着駅である上総亀山駅まで行く予定である。バスは順調に走っていたが、君津物産館前でボーイスカウトが30人くらい集団で乗車。乗車するだけならよいのだが、リュックなど大きな荷物を抱えての乗車なのでかなり時間がかかる。笹バス停に着いたのは予定より9分遅れの15時20分! 上総亀山駅15時59分の列車に間に合わないとさらに1時間待つことになる。初めての土地で時間が限られている中を歩くのはかなり不安である。この道で方向があっていると確信して歩き出すが自然と速足になる。亀山ダムによって作られた亀山湖をみながら上総亀山駅に到着したのは15時50分近くであった。

 
かめやま園 ◇ 亀山温泉ホテル

 
亀山湖 ◇ 周辺案内板

 
川俣橋

 上総亀山駅は終着駅であり、線路も行き止まりである。これから久留里線で木更津へ向かう。

 
上総亀山駅 ◇ 線路も行き止まり

 
駅名標 ◇ 列車

 木更津駅に着いてから、駅前で腹ごしらえをして17時50分発のアクアライン経由横浜行きのバスに乗る。横浜へは19時ちょうど着の予定だったが18時46分には到着していた。そして相鉄線で海老名へ、小田急線で伊勢原へと戻ってきた。疲れたがなかなか有意義な一日が過ごせた。
【旅程】
◆伊勢原(05:43)〜海老名(05:54) 210円 小田急小田原線
◆海老名(05:59)〜横浜(06:35) 300円 相模鉄道本線
◆横浜(07:05)〜五井(08:01) 1,600円 小湊鉄道/京急バス
◆五井(08:32)〜上総牛久(08:59) 1,600円 房総横断記念乗車券(五井〜大原)
◆上総牛久(09:10)〜高滝(09:30) 2,500円 タクシー
◆高滝(10:02)〜上総中野(10:30)
◆上総中野(10:41)〜大多喜(11:04)
◆大多喜(12:07)〜大原(12:34)
◆大原(13:12)〜安房鴨川(13:59) 1,150円 外房線
     特急わかしお9号 (乗車券650円 + 自由席特急券500円)
◆安房鴨川(14:50)〜笹(15:20) 800円 千葉中央バス カピーナ号
◆笹(15:20)〜上総亀山(15:45) 徒歩
◆上総亀山(15:59)〜木更津(17:04) 650円
◆木更津(17:50)〜横浜(18:46) 1,500円 小湊鉄道/京急バス
◆横浜(18:59)〜海老名(19:30) 300円 相模鉄道本線
◆海老名(19:39)〜伊勢原(19:51) 210円 小田急小田原線