かめかめ・かめラ
飯田線紀行
(山梨県〜長野県〜静岡県〜愛知県)
(2005/8/26-27)(記 2005/9/9)


 当初の予定では長男と二人で、25日夜のムーンライトえちごに乗り、新潟〜柏崎〜直江津と日本海側を進み、信越本線をさらに長野へ抜け、篠ノ井線で松本を経て飯田線を南下して太平洋岸へ出るつもりだった。しかし小型で暴れん坊の台風11号の影響でムーンライトえちごは運転中止となってしまった。そこで予定を変更し、翌朝から町田〜八王子〜甲府を経て岡谷で当初の予定列車との合流となった。

 というわけで、伊勢原駅を出発したのが26日の9時58分。約12時間遅れの旅立ちとなった。JR町田駅のホームからは台風一過の晴れ間がのぞき、少しずつ蒸し暑くなってきた。町田駅からは快速八王子行きに乗車し、八王子からは高尾まで行き、高尾発小淵沢行の6両セミクロス車に乗る。

 
小淵沢行@高尾駅 ◇ ワンタンメン@蓬莱軒

 甲府に到着し改札を出ると「甲府駅ってこんなに小さいの?」と長男。県庁所在地だからかよほど大きな駅だと思ったのだろうか。外気は猛暑で、後ほど知ったが甲府は37.4度を記録したらしい。蓬莱軒まではもちろんタクシーである。とても歩く気はしない。タクシーの運転手は腹の虫の居所が悪いのかひどく横柄な態度だった。昼食後、遊亀公園へ歩いていったがこれが大失敗! 近いと思ったが実は遠く、かなり歩いたので二人とも大汗をかいてくたくたになった。途中には9月11日の衆議院選挙の準備か「小泉総理来る! 8月27日 午前11時30分 遊亀公園」という看板が林立していた。遊亀公園から甲府駅まではバスを利用した。初めての土地ではバスを利用しにくいが、主要駅に戻るバスに乗ることは比較的簡単である。


小泉総理来る!

 遊亀公園には付属動物園があり、駅前には舞鶴城公園があるので、“鶴”と“亀”がそろうことになる。ただそれだけなんですけどね。

 
鶴と亀1

 
鶴と亀2

 甲府を出てからは、期待していた八ケ岳は雲の中。岡谷からは快速みすずに乗り換えて、辰野からは念願の飯田線である(^_^; 夕方には予定通りに伊那市駅に到着。長男は自動改札ではないことに驚いており携帯のカメラで記念写真を撮っていた。


伊那市駅舎

 伊那市といえばローメンである(笑)。発祥の地である萬里へタクシーで向うも意外と近かったので帰りは歩いた。

 
ローメン誕生 ◇ 豚ローメン@萬里

 朝食は伊那市駅にある「そば・うどん・弁当・五平餅」の“伊那谷駅弁”と書いてあるお店で玉子うどん。“五平餅”があるのがさすがに長野県である。

 
伊那谷駅弁@伊那市駅 ◇ 天竜峡行@伊那市駅

 天竜峡駅行きのセミクロス2両編成に乗る。学生さんで一杯であり、やっと座ることができた。駒ケ根で大量に下車して車内は空いてきた。

 
下山村駅(オメガループ起点) ◇ オメガループを地図で見る

 飯田駅付近の線路はΩのような形をしているので“オメガループ”と呼ばれている。この下山村駅から伊那上郷駅まで直線距離では約2kmであるが、線路は飯田駅方面へ迂回しているため6.4kmもある。下山村駅で列車を降り、ダッシュで伊那上郷駅まで走り、同じ列車に乗るゲームが一部の健脚に知られている。

 
豊橋行@天竜峡駅 ◇ 天竜ライン下り下車駅

 天竜峡は天竜ライン下りの下車駅である。3両セミクロスの豊橋行きに乗る。狭い河岸段丘の影響なのか短いトンネルが多い。民家は川の向こう側に多いような感じがする。


車窓

 のどかな車窓が続く。ここからが本当の飯田線のような気がする。天竜峡駅を出てしばらくすると、DVD「秘境駅」に出てくる秘境駅が次々と現れる。

 
金野(きんの)駅

 まずは金野駅

 
田本(たもと)駅

 そして田本駅。山肌にへばりついたような駅である。

 
為栗(してぐり)駅

 次は為栗駅。読み方が難しい。


車窓

 車窓は相変わらずのどかである。こんなローカル色たっぷりなのに電化されているのがミスマッチである。


中井侍(なかいさむらい)駅

 さらに中井侍駅

 
小和田(こわだ)駅

 小和田雅子様(こちらは“おわだ”だが)のご成婚の時にだけ脚光を浴び賑わった小和田駅


三県境界駅@小和田駅

 愛知県・静岡県・長野県の境界駅としても知られている。このような秘境駅の一つにでも降りたかったのだが時間を取るのが難しくて断念した。

 
中部天竜駅 ◇ 待合室

 中部天竜駅で下車。この駅の待合室のイスは車両の座席だったものを転用している。

 
佐久間レールパーク ◇ 小和田駅名標

 中部天竜駅に併設されている佐久間レールパークを見学。小和田駅などの駅名標が建物の外に並んでいる。

 
ジオラマ ◇ プラレールジオラマ

 中にはジオラマがあり、二階にはプラレールジオラマもある。


プラレールで遊べる

 その横にはプラレールで遊べる場所があり、子どもたちが遊んでいた。

 
100系東海道新幹線 ◇ いろいろな車両

 屋外の車両展示館にはいろいろな車両が並んでいる。車両好きの人にはたまらないであろう。

 
いろいろな車両

 
客車車内


客車車内

 
三好野 ◇ ビール

 昼食は駅の目の前にある三好野で。まさに“駅前食堂”である。

 
カツカレー ◇ カツ丼

 生ビールでのどを潤し、私はカツカレーを長男はカツ丼を食べて満足する。

 
吊り橋 ◇ 吊り橋からの眺め

 食後に時間があったので駅の周囲を散策する。“中部橋”という吊り橋があったのでそこを渡る。川の水は橋の上からでも澄んでいて、魚の姿が見える。そんな中で釣りを楽しんでいる人達がいる。

 
トロッコファミリー号

 中部天竜からはトロッコファミリー号に乗る。家族連れで満席である。

 
トロッコファミリー号トレードマーク ◇ 指定席チケット

 トロッコファミリー号は2両の普通客車と2両のオープントロッコ車の計4両で構成されているが、2両分の指定席しか販売されない。風雨の強い時には普通客車に座るためである。

 
トロッコファミリー号車内 ◇ 車窓

 子どもたちは疲れたのか、風に吹かれながら寝ている。風にあたりながら眺める車窓は気分がよい。

 
車窓

 新城駅に到着する前に長男がギブアップし、豊橋から新幹線で小田原まで移動することにした。長旅になるので最後は新幹線を使おうかなとチラッとは考えていたが・・・・。新城から15時52分発の普通列車に乗り換え、豊橋駅には16時24分に到着し、16時33分発のこだまに乗ることができた。ファミリートロッコ号の豊橋着は16時46分なのでわざわざ新城駅で乗り換えたのだ。新幹線に乗ってウトウトしていたらあっという間に小田原に着いた。改めて新幹線は速いことを実感できた。楽しいけれどちょっと疲れた旅であった。長男曰く「疲れた。もう行かない」と。今度は次男を連れて行こう。
【旅程】
<8月26日>
◆伊勢原(09:58)〜町田(10:20) 小田急小田原線 300円
◆町田(10:30)〜八王子(10:55) 横浜線 快速 青春18きっぷ(2,300円)
◆八王子(10:58)〜高尾(11:05) 中央線
◆高尾(11:23)〜甲府(12:57) 中央東線
◆甲府(15:38)〜岡谷(17:01) 中央東線
◆岡谷(17:09)〜伊那市(17:52) 中央東線・飯田線 快速みすず
<8月27日>
◆伊那市(07:45)〜天竜峡(09:48) 飯田線 青春18きっぷ(2,300円)
◆天竜峡(10:00)〜中部天竜(11:24) 飯田線
◆中部天竜(14:18)〜新城(15:40) 飯田線 トロッコファミリー号(指定席 510円)
◆新城(15:52)〜豊橋(16:24) 飯田線
◆豊橋(16:33)〜小田原(18:13) 東海道新幹線(運賃3,570円、特急券3,250円)
◆小田原(18:27)〜伊勢原(19:06) 小田急小田原線 360円