かめかめ・かめラ
石巻、再び
(宮城県)
(2011/8/18-21)

【3 キャンナスと活動】

(2011/8/20-21)(記 2011/11/15)


 8月20日(土)は10時に石巻市中央公民館へ。その前に時間があったので、石巻港周辺を巡って見る。

 
がれきを積んだトラックの渋滞が起きている。 ◇ JR貨物の建物も壊れたままである。

 
おそらく頑丈に作られているであろうコンテナもごらんのような有り様である。 ◇ 道路の中央分離帯には巨大な空き缶が転がったままである。

 さて中央公民館へ移動する。キャンナス詰め所のKさんとOさん、そして中央公民館責任者に挨拶し、避難している人の話しを聞く。しかし日中は外出している人が多いので避難所の人は少ない。Kさんは看護師で京都の京田辺市から、OさんはPT学校の学生で佐賀県から来ている。Oさんは東京まではヒッチハイクで来たとのこと。パワフルである。公民館は1階から3まであるが、9月末日で避難所が閉鎖になり仮設住宅へ移動することになっているが仮設住宅に移れない人のために3階をフリーにしてある。

 まずは2階の大きな空間に行くと、テレビでは高校野球が流れていて、見ている人が1-2人。昼寝をしている人が2-3人とそのくらい。我々のニーズはない様子。でも全体では30人くらいいそうな感じ。仕切りはないので、床にベタッと毛布を敷いて休んでいる感じだ。

 1階の和室には、10人くらいの人たちがいる。そこの92の独居女性に話しを聞くと、下痢気味で開業医にかかったが・・・・・という。方言のために話しが部分的にわからない。結局、「処方箋はもらったが、ヘルパーさんが二日後くらいに調剤薬局に行き薬が手に入る予定」ということだった。処方箋と保険証などを預かり車でわずか5分のところの薬局に代理で取りに行った。調剤薬局で目についたOS-1を5本買い、薬とともに手渡すととても喜ばれたが、周囲の人もOS-1欲しいようで、少し分ける。意外に人気なんですね。処方されていた薬剤は降圧剤(カルシウム拮抗薬)、スタチン薬とともに下剤(プルゼニドの後発医薬品と酸化マグネシウム)だった。そしてタンナルビンとミヤBMとフェロベリンが下痢に対して処方されていたので、下痢が止まるまではプルゼニドと酸化マグネシウムを中止するように指示した。開業医からそのような注意は聞いていないというし、調剤薬局でもそこには全く触れられなかった。

 そのおばあちゃんは仮設住宅に当たったものの遠くて生活できないためキャンセルしたとのこと。隣のおばちゃんは近くていいところが当たったようだ。このような悲喜こもごもも発生している。

 
キャンナス詰め所 ◇ 行方不明者の情報求める張り紙

 
石巻赤十字病院の処方箋

 4月に行った時には、写真のような処方箋があり、避難所ごとに石巻赤十字病院の方が処方箋を取りに来て、2日後くらいに避難所に届けるような運用になっていた。厳密にいうと、違法な部分もあるかも知れないが、それどころではなかったのだ。

 キャンナスから、近所の喫茶店(だった)むぎのご主人の右肘に傷があるので見て欲しいを言われた。歩いて2分ほどの場所にあった。東京のYMCAが店の掃除のボランティアに来ていた。そこの代表の「H.I」さんは私の同期のK先生をよく知っていた。都内の協会でのつながりのようである。世の中狭いものである。ご主人も右肘は皮下に血腫のようなものがあり、そこが時々出血するという。骨折で手術した後なので、出血がひどくなれば病院へ行くように指示する。喫茶店が水没したので、もうやめようかと思ったが、サイフォンなどが送られたのでもう一度やろうと決心したところだったようだ。そのサイフォンでボランティアと我々にコーヒーをいれてくれた。9月中旬の再開を目指しているので是非一度行ってみたいものだ。

 
むぎのご主人夫妻、YMCAボランティアの方々と ◇ むぎのメニュー


むぎのとなりのビルの奥には軽自動車が放置されていた。

 その後キャンナス中央公民館部隊の二人とともに味噌タンメンが美味しいという評判の大王(ターワン)に行く。昼食の配給はおにぎりと野菜ジュース、ペットボトルのお茶だった。たまには外へ食べにいくらしい。キャンナスの二人と私は特製みそタンメンを、妻は特製タンメンを注文。あっさりしたタンメンで美味しかった。

 
外観 ◇ メニュー

 
特製みそタンメン ◇ 餃子

 午後からは渡波小学校へ。ここは下水・上水が復旧していないが、教室や体育館が避難所になっている。体育館ではボランティアのコンサートをやっていたが聴衆はわずかに5-6人。教室にいる人に聞いたら、コンサートをやっていることは知っているがいかないらしい。体育館では、段ボールでできたポールを組み合わせて枠を作り、そこにカヤをつっていた。ベッドは段ボールベッド。床にはクッションシートを貼っており、他の避難所よりも環境はよいと思われた。キャンナスの人と妻がひとりの高齢女性と一生懸命に話しをしている。私は退屈してきてその辺をぶらぶらと。その高齢女性は湿布薬の新しい利用方法を見つけたらしい。それはクッションシートのゴミ取りである(笑)。表面に凹凸があるクッションシートには有効な方法らしい。

 キャンナスのS代表とご主人、そして息子のK君と出会う。彼らは葛城ゆきが来る夏祭りに行くとのこと。昼間はドリカムが来ていたようだが、30分もたたずに帰ったようだ。ボランティアの意味をはき違えていないかい?

 
ブティックわたのは ◇ キャンナス詰め所

 
体育館内 ◇ 段ボールベッド

 
クッションシート ◇ コンサート


【コンサート】

 その後、蛇田のイオンショッピングセンターへ。すごく大きな施設だ。日本テレビの24時間テレビのコーナーもあった。

 
24時間テレビ ◇ チャリティーコーナー


キャンナス石巻駅前本部

 キャンナスの本部は石巻駅前のビルの3階にある。

 午後6時に駅から徒歩5分の食事処鳴海へ。M先生、臨床心理士のSくん、Sさん一家、キャンナスのSさんとTさん、私と妻の9人での食事会である。M先生の得意なバルーンアートを披露していただき、なごやかな時間となった。

 

 

 翌日の最終日は、OS-1を持って中央公民館へ。下痢は止まったたが肌寒いというおばあへ、暖かくしているように伝える。そして明日も仕事なので早めに帰ることにする。仙台駅12時17分発のやまびこに乗るも自由席は満席。なんとか妻の席を確保し、私は立っていると、小さなお子さんをつれた家族連れが席をつめてくれたので私も座れることになった。感謝である。
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