かめかめ・かめラ
餘部紀行
〜寝台特急出雲・余部鉄橋と路面電車〜

(兵庫県・滋賀県・岐阜県・愛知県)
(2004/8/27-29)

【2 余部鉄橋】
(2004/8/28)


 
特急はまかぜ2号 ◇ “カニ”

 香住駅で鳥取方面からの特急はまかぜ2号と列車交換である。ホームにはかにのオブジェがあった。

 
“カニ迎” ◇ “カニ”

 
“カニ” ◇ “カニ”

 改札口の上にも「カニ迎」という看板があり、駅前にもかにのオブジェがたくさんあった。まさに「かにづくし」である。駅前の喫茶店は営業中であった。失礼ながら利用者がいるのだろうか? その隣は幸楽という食堂である。うーん、店内に「渡る世間はカニばかり」とか書いてあったら面白いのだが・・・

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鎧駅手前車窓風景 ◇ 鎧駅

 香住駅からは普通列車(2両のセミクロスシート車)に乗り換えて餘部駅を目指す。進行方向に向かって右側に腰をおろし青春18きっぷのポスターにも登場した鎧駅を眺める。NHKの朝のドラマの「ふたりっこ」のロケ地でもあったようだ。海から近いこの駅にも下車してみたいが列車が少ないので車窓からの眺めで我慢する。

 
余部鉄橋から ◇ 余部鉄橋から

 トンネルをいくつか過ぎると、余部鉄橋にさしかかる。鉄橋から眼下に餘部集落が見える。

 
下車した列車 ◇ 餘部駅名標

 
ホームから余部鉄橋・豊岡方面 ◇ 余部鉄橋

 餘部駅で下車。駅は餘部で鉄橋は余部と、字は違うが読みはともに「あまるべ」である。餘部駅から余部鉄橋は目と鼻の先である。

 
“鉄橋撮影ポイント登り口” ◇ 余部鉄橋全貌

 丁寧にも「鉄橋撮影ポイント登り口」と表示してある小道を登ると、視界が開けて余部鉄橋の全貌がよく見える。すでに三脚が3台並んでおり、列車が通るのをじっと待っている人達が2人いた。列車撮影者に便宜をはかるようにここにも時刻表が設置されている。至れり尽くせりである。私は餘部集落へと向かう。

 
駅からの下り坂 ◇ 橋脚を通して日本海を望む


余部鉄橋

 餘部駅へは車では行けない。“駅前”という感覚もない。餘部駅の余部鉄橋側の脇から写真のような細い坂道で集落と行き来できるだけである。バリアフリーなんて概念がないかのような地形の厳しさである。坂の途中からも余部鉄橋が間近によく見える。

 
余部鉄橋 ◇ 鉄橋を下から望む

 
余部鉄橋 ◇ “山陰本線 余部橋りょう”

 下から鉄橋を眺めてみる。高さが41.45メートル(ビルの15階相当)、長さが310.59メートルのこの鉄橋はトレッスル式と呼ばれる建築様式で明治45年(1912年)に開通した。開通までに2年の歳月と33万余円という当時としては巨費を投じ、延べ25万人の人夫を要して完成された。山陰本線建設では最大の難工事であり、この鉄橋の完成をもって事実上の山陰本線の開通となったそうだ。それにしてもすごい建築物である。芸術である。鉄橋の中央部には「山陰本線 余部橋りょう」と書いてある。

 
民家の近くに橋脚 ◇ 慰霊碑

 鉄橋のすぐそばまで民家がある。昭和61年(1986年)12月28日(日)13時25分頃、鉄橋を通過中の香住発浜坂行き回送列車が海からの突風にあおられて転落し、車掌1名と押しつぶされた水産加工場の5名が尊い命を落とし、現在では工場のあった場所には写真のように慰霊碑(聖観世音菩薩)が建てられていた。この列車は、団体臨時の和風列車「みやび」で山陰お買い物ツアーなどの一般客174人を乗せて9時26分に福知山駅を出発し11時49分に香住駅に到着し、浜坂駅に回送する時の転落事故でした。174人を乗せた列車が転落事故を起こしたことを考えると背筋がゾッとする。事故後には風対策が強化され、風速20メートル以上になると鉄橋手前で列車を停車させている。そのため年間約300本以上が運行中止になっている。だから掛け替える話しが出てもおかしくはないのである。

 
餘部駅ガイドマップ ◇ 餘部駅道しるべ

 
餘部駅道しるべ ◇ 餘部駅道しるべ

 慰霊碑の脇にはガイドマップがあった。また駅までの道しるべがいくつかあった。それだけ駅の場所がわかりにくいということである。でもこの表示はちょっとおかしいなぁ。正確には“餘部駅”とすべきなのに“余部駅”となっている。


余部鉄橋を渡る列車

 駅までの坂道を今度は登り鉄橋撮影ポイントで鉄橋を渡る列車を撮影した。三脚組は連続シャッター音を響かせていた。

 
近畿の駅百選 認定証 ◇ ノート


乗車する列車

 餘部駅は近畿の駅百選に認定されている。トイレ付きの待合室にはノートがあり旅人達が思い思いのメッセージを書き込んでいた。香住・豊岡方面への普通列車(2両のセミクロスシート車)が来たので餘部を後にした。空いていた車内には、関西弁が飛び交っていた。


豊岡駅

 豊岡駅に到着。朝早くおにぎり一個だけだったのでお腹が空いてきた。

 
生そば 丹後屋 ◇ 中華そば

 9時30分から営業している「生そば 丹後屋」で中華そばを食す。そば屋の中華そばってのもなかなかいいものですね。


特急きのさき4号

 豊岡駅から綾部駅までは特急きのさき4号京都行き(4両編成の転換型クロスシート車)へ乗車。自由席はガラガラであった。11時頃には空には雲が出てきており、流れが早い。台風16号の影響かも知れない。綾部駅で普通列車(2両のセミクロスシート車)に乗り換えて園部駅へ。車窓からは栗の木などが見える。園部に近づくと車内の人数が増えてきて立っている人も出てきた。園部駅でタンゴディスカバリー1号と列車交換し、快速列車(4両のセミクロスシート車)に乗り換えて亀岡の一つ手前の並河駅で下車。快速列車といっても快速区間は亀岡〜京都までだから、並河までは各駅に停車する。車窓から見える看板には「山陰本線の京都〜園部間は複線化が決定!」と書いてあった。

 
千成餅食堂 亀岡店 ◇ 中華そば

 駅前の千成餅食堂 亀岡店でやはり中華そばを食す(笑)。食欲を満たした後は普通列車(4両のセミクロスシート車)で京都駅へ。保津峡が見え隠れする。そして東海道本線(琵琶湖線)の新快速(8両の転換型クロスシート車)で山科駅へ向かう。
【旅程】
香住(07:31)〜餘部(07:42) 山陰本線 普通列車
餘部(08:53)〜豊岡(09:45) 山陰本線 普通列車
豊岡(10:39)〜綾部(11:46) 山陰本線 特急きのさき4号 940円
綾部(11:58)〜園部(12:55) 山陰本線 普通列車
園部(12:56)〜並河(13:10) 山陰本線 快速列車
並河(13:50)〜京都(14:24) 山陰本線 普通列車
京都(14:28)〜山科(14:33) 東海道本線 新快速
【1 寝台特急出雲】  【2 余部鉄橋】  【3 京阪電鉄大津線】  【4 名鉄岐阜市内線】  【5 豊橋鉄道市内電車】