かめかめ・かめラ
広島紀行
〜寝台特急あさかぜ・広島電鉄路面電車〜

(静岡県〜広島県)
(2004/11/12-13)

【1 寝台特急あさかぜ】
(2004/11/12)



寝台特急あさかぜチケット

 前日の夜から今朝にかけて東海地方に大雨が降り、東海道本線が一部区間の一時不通や遅延などとなり、また浜松ではガード下で車が水没し運転手が死亡するという事故があった。天候不良の時には寝台列車が真っ先に運行中止になるのは半ば常識なので、ちょっと心配になりながら伊勢原駅から小田原駅へ向かう。しかしどうして今年は水害や地震などでの災害が多いのだろう。いまだに新潟や豊岡では避難所生活が続けられている。小田原駅で今夜のあさかぜの定時運行を確認し、安堵感とともに熱海駅へ移動した。熱海駅発は20時39分だ。8月に出雲に乗ったときは22時41分発だったのでホームに人がほとんどいなかったが、まだ金曜日のこの時間帯だと多くの人がいる。ここ熱海は在来線ではJR東日本とJR東海の境界に当たるので、そのためか当駅発着の列車が多いのが特徴だ。車両の運用の影響なのか、同じホームからそれぞれ反対方向への列車が発車している。

 
列車表示(熱海駅) ◇ 寝台特急あさかぜ

 いよいよあさかぜ号がホームに入ってきた。シングルデラックス個室の車両は3号車である。通路を通り8番の個室が今夜のネグラである。

 
通路 ◇ 部屋番号

 部屋に入るとしばらくしてから車掌さんがやって来て、カードキーとシャワーカードをいただき、キーの使い方や部屋の設備などを説明してくれた。

 
カードキー ◇ カードキーの使用方法


シャワーカード

 「内側にある回転式の鍵を上側に向けたままで、外側から鍵をかけると振動で自動的に内側から鍵がかかってしまうので、これだけは避けてください」と強調された。こんな場所でロックアウトされたくはない。


危険な状態

 室内はベッドが横たわり、浴衣と洗面道具一式が置いてある。ベッドと反対側には奥から、テーブル・AV設備・洗面台・隣室へのドアとなっている。テーブルは折り畳み式であるがしっかりしている。AV設備は、ビデオチャンネルや音声だけのチャンネルがいくつかある。VHSビデオを持ち込めば再生して楽しむこともできる。ビデオチャンネルでは、実写とアニメを同時に組み合わせた外国映画(タイトル不明)が放映されていたし、音声チャンネルでは、岩崎宏美特集や井上陽水特集が放送されていた。岩崎宏美か・・・うーん、懐かしいなぁ。洗面台も折畳み式である。偶数部屋はこのようにピンク色だが、一方奇数部屋は青色らしい。隣室へのドアがあることから続きの2部屋を押さえると、中で行き来が可能となりツインのように使うこともできる。荷物置場も上方にある。

 
ベッドと浴衣 ◇ テーブル

 
AV設備 ◇ 洗面台

 
隣室へのドア(右側) ◇ 荷物置き

 テーブルの横には灰皿がある。洗面台の横には靴べらも用意されている。

 
灰皿 ◇ 靴べら

 壁側に目を移すと、読書灯がある。そしてその横にはコンソールがあり、目覚まし時計機能がついている。右下のランプは3号車のシャワー室使用中のお知らせである。ベッドには頭部が電動でギャッジアップできるようになっていてなかなかお洒落である。また足部には肘掛けがついていてイスになる。

 
読書灯 ◇ コンソール

 
ギャッジアップ ◇ イス

 隣の4号車には昔の食堂車の名残がラウンジカーとなっている。団体で来たときにはこのような場所で歓談できる。自動販売機もある。

 
ラウンジカー ◇ 自動販売機

 3号車にはシングルデラックス専用のシャワー室があるので便利だ。専用シャワーカードで6分間のシャワーが可能である。女性には少ない時間かも知れないが、男性の私にとっては洗髪して身体も洗って十分な時間である。こまめにシャワーを止めればその間はカウントされないので流しっぱなしにしないのが有効に6分間を使うコツである。ドライヤーもある。

 
シャワーカード挿入機 ◇ シャワー


ドライヤー

 21時から翌朝6時までは安眠を確保するため車内放送は中断される。21時以降も静岡、浜松と停車していくが、まだホームにそこそこ人がいる時間帯なので停車駅が近づくと窓のカーテンを閉める。浴衣姿を窓越しに見られるのは苦手である。
 名古屋駅が近づいて来たとき、東海道新幹線の下り列車が追い抜いて行った。時刻表で確認すると名古屋駅に23時46分着のひかり293号らしい。あさかぜは23時43分に名古屋駅着で、同46分発であるが、数分遅れているらしい。
 広島駅着は翌朝の6時31分なので、6時に目覚ましをセットして就寝する。しかし5時30分頃には自然に目が覚めてしまった。あさかぜは、福山からは尾道、三原と停車して乗客を少しづつ降ろしていく。6時頃には西条に到着。定刻通りである。広島駅には6時31分到着。土曜日早朝のこの時間でも駅前広場には学生達が目立ち活気がある。  
【旅程】
伊勢原(18:11)〜小田原(18:51) 小田急小田原線 急行 360円
小田原(19:45)〜熱海(20:09) 東海道本線 普通列車 12,810円(福岡市内まで)
熱海(20:39)〜広島(翌06:31) 寝台特急あさかぜ(東海道本線〜山陽本線) 16,500円
2004年11月27日の情報によると、この寝台特急あさかぜとさくらが2005年3月のダイヤ改正で廃止になるという。あさかぜは1958年10月、さくらは1959年7月の誕生だった。「お疲れさまでした」と言いたい。
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