かめかめ・かめラ
酔狂な旅(青森〜大阪〜鹿児島)
(東京都〜〜青森県〜〜大阪府〜〜鹿児島県)
(2011/11/11-13)

【1 新幹線はやぶさ〜憧れのグランクラス〜】

(2011/11/11)(記 2011/12/18)


 11月12日(土)夜に鹿児島へ行く用事があった。普通ならば飛行機で往復するのだろうが、私の中の鉄ちゃんの血がそうはさせない。パッと閃いたプランは、(1)東海道新幹線〜山陽新幹線〜九州新幹線の乗り継ぎプラン、(2)寝台特急サンライズ瀬戸・出雲で岡山下車し、そこから新幹線プラン、(3)東海道本線からずっと普通列車で行くプランなどだ。しかし(1)は味気ない、(2)はすでに何回か実践しており面白みに欠ける、(3)は青春18きっぷ期間でもないし体力も消耗する。

 仕事中も考えながら(笑)、ついに思いついた酔狂なプランが今回の旅である。前日の11月11日(金)に休みを取り、東京〜青森〜大阪〜鹿児島という壮大なプラン(笑)である。鹿児島へ行くのに青森を経由して行くのである。こんなことを思いつくのはきっと私しかいないだろう(エヘン!)。さらに希望としては、
1.東北新幹線E5系電車の新幹線はやぶさに乗る
2.そしてファーストクラスのグランクラスに乗る
3.さらに一人用座席に乗る
4.ブルートレイン寝台特急日本海に乗る
5.そして開放B寝台下段に乗る
6.新幹線さくらに乗る
こととした。

 一ヶ月前に会社ビル内にあるEツアーにお願いしたが、はやぶさ3号のグランクラスは二人用座席しかとれず、また日本海B寝台は上段しか取れなかった。グランクラスは人気があるので取れないかも知れないと思ったが、寝台特急日本海B寝台が上段しか取れなかったというのは冗談かと思った(笑)。キャンセルが出たら変更をお願いしていたところ、B寝台下段が取れ、そしてはやぶさ1号に変更することでグランクラスの一人用座席が確保できた。わーい! ついに憧れのグランクラスに乗れるーーー! ♪想い出のグリーングラスじゃなくって、正真正銘の憧れのグランクラスなのだ!!! やったー! ウキウキしながら11月11日が来るのを待った。

 11月11日になった。2011年11月11日と1が6個ならぶ特異な日である。午前5時に自然と目が覚め、着替え始める。隣では妻が寝息をたてている。抜き足差し足忍び足で自宅を出る。別に夜逃げしているわけではないが静かに静かに行動しているのだ。伊勢原駅から小田急線で新宿へ。今日は平日の金曜日だが、朝早かったのでなんとか座ることができた。新宿からは中央線で東京へ。1時間前に東京駅に到着した。待合室に座って待つ。そして待つ。まだ待つ。やっと8時が近づいてきたのでホームに上がる。早朝、仙台を出発した上りのはやぶさ2号が8時ちょうどに東京駅に到着するのである。

 
列車案内 ◇ はやぶさ走行地図

 
東京〜鹿児島の乗車券 ◇ 特急券・グリーン券

 東京都区内〜新青森〜新大阪〜鹿児島中央までの乗車距離は2,645.0kmであり、その運賃はなんと24,780円なのである。ちなみにその有効期間は15日もある。酔狂としか言いようがない(笑)

 新青森までの特急料金は6,490円でグランクラス料金はジャスト10,000円だ。座席は5番のA席である。


グランクラス座席表

 一人座席の前から二番目が5番のA席である。


新幹線はやぶさ入線@東京

 はやぶさ2号が到着した。これから車内清掃して乗車を待つばかりだ。

 
写真撮影 ◇ 行き先表示

 
がんばろう東北! ◇ 車体のロゴ

 到着すると写真を撮る人で大混雑である。構内放送が何度も流れている。「写真撮影の方々も黄色い線の内側へ下がってお願いします。ホームの端に寄ると転倒転落の可能性もあり危険です」という内容の放送である。まぁ私も写真撮影している一人なのだが(笑)、きっちりと黄色い線の内側で撮影している。それに比べて写真に夢中な人々は・・・・・・・・・・ 「人の振り見て我が振り直せ」とはよく言ったものだね。

 
乗車口 ◇ 座席

  乗車口から車内へ入る。ワクワク感を抑えながら、平然としているように装って静かに歩く。座席に着いた。あぁ、これが♪憧れのハワイ航路、じゃなくって憧れのグランクラスの座席だ。大きな空間にゆったりとしたソファーが置いてあるようだ。座るととてもふかふかで気持ちがいい。いつまでのこのままずっと座っていたくなる。読書用のライトもあるし、コンセントも座席ごとに設置されている。

 
座席 ◇ 荷物棚

 後ろからみるとこうなる。シートピッチ130cm(グリーン116cm、普通104cm)、座席幅52cm(グリーン47.5cm、普通44or46cm)と数字で示すとわかりやすいかな。荷物は網棚、ではなく、まるで飛行機のような荷物棚にしまうことができる。停車駅も、大宮、仙台、盛岡だけと少ない。

  東京駅を出発した後、おしぼりが配られる。そしてアテンダントの一人が前方(6番のA席とB席の間の通路)に立ち、「今日はご乗車いただきありがとうございました。私達は専属のアテンダントです。食事や飲み物は今しばらくしてから伺います。メニューは、・・・・・・・・」などと説明があった。これも飛行機みたいだ。Tさんの口上はスムーズだったが、一ヶ所噛んだ(笑)。緊張しているのだろうな。


スリッパ

 座席脇のポケットには取説とスリッパが入っている。

 
飲み物用テーブル ◇ 食事用テーブル

 テーブルも二種類ついている。座席にはアテンダントを呼ぶボタンもある。東京からもかなりの乗客だったが、大宮からは18席すべて埋まっていた。評判通りの人気である。

 グランクラスは座席がすごいだけではない。前述のように専属のアテンダントもいるし、食事も取りそろえてあるのだ。アテンダントのTさんが軽食と飲み物の希望を取りに来た。メニューから和軽食と日本酒を注文した。そう、朝から日本酒なのだ。

 
メニュー ◇ 和軽食と日本酒到着

 
和軽食 ◇ 和軽食のメニュー

 和軽食(青森編)のメニューは、奥入瀬ガーリックポークの漬焼、赤魚白醤油焼、零余子(むかご)真丈、玉子焼、鰊(にしん)昆布巻、みず生姜漬、菊花酢漬、飾り人参、海鮮ご飯(かにほぐし身・いくら醤油漬・帆立煮)、青森産リンゴシロップ漬と、こんなに豪華である。

 
日本酒 ◇ アメニティ

 日本酒は宮城の地酒「於茂多加(おもたか)」だ。グラスにもグランクラスのロゴが入っている。ブランケットやアイマスクや靴べらなども用意されており、新聞やJR時刻表まで用意されている。

 
アップルジュース ◇ お茶とお茶菓子

 静かな車内で読書を楽しみながら、ウトウトしながら時間を過ごす。仙台で4人下車して空いてくるのかと思いきや、4人乗車したのでまだ満席だ。喉が渇いたので緑茶を飲みたくなった。またボタンを押す。そして「緑茶をいただけますか?」と頼むと、「はい。かしこまりました。緑茶と一緒にお茶菓子はいかがですか?」との答え。うれしいねぇ、やさしいねぇ。素直な私はおっしゃる通りにお茶菓子もいただいた。

 
スリッパのロゴ ◇ スリッパとブランケット

 スリッパの袋にもロゴが入っているのに気がついた。盛岡でも乗降あり。ここでは下車客の方が多く、少しだけ空いた。

 
盛岡を出た辺りの車窓 ◇ 落ち着いた雰囲気の車内

 盛岡〜新青森まではトンネルが多かった。とは言え、わずか3時間10分で東京から新青森に着いた。さすがにはやぶさは早い。


駅舎内のお土産屋

 新青森駅の周囲はまだまだ未開発だが、駅舎内にはお土産屋(あおもり旬味館)が出来ていた。しかし、新幹線から真っすぐに在来線に乗り換えると、ここは通らない場所にあるのだ。これでは上手な設計とは言えないなぁ。お土産屋は閑散としていた。新幹線を下車して、ここから観光バスで移動するツアーなどには待合室兼お土産屋として便利かも知れない。

 
新青森駅 ◇ 駅名標

 
行き先表示 ◇ 特急スーパー白鳥15号@青森駅

 新青森〜青森へは普通の乗車券で特急列車の自由席が利用できる特異な区間である。従来では青森駅発着だったスーパー白鳥や白鳥も新青森発着となった。そして青森駅で進行方向が変わるために座席は逆向きにセットしてある。そのスーパー白鳥15号函館行きの自由席に乗って、わずか7分で青森駅に到着した。

 
青森ベイブリッジ ◇ ねぶたの家ワラッセ

 青森港にかかる大きな橋は青森ベイブリッジ。橋桁の下に見えるのは、青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸であり、ちょっと見にくいがその右の歩行者用の橋は青森ラブリッジだ。2011年1月5日に開館したねぶたの家ワラッセも駅の近くにある。おしゃれな外観である。

 最近話題の青森のB級グルメといえば味噌カレー牛乳ラーメンだ。その発祥の店である「味の札幌 大西」に向かった。神奈川県には小田原系のラーメンとして知られている「味の大西」というお店が何軒かある。間違いやすい店名である。

 
味の札幌 大西 ◇ 味噌カレー牛乳ラーメン

 
麺 ◇ 小梅

 カウンターに座りしばし待つ。今日は平日なので地元の常連さんらしき人たちも多く、そして私のような一元さんもおり混んでいた。やがて出てきたラーメンは写真のような乳白色したスープにバターがど〜んと乗っているもの。スープを飲んでみると普通に美味しい。もっとカレー味がが〜ん、味噌味がきゅ〜ん、牛乳味がで〜んとしているのかと思っていたらすべてが控えめで不思議な味のハーモニーになっている。麺は札幌ラーメン様の黄色い縮れ麺。大いに満足した。食後の口直しにサービスの小梅を一ついただき店をあとにした。


青森まちなかおんせん

 まだまだ時間はたっぷりある。ゆっくりと温泉・サウナにでも入りたいので、青森まちなかおんせんへ行く。味の札幌 大西から徒歩2分くらいだ。入場料は420円、バスタオルとフェイスタオルを借りて+200円と安い。中に入るとご老人がいっぱいである。今日が平日だからなのだろう。営業時間も6時〜23時と早朝から営業している。温泉・サウナ・露天風呂と楽しんだあと、休憩室にて横になる。朝早かったので居眠りして休息をとった。

 
大黒寿司 ◇ ホタテ貝焼き味噌

 まちなかおんせんを出てもまだ時間がある。少し早めの夕食にと駅前の大黒寿司に入る。ディスプレイに“ホタテ貝焼き味噌”を見つけたからだ。ビールで喉を潤し、ホタテ貝焼き味噌を味わう。ホタテ貝を皿にしてホタテ・しめじを玉子でとじたもの。味噌味は隠し味のような程度で味噌辛くない。

 隣に座っていたご婦人としばし歓談する。青森近郊にお住まいで旅行好き。ご主人が亡くなった後は一人で国内外の各地へ旅行に行って楽しんでいるようだ。サッカーも好きなようで、今夜のワールドカップアジア予選の日本対ウズベキスタンを気にしていて、バスで早めに帰って行った。
【旅程】
2011/11/11
伊勢原
0552
 |   小田急線 急行
0650
新宿
0656
 |   中央線 快速
0710
東京
0812
 |   東北新幹線 はやぶさ1号 グランクラス
1122
新青森
1135
 |   奥羽本線 特急スーパー白鳥15号
1142
青森
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