かめかめ・かめラ
山陰・広島紀行
(島根県・山口県・広島県)
(2008/7/31-8/4)

【2 出雲大社〜松江】

(2008/8/1)(記 2008/8/16)



旅程

 サンライズ出雲の車内はエアコンが効き過ぎていたので長袖を着ていたが、一歩外へ出るとめちゃくちゃ暑い。熱中症になってもおかしくないくらいだ。高架で近代的な出雲市駅を出ると、そのすぐ横に一畑電車出雲市駅が併設されている。改札を通るとこちらも高架になっていて2階に上がり列車に乗る。

 
列車表示板 ◇ 列車(青)

 青い2両の転換型セミクロスで、クロス部は2列+1列の3列になっている。自転車も300円で持ち込み可能でありそのスペースも確保されている。天井にはいくつかの出雲神話が描かれている。

 
神話の描かれた天井

 この列車は松江しんじ湖温泉行きなので、車内アナウンスではしきりに「出雲大社へお越しの方は四つ目の川跡駅でお乗り換えください」と注意を呼びかけている。

 
川跡駅名標 ◇ 列車(黄)

 川跡駅に着き列車を降りる。向こう側のホームには黄色い旧式の列車が出発を待っている。出雲市駅行きの列車の到着を待って、構内の踏切を渡り黄色い列車に乗り込む。三方向の列車が同時に列車交換するシステムのようだ。黄色い列車はロングシートで旅情がなくつまらない。白くて丸い木製の出雲ドームを左手に見ながら出雲大社前駅に到着した。
 駅舎はステンドグラスで飾られておしゃれである。コインロッカーが一杯だったので駅の手荷物預かりに荷物を預け、おみやげに硬券の入場券を買う。このおみやげには縁結びの御利益があるに違いない。

 
駅舎 ◇ 入場券(硬券)

 出雲大社へ行くにはまだ歩く必要がある。猛暑の中、鳥居をすぎてもまだまだ歩く。10分ほど歩くと本殿が見えてくる。写真で見たことがあるけれど、なるほど太い七五三縄である。団体旅行の参拝客が多く大賑わいだ。お参りをしておみくじを引き、出雲大社をあとにする。

 
鳥居 ◇ 参道

 
本殿

 その後、校庭が全面芝生とちびっこにはうらやましい環境の大社小学校の前を通り、地元の郵便局ではがきと切手を買い、そろそろお昼時になった。出雲そばを食べようと、ガイドブックに紹介されていた八雲と荒木屋に行くがいずれも大行列だ。


校庭が芝生の大社小学校

 結局、参道脇の“かねだ”というそば屋に入った。普通は「いらっしゃいませ」などの声が聞こえるが何もない。ウエイトレス役のおばあちゃんはゆっくりとした動きである。二人分のテーブルが空いていたのでそこに案内された。あまりやる気がないお店に入ってしまったようだ。観察していると水やお茶は客自身が移動して注ぎにいっている。後から来た客もそれを見て雰囲気を察し自分で席を立つ。作り手もひとりで、おばあちゃんも一人だから、捌き方が遅くやたら時間がすぎる。客数に対して従業員の数が少ないのである。山菜そばと割子そばがやっと来た。食べるのはものの5分くらいである。会計時に「繁盛していてお忙しいですね」と多少皮肉を込めて話しかけると、空気が読めないのか「そう、あれがあるからね」とイヤそうに出雲大社を指さして堂々と答えていた。もっと感謝しないとバチがあたりますよ!

 
割子そば ◇ 山菜そば

 そば屋を出て旧JR大社駅に向かう。ここは大正13年の建物がそのまま残っている。古きよき時代の名残でありタイムスリップに陥ったような不思議な空間が残っていた。

 
旧JR大社駅

 出雲大社前駅に戻り、一畑電車で川跡を経て松江に向かう。途中の一畑口駅はスイッチバックである。ここから一畑寺(一畑薬師)まで線路が走っていたが廃止になったため、その名残でスイッチバック駅になってしまった。一畑口駅を出ると進行方向が逆になるので座席の向きを変えた。それを見ていた周囲の人たちも一斉に向きを変え始めた。ここから列車は宍道湖沿いを走る。

 
車窓

 一畑電車には「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前」という日本一長い名前の駅があったがその美術館が閉館したために駅名が「松江イングリッシュガーデン前」に変わった。それでも長い駅名である。その他にも「出雲科学館パークタウン前」、「松江フォーゲルパーク」、「松江しんじ湖温泉」など長い駅名が好きな会社である。終点の松江しんじ湖温泉に着き、今日の宿泊先に荷物を預けてから行動を開始する。
 タクシーを呼んで小泉八雲記念館へ向かう。本当に日差しが強く、タクシーの冷房も効いていない。運転手が「屋根の温度が高すぎて冷房も効かない」とこぼしていた。小泉八雲記念館は松江城の北側にあり、このあたりは塩屋縄手と呼ばれている。記念館・旧居・武家屋敷を見てから、近くの和菓子のお店で涼を取る。妻はソフトクリーム、私はかき氷である。そして近くのお店で帽子を購入。折畳み雨傘を日傘として使うほどの猛暑である。

 
小泉八雲記念館 ◇ 同 旧居

 暑い中を松江城へ向かう。天守閣からは市内や宍道湖が一望でき、天下を取ったようないい気分である。

 
松江城 ◇ 天守閣からの眺め

 松江城を後にして京店商店街へ行き、おみやげの和菓子を買う。そしてカラコロ広場から堀川めぐり遊覧船に乗る。水郷松江ならではのこの遊覧船は松江城の堀割などを一周する。橋の高さが低過ぎて、その下を通る時には屋根が低くなるためそれに合わせて身体を屈める必要がある。なかなか珍しくてユーモラスな光景である。

 
堀川めぐり


【1 サンライズ出雲】  【2 出雲大社〜松江】  【3 山陰本線で萩へ】  【4 津和野〜広島へ】