かめかめ・かめラ
白川郷・高山・上高地
(岐阜県〜長野県)
(2005/8/16-19)(記 2005/8/28)


 息子達も大学生と高校生になり、家族で一緒にどこかに出かけようとすれば「どこでも二人で行ってきたら?」などと普段から言っているので、もう家族旅行は無理かな?と思いながら「夏休み、どこか行こうか?」との問いに意外な答えが長男から返ってきた。

『白川郷に行ってみたいな!』

昨年、車の免許を取った長男にも運転をしてもらうのだし、この意見を取り入れて家族で白川郷〜飛騨高山〜上高地へドライブ旅行をすることになった。ところで長男の言葉だが正確には「白川郷になら行ってやってもいいよ」だったかも知れない(笑)
 午前7時に自宅を出発。東名高速を長男の運転で快調に飛ばす。助手席は非常に楽である。愛知県の豊川IC以西は車では未知のゾーンである。名古屋を越えて、東海北陸自動車道に入り、川島ハイウエイオアシスで休憩する。観覧車などがありゆっくりと休憩ができるようだ。ソフトクリームを食べてから再び出発。途中、郡上八幡IC前後で多少混雑するも、高鷲ICで東海北陸自動車道を降り、国道156&158号線を北上し、道の駅「大日岳」で昼食。そして次に“ひるがの分水嶺公園”へ向かう。

 
分水嶺公園

 ここは小川(湧き水か?)から流れてきた清水が、太平洋(長良川)と日本海(庄川)に分れる分水嶺である。分水嶺については、「日本の分水嶺」に詳しく書かれている。多くは山の尾根にあり、このように道路際にあるのは珍しい(と思われる)。

 
旧遠山家 ◇ まゆ

 牧戸の交差点を左折し、国道156号線をさらに北上する。右手に御母衣湖が見え隠れする。御母衣ダムを過ぎたころ、左手に合掌造りの旧遠山家が現れる。ここは旧遠山家民俗館として公開されている。パンフレットによると「合掌造りの遠山家はかつての大家族制度を忍ばせる、1827年頃に建造された壮大な建築物で、間口22m・奥行き13.3m、高さ14.5mです。1階は住居として天井裏の1〜3層は主に養蚕用に使われていた」とある。

 
小田原提灯 ◇ 立ちつぶら

 神奈川ゆかりの“小田原提灯”もあった。よちよち歩きをはじめた子供ようにでしょうか“立ちつぶら”もあり、まだまだたくさんの貴重なものが展示されている。

 
白川郷集落@展望台 ◇ 合掌造りの食堂

 そして白川郷に向かう。道路には観光客が多く(私たちもだが)賑わいと見せている。後ほど民宿の人に聞くと、「今まで天気が悪くて、今日の午後から晴れてきたんです」とのこと。なかなか運がいい。まずは車で展望台へ行く。ここからの眺望は写真やテレビなどで見慣れているが、実際に見る方がはるかに素晴らしい。一度でいいから冬の雪の積もった季節に来てライトアップされた光景を見てみたいものだ。

 街中は合掌造りに家が民宿になったりお土産屋さんになったり食堂になったりしている。

 
合掌造り

 合掌造りの建物は屋根が南北に向いており、それがさらに景観美を高めるのだそうだ。

 
長瀬家 ◇ 将棋盤

 この長瀬家は最も大きな合掌造りであり、2001年に80年ぶりの屋根の葺き替えが行われたばかりだ。養蚕関連の品々や、初代から三代目までが医者だったので医療関連の品々が保存されている。

 
和田家 ◇ 屋根裏

 和田家は“国指定重要文化財合掌造り”であり、屋根裏の造りなどは他の建物よりもしっかりとしていた。2004年に葺き替えが行われたばかりで他の合掌造りより明るい藁葺き屋根が映えていた。

 
幸エ門(民宿)

 今日の宿は、合掌造り民宿の幸エ門。夕食は地元の山菜・山野草の天ぷら・川魚、朝食は朴葉みそ焼き・山菜など、かなり大人向きのもの。しかし周りにコンビニもないためか、息子達の生命本能が危機を感じてか(笑)ほとんど完食していた。ここのご主人は話し好きで、夕食後にいろいろな話しをしてくれた。その後、屋根裏部屋にあがっていくと、そこには小さなステージがありスライドショーで白川郷の四季を紹介していただいたりした。白川郷に行く機会があったらもう一度泊まりたい民宿である。

 
まつりの森@高山

 翌日は高山に向かう。相変わらず長男の運転だ。今回は8割以上は長男の運転だったが、助手席は本当に楽である。高山祭りは有名な祭りであるが、その山車を一同に集めた施設がこの“まつりの森”である。荘厳であるが、山の中腹をくり貫いた内部は少々寒い。私はもう少しゆっくり見たかったが、家族にはそれほどの感激を与えたわけではなかった。


金太郎と熊との戦い(からくり)@まつりの森

 各山車のからくりが5〜10分毎に実演されているのに、すべてを見ることができずに退散する。

 
弥生橋から宮川を望む ◇ 古い街並み

 宿泊予定のホテルに車をおき、やよいそばで中華そばを食べてから市内散策に出かける。弥生橋から宮川東側の朝市の通りから、テレビなどでおなじみの古い街並みへ向かう。この通りは人通りが多い。メチャ混みである。快晴で陽射しも強い。

 
中橋 ◇ 人力車から

 中橋で息子達と分れ別々に行動する。我々夫婦は軟弱にも陣屋前から人力車に乗ってめぐることにした。人力車はメチャ混みの通りを走れるわけではなく、一本裏の道を進んでいる。

 
昭和なつかし館 ◇ 一本裏の道はこんな静か

 昭和なつかし館の前で人力車から下車。ここはもっと大きな建物かと思ったが予想がはずれた。でも「Madison Square Garden」のバックに懐かしさを感じるあなた・・・・それ相当のお年です(爆)

 混雑している通りの一本裏はご覧のような静けさ。いにしえも忍ばれる穴場である。老舗の醸造酒屋・饅頭屋・そば屋などがある。

 
飛騨さしこのお店 ◇ 布屋

 別の裏道には飛騨さしこの店や布屋があり、こちらもゆったりとしている。

 
糀屋 ◇ 桜橋

 合わせ味噌などの糀屋さんもある。弥生橋東側の桜橋界隈は京都を思わせる趣がある。ちなみに息子達はレンタサイクルを借りて市内を縦横無尽に駆け巡ったそうである。夕食は鳩谷で特選飛騨牛料理とちょっと奮発してみた。さすがに息子達は満足していた。

 翌日は高山から上高地に向かう。上高地にはマイカー規制がひかれているので沢渡近くの岩見平駐車場に車をおきタクシーで上高地へ。タクシーとは贅沢に、と思われるかも知れないがバス代は上高地バスターミナルまで片道1,000円(往復1,800円)もするので家族4人ならばタクシーでも料金としては大差ない(というか、行きは大正池まで3,800円くらいで帰りは上高地バスターミナルから4,200円くらいだった)し、時間の節約にもなる。

 
大正池 ◇ 鴨@田代池

 大正池からは梓川沿いの自然研究路を歩く。田代池、田代橋、穂高橋を通る。

 
梓川 ◇ ウェストン碑

 上高地温泉ホテルや上高地清水屋ホテルを左手に見ながら、ウェストン碑の前を通る。ウォルター・ウェストン宣教師は日本アルプスの魅力を世界各地に紹介したので近代登山開拓の父とも呼ばれている。

 
穂高岳方面 ◇ 河童橋

 河童橋から穂高方面の眺めは雲があってあまり良好ではない。


番所大滝

 再び車に戻り、今晩の宿へ向かう途中の番所大滝へ向かう。岩にはりついた階段を降りていくと大きな滝が一気に見えてくる。高さは40mある。

 
ログホテル ロッキングチェアー

 昔、ハイラックスサーフのCMで使われたというログハウスホテルのロッキングチェアーが今日の宿である。天気がよければ満天の星が眺められるというキャッチフレーズに魅かれたが、今晩は曇りで星を欲しがるわけにはいかない。スタスタと寝るだけである。

 
国宝 松本城

 翌朝は、松本城天守閣へ登ってから中央高速で帰路を急ぐ。しかし、どのお城でも天守閣へ登って下を見ると、道路を歩いている人々が“庶民”に見えてしまうのは私だけではあるまい。