かめかめ・かめラ
南三陸紀行
(岩手県)
(2014/11/22-24)

【1 大船渡線(一ノ関〜気仙沼)】

(2014/11/22-23)(記 2015/5/2)

南三陸紀行1 準備


三陸鉄道南リアス線全図

 2014年4月に全線再開通した三陸鉄道。昨年(2014年)7月には北リアス線に乗ってきました。あまちゃん人気もあり、大賑わいで車内も大混雑でした。今度は南リアス線です。昨年の11月下旬の連休を利用して行ってきました。

 三陸鉄道南リアス線は盛(さかり)駅(大船渡市)から釜石駅まで全長36.6kmで、全部で10の駅がありますが、できるだけ多くの駅で乗下車しようと思い、計画をたてました。ローカル線は列車の本数が少ないので、順番に一駅ごとに乗り降りしていると効率が悪いのです。そこで、下の図のように行ったり来たりを繰り返すと、より多くの駅を体験することができます。



 この南リアス線では、A:盛駅、B:陸前赤崎駅、C:綾里駅、D:恋し浜駅、E:甫嶺駅となります。具体的に鉄道ダイヤに当てはめるとわかりやすいかも知れません。実際に三陸鉄道南リアス線の時刻表をダイヤ形式にしたものが下の図(手作り)です。



 このようにすると、A→B→C→D→EよりもA→C→B→E→Dの方が効率のよいのがわかると思います。



 今回の使用きっぷは、7月と同じく三連休乗車券です。これはJR東日本管内のJRだけでなく、三陸鉄道にも乗り放題なのです。今回は行きませんが、他にも、JR北海道の中小国〜函館、青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、北越急行、富士急行、伊豆急行にも乗り放題です。今回の大船渡線BRT(Bus Rapid Transit)にもこのきっぷで乗ることができます。
南三陸紀行2 出発

 さて出発の日は11月22日(土)。語呂合わせで“いい夫婦の日”と呼ばれるようになって26年になります。さて、午前中はいつもの土曜日と同じように仕事です。そして自宅へ帰り昼食を食べてから、バックパックを背負って伊勢原駅へ向かいます。

伊勢原1325ー1427新宿 小田急線 急行

 新宿行き急行の最後尾の車両へ座ります。堂場瞬一の文庫本を読んでいるとあっという間に新宿です。みずほ銀行新宿南口支店のATMで現金引き下ろしと通帳記入をしてから、新宿駅南口からJR中央線の快速で東京駅へ向かいます。都心の銀行支店のATMは平日はきっと大混雑なのでしょうが、土曜日はがら空きでした。

新宿1446ー1500東京 中央線 快速  三連休乗車券

 東京駅八重洲口の改札を出たところの本屋で立ち読みしながら時間をつぶします。通常の新宿〜一ノ関までの乗車券ですと、都区内は途中下車できませんので、これも三連休乗車券のいいところです。

 

 東北新幹線の待合室やホームは三連休の初日なので混雑しています。三連休の混雑は予想していたので、行きと帰りの新幹線は指定席を購入していました。

 

 窓側の指定された席に座り窓の外を眺めます。やがて日が沈み暗くなってきました。約2時間半で一ノ関に到着しました。いつも思うのですが、新幹線は早くて便利です。便利すぎます。

東京1536ー1810一ノ関 東北新幹線 やまびこ57
南三陸紀行3 割烹松竹

 一ノ関駅前のいわぶち屋旅館・食堂には「準備中」の札がかかり閉まっています。ここのソース鶏カツ丼を一度食べてみたいのですが、いったいいつになったら食べられるのでしょうか?


“幻の”ソース鶏カツ丼@いわぶち屋食堂

 こんなこともあるかと思い、調べておいたすぐ近くの松竹食堂へ。



 入口脇の幟に「元祖ソーツカツ丼」と書いてあります。店内に入ると、ホール係の女性の元気で活気のある声が響いています。テーブル席へ案内されメニューをみます。



 注文はもちろん「ソースカツ丼」です。メニューには「お急ぎのお客様は、ソースカツ丼をお勧めします」という主旨のコメントが書かれています。駅前食堂らしい心配りです。



 店内には食事をする人、お酒とつまみで気持ちよくなっている人などでにぎわっています。その中をホール係の女性がまさに飛び回っています。夕食時なのでちょうど忙しい時間帯なのでしょう。やっと私の注文したソースカツ丼が出てきました。

 

 
ソースカツ丼 870円

 ごはんの上にキャベツの千切りがほどよくのり、その上にカラッと揚げられたカツが3枚あります。肉自体の旨味もあるし、厚さもちょうどよいし、ソースの味も私の好みです。キャベツもよいアクセントとなっています。
南三陸紀行4 ジャズ喫茶ベイシー

 

 ホテルへチェックインしてからジャズ喫茶 ベイシーへ向かいます。ホテルから徒歩10分ほどでした。

 

 ジャズは全くの素人ですが、フジテレビの日曜夜のヨルタモリという番組でタモリが扮している「岩手のジャズ喫茶のマスター」のモデルであり、一部のジャズファンからは「伝説のジャズ喫茶」と呼ばれているということで興味を持ったのです。

 

 さっそく店内に入ると、大きなスピーカーからはヘビーなサウンドが流れています。身体を包み込まれるようなサウンドです。魂をふるわせるかのような音が流れ続けています。お店の素敵な女性といろいろと話しをし、明日は釜石に泊まるというと釜石のお勧めのジャズ喫茶を紹介され、マスターの“こんの”さんによろしくお伝えくださいと付け加えられました。きれいな女性に勧められて、伝言まで頼まれたら行かなきゃなぁ(笑)。

 ホテルに帰る途中にあったコンビニでアルコールとつまみを購入。ホテルの大浴場とサウナをゆっくりと楽しみ、そして部屋でアルコールを飲みながら明日の予定の確認をしてベッドに入りました。
南三陸紀行5 一ノ関駅



 目覚めて部屋から外を見ると天気は雨。テレビの天気予報では、朝方は雨だがこれから徐々によくなり青空が見えてくるらしいというので一安心です。昨夜の長野北部での地震のことが話題になっていました。午後10時頃に震度6弱の地震があったようです。岩手県では全く揺れを感じませんでした。



 一ノ関駅まで傘をさして約5分ほどの歩きます。いわぶち旅館・食堂は朝から営業しているというのですが、未だに「準備中」です。



 一ノ関駅前には大槻三賢人像がありました。医学や哲学、言語学に貢献があったようです。

 一ノ関駅にコンビニがあり、どうしようか迷いましたが、焼そばパンを買って、待合室で朝食を食べました。結果的にはこれが大正解だったのです。昼食にありつけなかったのですから(笑)。

 



 発車時刻が近づいてきましたので、改札を入ります。3番ホームに気仙沼行きの大船渡線の列車が発車を待っています。大船渡線は一ノ関から気仙沼を経て大船渡市の盛まで結んでいるのですが、気仙沼〜盛の海沿いの線路は東日本大震災で被災し、現在ではBRT(Bus Rapid Transit)という名前のバス輸送になっています。ちなみに前谷地〜気仙沼を結ぶ気仙沼線も、柳津〜気仙沼間はBRTです。



 大船渡線はドラゴンレールとも呼ばれます。線路がなべツルの形になっているのです。当初は一ノ関〜千厩〜気仙沼とほぼ直線の予定でしたが、摺沢(すりさわ)出身の立憲政友会の代議士の影響で計画が変更され、その後、千厩(せんまや)出身の憲政党の代議士の影響で現状のような路線になりました。
南三陸紀行6 大船渡線ホーム

 

 右側が一ノ関駅の3番ホームです。



 左側の2番ホームには盛岡行きの列車が停まっています。車体には世界遺産平泉がプリントされています。「世界遺産」になって集客効果が抜群なのでしょうが、どこでも世界遺産、世界遺産となるとちょっと食傷気味です。

 

 こちらが大船渡線の列車です。2両でワンマンです。

 

 車体にはドラゴンレール大船渡線のロゴがあり、車内はこんな感じのセミロングシートで、トイレ付きです。
南三陸紀行7 一ノ関〜陸中松川


大船渡線(一ノ関〜柴宿)



 大船渡線の列車は定刻に一ノ関を出発しました。



 列車最後部からの写真です。左側には東北本線が分かれていきます。

 

 青い跨線橋と東北新幹線をアンダークロスします。


一ノ関駅出発



 真滝、陸中門崎、岩ノ下と停車しながら、陸中松川が近づいてきました。車窓には砕石場と思われる山肌が見えました。帰宅後に調べると、石灰岩の砕石が行われていたようです。



 陸中松川に到着しました。ここで対向列車行き違いのため3分停車します。
南三陸紀行8 陸中松川〜千厩(せんまや)


大船渡線(陸中門崎〜小梨)



 対向列車を待ってから再度出発します。


陸中松川駅出発



 観光地である猊鼻渓(げいびけい)の最寄り駅に到着しましたが、駅舎のない棒線駅の小さな駅でした。バスか自家用車を利用して、列車ではこないのでしょうね。

 

 摺沢(すりさわ)駅はわりと大きな駅舎でした。



 摺沢から千厩(せんまや)の途中では少し紅葉が楽しめました。


摺沢〜千厩

 

 千厩駅に到着しました。
南三陸紀行9 千厩(せんまや)〜気仙沼


大船渡線(摺沢〜新月)

 

 千厩駅を出発しました。


千厩駅出発



 小梨、矢越と停車して、折壁に到着しました。

 

 新月を出ると、線路は大川沿いに下り坂となり軽やかに進みます。



 気仙沼駅構内に入ってきました。左に見える道路は、気仙沼線BRT(気仙沼〜柳津)の路線で、専用のバスが走る部分です。以前は線路が敷かれていましたが、現在はバス専用道路になっています。なんだかむなしいものです。

一ノ関0718ー0841気仙沼 大船渡線
南三陸紀行10 気仙沼駅



 気仙沼駅に到着しました。ここは大船渡線と気仙沼線の接続駅で、三方向へ列車が走っていたのですが、現在では今乗って来た一ノ関方面だけが列車で、柳津方面と大船渡・盛方面へはバス路線となっています。

 

 柳津へ向かう気仙沼線のBRTはこちらの1番線ホームから発着していますが、これから乗る大船渡線(気仙沼〜盛)のBRTは駅前の観光案内所の前のバス停から発着しています。

 



 バス乗り場を遠目に見るとすでに行列ができています。空いていればバスの一番前に乗ろうと思っていましたが、これはあきらめましょう。駅周囲をブラブラしてみましょう。
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