かめかめ・かめラ
東北紀行
(秋田県〜山形県〜新潟県〜福島県)
(2009/5/13-17)

【1 寝台特急あけぼの】

(2009/5/13-15)(記 2009/6/14)


 今回の出張先は山形県天童市である。仕事は14日の午後からなので13日の寝台特急あけぼのに乗り秋田経由で天童に向かうという、普通の人なら絶対に考えない奇妙なルートで向かうのである。どう考えても山形新幹線で行くのが普通だ(笑)。

  さて、きっぷの手配をした数日後、友人から電話があり「僕のラジオ番組に出演してくれない?」とメールがあり「13日の19時頃に原宿で」ということだった。伊勢原から上野へ移動することを考えると、時間といい場所といい全く断る理由がない好都合であった。19時40分頃から20時20分頃まで6分番組を5日分収録という、めったにできない貴重な体験をさせてもらった。持つべきものは友である。収録終了後、原宿駅から山手線で上野へ向かった。


上野〜新津〜羽後本荘の地図

  21時少し前に上野駅に到着した。構内のNewDaysで夜の友(つまみとアルコール)を購入し、入線してきたあけぼのに乗った。今回はB個室ソロである。開放型B寝台と同じ料金であるが個室なので人気が高い。上段と下段があり上段を選んでみた。21時15分、定刻通り上野駅の13番線を出発した。


寝台特急あけぼのの方向幕

  大宮、高崎と停車していく。平日なのでまだまだ家路へと急ぐ通勤客の姿を、浴衣に着替えた状態で窓から眺める。

 
B個室ソロ上段 ◇ テーブル

 
B個室ソロ上段へ向かう階段 ◇ 操作盤


なつかしい紙コップ

  夜の友との会話を楽しんだ後、横になりウトウトする。気がつくと長岡駅で停車していた。もう新潟県だ。その次ぎに目が覚めると酒田駅であった。酒田といえば北前船の航路で栄えた港町でもあり、アカデミー賞受賞作で話題になったおくりびとのロケ地でもある。遊佐あたりから小雨が降ってきた。奥の細道で有名な象潟を過ぎ、仁賀保あたりで雨が上がった。

 
朝の車窓 ◇ 鯉のぼり@羽後本荘駅

  午前6時6分に羽後本荘駅に到着した。ここで途中下車する。お腹が空いたが、駅そばはないし、コンビニもなく、そしてキオスクは6時30分からの営業のため朝食を食べることができない。まぁこんなことは予想済みである。外気はかなり寒い。ベストと薄いブルゾンでは肌寒い感覚である。なお羽後本荘駅からは由利高原鉄道(昔の矢島線)が矢島駅まで分岐している。

 
羽後本荘駅舎 ◇ 羽後本荘駅名標

 
スタンプ

 
由利高原鉄道の列車 ◇ JRの列車


羽後本荘〜羽後亀田の地図

 羽後本荘駅6時42分始発の2両ワンマン列車は味気ないロングシートで残念である。発車予定時刻を過ぎても出発しない。あれっ?と思ったら、運転手からアナウンスがあった。強風のために他の列車が遅れている影響でまだ出発できないということだった。結局8分遅れの6時50分に出発した。しばらくして今度は道川駅構内での踏切り故障があったということで臨時停車した。いったいどうなることやら。

 羽後亀田駅に到着したのは予定より17分遅れの7時13分頃であった。木造の無人駅(委託してあるらしい)である羽後亀田駅はかめかめステーションの最後の対象駅だったので途中下車したのであった。


羽後亀田駅名標



 
羽後亀田〜秋田の地図 ◇ 秋田〜新庄の地図

 その次の列車に乗り込み秋田駅に到着したのは予定より9分遅れの7時53分だった。秋田駅では以前来たときにホームにあった十文字ラーメン三角屋を探すが見つからない。駅前の市場へ行くのは時間が足りないので、ラーメンを食べるのをあきらめて、駅の売店で調理パンを購入して朝食とした。ホームには8時25分発のリゾートしらかみ1号が入線してきた。これに乗って五能線の旅に出掛けたいが、天童での仕事に向わなければならない。

 秋田駅からは8時11分始発の新庄行きに乗り込んだ。しかし羽越本線の遅れの影響を受けこちらも4分の遅れとなった。列車は2両ワンマンでこちらもロングシート。羽越や奥羽地域はロングシートが多いので旅情が今一つなのがとても残念である。新幹線停車駅でもある大曲に到着する頃にはほぼ定刻に戻っていた。ここから湯沢まではウトウトとしてしまいあまり覚えていない。湯沢から目が覚めてきた。山々の頂には雪がまだ残っている。


新庄駅


新庄〜天童の地図

 新庄には定刻の10時50分に到着した。ここからは山形新幹線を利用する。さくらんぼ東根駅までの自由席特急券(730円)を購入する。

 
さくらんぼ東根駅舎 ◇ スタンプ

 
佐藤錦の佐藤栄助翁の銅像 ◇ ホーム

  さすがに新幹線は早い。わずか27分でさくらんぼ東根駅に到着した。さて駅からはタクシーで河北町のといやに向かう。河北町のいくつかの食堂はカレー風味ソースカツ丼で知られているのだ。タクシーの運転手さんに「河北町のといやという食堂まで」と告げるもハッキリしない。とにかく河北町に向かうがわからない。お店に直接電話すると「県立河北病院の入口です」という返事。タクシーの運転手さんに県立河北病院へ向かってもらうと街道沿いにといやはあった。

 
といや外観 ◇ メニュー

 店内はお客さんで賑わっている。さっそくソースカツ丼を注文する。店内の張り紙に「当店のカツ丼は卵とじではありません」とわざわざ書いてある。カツ丼のスタイルは全国各地で特徴があり、ソースカツ丼文化圏はかなり広いと推定される。さて、そうこうしているうちに出てきたカツ丼は、ソースにカレーの風味があり、これはこちらの地のカツ丼であろうと想像する。カレー風味ソースカツ丼の情報をいただいたM氏に感謝である。

 
カレー風味ソースカツ丼

 さて、そろそろ仕事の時間が近づいて来たので、天童市内の滝の湯ホテルまで戻ることにしよう。滝の湯は、将棋ファンならピンと来ると思うが、昨年(2008年)12月17,18日の二日間にわたり、渡辺 明竜王と羽生善治名人が第21期竜王戦第七局の死闘を演じた場所である。館内に入っただけでそのオーラを感じることができる。将棋の街だけあって歩道にも詰め将棋が描かれている。

 今日の午後、そして明日、明後日と仕事である。

 
天童駅舎

 
ホーム ◇ 足湯

 
郵便ポスト ◇ 歩道の詰め将棋

 翌15日、ちょこっと時間があったので左沢(あてらざわ)線に乗ってきた。フルーツラインの別名があるように沿線では各種フルーツが有名であり、駅名標がフルーツの形をしている。

 
山形〜左沢の地図 ◇ 羽前山辺駅名標

 
寒河江駅名標 ◇ 左沢駅名標

 終点の左沢駅へ到着した。同じ列車で山形まで引き上げる。

 
列車@左沢駅 ◇ 左沢駅名標


左沢駅舎

 山形駅に到着してから北へ向かい、陸橋から線路を見下ろす。ご覧のように左側が山形新幹線の軌道(広い)で右側が奥羽本線の軌道(狭い)である。複線のように見えるが実は純粋な複線ではなく、単線×2という感じなのだ。


線路間の軌道の違い
【旅程】
上  野21:15〜06:06羽後本荘 上越・信越・羽越本線 寝台特急あけぼの
羽後本荘06:50〜07:13羽後亀田 羽越本線
羽後亀田07:20〜07:53秋  田 羽越本線
秋  田08:15〜10:50新  庄 奥羽本線
新  庄11:14〜11:48さくらんぼ東根 山形新幹線 つばさ114号
【1 寝台特急あけぼの】  【2 SLばんえつ物語号】