かめかめ・かめラ
時刻表見聞録1964年10月
【1 総論】

(記 2021/12/27)

01トップページ


 手元に1964年(昭和39年)10月の大時刻表があります。1964年10月と言えば東海道新幹線が開通し、10月10日に東京オリンピックが開会した年です。
 しかし2020年に予定されていた二回目の東京オリンピックはコロナ禍で2021年へ延期となり、緊急事態宣言も発令され2020年のGolden WeekはGaman(がまん) Weekになり、外出自粛もあって時間ができたので過去の時刻表を手にしているわけです。
 まずは表紙。「大時刻表」とあります。弘済出版社の発行です。観光ガイド付きで、東海道新幹線開通を機に国鉄はダイヤ大改正しました。値段は180円。手元にある2020年3月号の時刻表が1205円ですから6分の1以下です。

 ゆっくりゆっくりとページをめくりながら楽しんでいこうと思います。めくるだけでなく、約600ページをスキャンいたしました。かなり時間がかかりました(笑)
02スピードくらべ


鉄道スピードくらべ

 外国の高速列車と日本の高速列車のスピードの比較です。東海道新幹線は群を抜いて第1位になっています。当時はひかり号を新幹線「超特急」と呼び、こだま号を新幹線「特急」と呼んでいたようですね。新幹線「特急」と在来線「特急」との区別が難しそうです。


交通所要時間の変遷

 東京〜京都間の所要時間の変遷がでています。東京〜大阪間でないのが面白いですね。それにしても江戸時代の早飛脚の96時間(4日間)というのには笑っちゃいます。新幹線で大幅に短縮されました。


東海道新旧幹線比較表

 こちらは東京〜新大阪の比較です。線路延長は37.2km短くなっています。駅数が約10分の1となり、踏切0というのが目に留まります。
03お知らせ


東海道新幹線営業開始

 開始時には各列車にビュフェがついていました。またひかり号を超特急、こだま号を特急と明確にわけています。


全国的にダイヤ改正

 大幅にダイヤが改正されました。


「大時刻表」発刊

 この「大時刻表」はこの号から発刊されたようです。現在のJR時刻表の前身のようです。それまでの交通公社の時刻表よりもサイズが一回り大きいので「大」時刻表となったのでしょう。
04記号の説明


時刻表の中に使った記号(1)

 記号の説明です。2020年3月の時刻表にないものは、準急列車、汽車、気動車、電車、パーラーカー(展望車)などです。ベッドのマークは寝台車です。「A個室」は1等寝台個室、「A,B,C」は1等寝台の種別ということです。「2」が2等寝台なので最近のB寝台に相当するのでしょう。食堂車もこの当時はたくさんあったようです。


時刻表の中に使った記号(2)

 名所旧蹟や神社や仏閣の記号もあったのですね。そして湖、城、温泉、山、駅弁取り扱い駅の表示もあります。電報取扱駅の記号があるとは時代を感じさせます。
05駅の案内


岐阜羽島駅

 駅の案内は東京駅と新大阪駅と岐阜羽島駅の三つが載っていました。東京と新大阪はわかりますが、どうして岐阜羽島なのでしょうか。

 これが岐阜羽島駅の案内図です。駅がどれくらい離れているか距離がでています。当初は不便な場所だったのですね。この地図を見る限り、大垣駅の南の方に作ればよかったのにと思ってしまいます。


新大阪駅

 新大阪駅のすぐ北側には京阪神急行(現在の阪急電鉄)新線と書かれています。この頃から計画にあったのですね。今でもこの細長い土地は駐車場などとして残っていると思います。

 また東側に貨物線至放出(はなてん)とありますが、この線路を利用しておおさか東線(東大阪〜久宝寺)が建設されました。
06a東海道新幹線1


東海道新幹線

 東海道新幹線と連絡列車の時刻表です。新幹線の駅数は、東京、新横浜、小田原、熱海、静岡、浜松、豊橋、名古屋、岐阜羽島、米原、京都、新大阪の12駅です。「超特急」ひかり号は14本、「特急」こだま号は12本(他に区間運転4本)のみです。東京−新大阪間はひかり4時間、こだま5時間かかっています。

 東京を6時に出発するひかり1号に乗ると新大阪着が10時ちょうど。特急みどりに乗り換えて博多着19時42分。所要時間は13時間42分です。

【超特01】ひかり1号:東京0600−1000新大阪
【特01】みどり:新大阪1030−1845☆小倉1847−1942博多1944−2135熊本
(−−−☆小倉1851−2110大分)
[☆分離・分割]

 (1964年9月号では、東京を7時に出発する特急こだま1号に乗ると大阪着が13時30分。特急みどりに乗り換えて博多着22時35分。所要時間は15時間35分。東海道新幹線の開通で1時間51分の短縮になっています。)


東海道・山陽新幹線(2020年3月号)

 2020年3月号を見ると、東海道新幹線の駅数は、品川、三島、新富士、掛川、三河安城と5駅増えて、17駅となっています。本数は多すぎて数える気がしません。東京−新大阪はのぞみで2時間22分程度となっています。

 また、東京を6時に出発するのぞみ1号に乗ると乗り換えなしで博多へ10時52分に到着します。所要時間はわずか4時間52分です。

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東京−博多間の所要時間の変遷
[1]1964年09月:15時間35分
[2]1964年10月:13時間42分([1]に比し1時間53分短縮)
[3]2020年03月:04時間52分([2]に比し8時間50分短縮、[1]に比し10時間43分短縮)
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1964年10月と比べて8時間50分、1964年9月と比べて10時間43分の大幅な短縮となっています。新幹線とその延伸により、時代は大きく変わりました。
06b東海道新幹線2


 時刻表の464、465ページに東海道新幹線の特集がありました。


 まず「新幹線に夜行はない」と書いてあります。夜行列車が数多く走っていた頃なので、このような表現になったものと思われます。次に「2等の海側は3人掛け」と書いてあります。1等がグリーン車で、2等は普通車です。海側は3人掛けは今となっては当たり前のように感じますが、この頃は3人掛けは珍しかったのでしょう。


 新幹線の列車編成です。今では16両ですが、当初は12両でした。1等車(グリーン車)は2両あり、ビュフェも2カ所ありました。


 ひかりの1等車内の写真です。1等車は左右に2人掛けが並んでいます。
07寝台急行さつま・寝台急行霧島


東京−大阪−九州連絡

 寝台列車は夕方〜夜間の出発が多いと思いますが、寝台急行さつまは名古屋8時5分発です。こまめに主要駅に停車(起終点含めて49駅)して終点の鹿児島には翌日の午前5時55分に到着します。所要時間は21時間50分です。


列車編成

 12両編成なのかな?


列車編成の見方

【寝急01】さつま:名古屋0805−2250博多2301−0555鹿児島

 寝台急行霧島は、東京を11時ちょうどの出発で、終点の鹿児島には翌日の13時35分に到着します。所要時間は26時間35分です。11時から13時35分までは、当日の霧島は東京〜神奈川あたりを走っていますが、前日の霧島も鹿児島県内を走っています。どのように識別していたのでしょうか?  停車駅は計44駅で、上記の寝台急行さつまに比べ5駅少なくなっています。


列車編成

 最長14両の長い編成です。

【寝急02】霧島:東京1100−0647博多0657−1335鹿児島
08寝台急行高千穂


東京−大阪−九州連絡

 寝台急行高千穂は、東京を14時35分に出発します。小倉からは日豊本線を通って終点の西鹿児島は19時53分到着です。所要時間はなんと29時間18分で停車駅は計55駅です。5時間18分間も二編成が走っていることになるわけです。それにしても29時間ってすごい!  そして東京駅には出発の27分も前に入線しているのですね。わくわくしながら待つ27分間なんでしょうね。


列車編成

 長大な編成になっています。

【寝急03】高千穂:東京1435−0945小倉0950−(日豊本線)−1953西鹿児島(現:鹿児島中央)
09寝台特急ラッシュ


東京−大阪−九州連絡

 東京発九州行きの寝台特急は5種類あります。さくらが16時35分に出発しますが、その後はみずほ18時20分、あさかぜ18時30分、はやぶさ19時00分、富士19時05分と、45分間に4本の寝台特急が次々と出発する姿を想像するだけでワクワクしてしまいます。

【寝特01】さくら:東京1635−1228長崎
【寝特02】みずほ:東京1820−1323熊本
【寝特03】あさかぜ:東京1830−1130博多
【寝特04】はやぶさ:東京1900−1730西鹿児島(現:鹿児島中央)
【寝特05】富士:東京1905−1335大分


東京−大阪−九州連絡

 一部を拡大すると、ちょっとおかしなことを発見しました。寝台特急はやぶさと富士が同じ15番ホームから発車することになっています。はやぶさの出発時刻は19時ちょうどで、19時05分発の富士の入線時刻が18時47分ですから、同じホームはありえないことになります。その前のあさかぜが18時30分出発ですから、18時34分入線のはやぶさが14番ホームなのだと思われます。


東京−大阪−九州連絡

 寝台特急5種類が出発する前にも、東京発の寝台急行は霧島、雲仙・西海、高千穂とありますが、寝台特急出発後も、寝台急行出雲、能登、安芸、銀河、明星、金星、月光などが続々と出発していきます。寝台急行能登はこの頃は米原経由だったのですね。

 安芸、銀河、明星、金星、月光に「寝台専用列車」と書いてあるのは座席車がなかったのでしょう。裏を返せば、それ以外の寝台列車には座席車があったと言えます。

 また、明星と金星の発車番線が15番線になっていますが、どちらかが14番線だと思われます。
10特急白鳥


大阪−金沢−新津−秋田−青森連絡

 特急白鳥は8時15分に大阪を出て日本海に沿って北上します。そして直江津で青森行きと上野行きに分割されます。青森到着は日付が変わりそうな23時47分です。所要時間は15時間32分。本でも読むか景色を見てるか、それともボッーとしてるか、どうなんでしょうね。

 23分の待ち時間で青函連絡船に連絡しており、早朝4時35分に函館に到着します。


新潟−長野−高崎−上野連絡

 直江津で分割された上野行きは信越本線で高崎へ、そして高崎線・東北本線で20時20分に上野へ到着します。大阪から上野まで乗り通す乗客はおそらくいなかったことでしょう。

【特02】白鳥:大阪0815−1506☆直江津1509−2347青森
(−−−☆直江津1510−2020上野)
[☆分離・分割]
11a遠い北海道


東京−北海道連絡

 上野を13時30分発の特急はつかりで北上してみます。常磐線経由で青森着が23時55分と真夜中です。青函連絡船を経て函館発4時55分の特急おおぞらに接続しています。釧路到着は翌日の15時25分ですので、所要時間は25時間55分です。北海道内だけの移動で10時間30分必要です。「でっかいどう、北海道」ですが、遠い北海道です。

【特03】はつかり:上野1330−1813仙台1818−2355青森
【特04】おおぞら:函館0455−0925札幌0929−1033☆滝川1037−1525釧路
(−−−☆滝川1040−1128旭川)
[☆分離・分割]

 また上野を18時30分発の東北本線経由の寝台特急はくつるに乗ると、青森着が翌日の6時10分です。青函連絡船を経て、函館を10時40分発の特急おおとりに乗れば、札幌着は9時25分、釧路着は21時30分、網走着は21時15分となります。札幌までは19時間55分、釧路までは27時間ちょうど、網走までは26時間45分の所要時間となります。

【寝特06】はくつる:上野1830−2347仙台2352−0610青森
【特05】おおとり:函館1040−1625☆滝川1629−2130釧路
(−−−☆滝川1632−2115網走)
[☆分離・分割]

 函館から10時57分発の急行宗谷(函館本線山線経由)に乗り込むと、稚内には22時43分に到着します。上野から稚内までは28時間13分の所要時間です。

【急01】宗谷:函館1057−1820旭川1825−2243稚内

 さらに上野を19時50分発の寝台急行北斗(常磐線経由)に乗ると、青森に翌日の9時10分に到着。青函連絡船を経て、函館からは14時25分発の寝台急行まりも(函館本線山線経由)に乗ると、釧路には翌々日の6時05分に到着します。寝台急行を2日連続で利用することになり、所要時間は30時間15分となります。まさに遠い北海道ですね。

【寝急04】北斗:上野1950−0132仙台0140−0910青森
【寝急05】まりも:函館1425−滝川2236−0605釧路

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上野−札幌・網走・釧路・稚内までの所要時間
[札幌]19時間55分
[網走]26時間45分
[釧路]27時間00分
[稚内]28時間13分
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11bまだ遠くて広い北海道(2020年3月)


特急北斗11号

 2020年3月の時刻表で比較してみます。はやぶさ7号で東京を8時20分に出発すると、新函館北斗で16分の待ち時間で特急北斗11号に乗り継ぐことができ、札幌へは16時04分に到着します。東京−札幌間の所要時間は7時間44分です。なんと12時間11分も短縮できました。

はやぶさ7号:東京0820−1218新函館北斗
北斗11号:新函館北斗1234−1604札幌

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東京−札幌間の所要時間
1964年10月:19時間55分
2020年03月:07時間44分(12時間11分短縮)
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特急おおぞら11号

 はやぶさ23号で東京を12時20分に出発すると、新函館北斗で25分の待ち時間で特急北斗17号へ、また南千歳で9分の待ち時間で特急おおぞら11号に乗り継ぐことができ、釧路へはもうすぐ日付が変わりそうな23時55分に到着します。東京−釧路の所要時間は11時間35分です。14時間20分も短縮され、その日のうちに到着することができます。

はやぶさ23号:東京1220−1630新函館北斗
北斗17号:新函館北斗1655−2003南千歳
おおぞら11号:南千歳2012−2355釧路

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東京−釧路間の所要時間
1964年10月:25時間55分
2020年03月:11時間35分(14時間20分短縮)
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特急ライラック・大雪

 はやぶさ1号で東京を6時32分に出発すると、新函館北斗で15分の待ち時間で北斗9号に乗り継ぐことができます。札幌で22分あるいは52分の待ち時間でライラック23号あるいは25号に乗りついで旭川へ。そこで大雪3号に乗り換えて網走には20時49分に到着します。東京−網走の所要時間は14時間17分となり、12時間28分短縮しました。

はやぶさ1号:東京0632−1053新函館北斗
北斗9号:新函館北斗1108−1438札幌
(ライラック23号:札幌1500-1625旭川)
ライラック25号:札幌1530−1655旭川
大雪3号:旭川1705−2049網走

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東京−網走間の所要時間
1964年10月:26時間45分
2020年03月:14時間17分(12時間28分短縮)
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特急ライラック・サロベツ

 はやぶさ13号で東京を9時36分に出発すると、新函館北斗で28分の待ち時間で北斗13号に乗り継ぐことができます。札幌ではカムイ33号かライラック35号で旭川へ。そしてサロベツ3号に乗り換えて稚内にはもうすぐ日付が変わる23時47分に到着します。東京−稚内の所要時間は14時間11分です。網走へ行くより6分早くなりました。1964年10月では28時間13分かかっていたのですから、約半分になったことになります。

はやぶさ13号:東京0936−1334新函館北斗
北斗13号:新函館北斗1402−1747札幌
(カムイ33号:札幌1800-1925旭川)
ライラック35号:札幌1830−1955旭川
サロベツ3号:旭川2006−2347稚内

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東京−稚内間の所要時間
1964年10月:28時間13分
2020年03月:14時間11分(14時間02分短縮)
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 北海道内の移動に時間がかかります。北海道はやっぱり広いのです。
12準急たざわ・もがみ・あさひ(多層建て列車)


上野−郡山−会津若松・秋田−青森連絡

 準急もがみ・たざわ1号は新庄で分割併合するようです。

【準01】たざわ1号:仙台0726−小牛田−0959★☆新庄1006−(奥羽本線)−1239秋田
【準02】もがみ:米沢0752−0844山形0850−0958★☆新庄1009−1106酒田
[★併結・併合、☆分離・分割]


上野−郡山−会津若松・秋田−青森連絡

 こちらは準急たざわ(「ただわ」は誤植)2号・もがみが新庄で、そしてもがみ・あさひ2号が山形で分割併合するようです。かなり複雑な運行体系になりますね。
【準03】たざわ2号:秋田1410−1649★☆新庄1655−1842小牛田1844−1925仙台
(−−−★☆新庄−1805★山形1810−☆米沢1906)
【準04】もがみ:酒田1540−1644★☆新庄1656−1805★山形1810−☆米沢1906
(−−−★☆新庄1655−1842小牛田1844−1925仙台)
【準05】あさひ2号:仙台1627−1748★山形1810−1906☆米沢1910−2100坂町2101−2149新潟


運転略図

 わかりにくいなぁ、と思い時刻表をひっくり返していたら311ページに「準急 あさひ号・月山号・もがみ号・たざわ号 運転略図」という図がありました。これを見ればわかるかなぁ、、、、、、なんだか複雑でわかりにくいですね。この時代の人はこれでわかっていたのでしょうか?  不思議です。

※分割併合については、多層建て列車を参考にしてください。


運転略図

 やっぱりわかりにくいのでパワーポイントで運転略図をつくってみました。これで少しはわかりやすくなってきたと思います。
303国鉄営業案内:お食事案内


 列車内でのお食事案内のコーナーがありました。「特急の昼・夕食は通常お席へ予約を伺いに参ります」とあります。当時の特急列車は特別なものだったのですね。

 定食では、特別ビーフステーキ定食が750円です。この時刻表の値段が180円で、最近は税込1205円ですから、物価が約7倍になっているようです。そうすると5000円を超えることになります。美味しかったことでしょうね。

 プルニエ定食ってなんだろうと思い調べると、当時は魚介類のフライのことをプルニエと呼んでいたようです。またコールミートとは、コールドミートのことで、ローストした牛・豚・鶏の肉を冷やしたものだそうです。おしゃれな呼び方ですね。

 お好み料理では、カレーライスが100円、うな重が200円です。うな重って安すぎませんか? 7倍しても700円です。昔はそれほどうなぎが高くなかったのかもしれません。


 めん類もありますが、すし類もあったのですね。それも単品で注文できたようです。くだものは時価ってなんだか高そうです。
304国鉄営業案内:旅客運賃表


 鉄道対キロ普通旅客運賃表があります。

 「この表の使い方ー時間表(注:時刻表のことでしょう)で計算したキロ程で、1キロメートル未満の端数は、1キロメートルに切り上げます。そして、本文中にないキロ程間のキロメートルとなった時は、多い方のキロ程で計算します。例えば、東京ー大阪間が、556.4キロメートルの場合、557キロメートルに切り上げて本表の562キロメートルのキロ程によることになります。したがって、2等運賃1180円、1等運賃は2170円となります。2534キロメートルをこえる2等運賃は、3850円に、1キロメートルを増すごとに1円35銭を加えた額です。ただし、10円未満の端数は10円ごとの単位に切り上げます。1等運賃は2等運賃を1.666倍し通行税1割を加え10円未満の端数は10円ごとの単位に切り上げます。」と記載してあります。


 運賃はこのようになっています。2021年7月号の時刻表の運賃表と2等運賃を比べてみましょう。

キロ数:1964年10月/2021年7月

50キロ:140円/860円・・・6.1倍
100キロ:280円/1690円・・・6.0
150キロ:420円/2640円・・・6.3
200キロ:550円/3410円・・・6.2
250キロ:690円/4510円・・・6.5
300キロ:830円/5170円・・・6.2
400キロ:960円/6600円・・・6.9
500キロ:1100円/8030円・・・7.3
600キロ:1230円/9460円・・・7.7
700キロ:1370円/10340円・・・7.5
800キロ:1500円/11000円・・・7.3
900キロ:1640円/11880円・・・7.2
1000キロ:1710円/12540円・・・7.3
1500キロ:2450円/16610円・・・6.8
2000キロ:3120円/20240円・・・6.5
2500キロ:3800円/24310円・・・6.4

 50〜300キロまでは6倍前後でしたが、500〜1000キロでは7倍超となり、2000〜2500キロでは6.5倍前後となっています。
305国鉄営業案内:国鉄寝台車案内


 国鉄寝台車案内がありました。


 「◆ベッドを使用できる時間は、21時から翌朝7時までとなっております。 ◆1等寝台には、ゆかた・ハンガー・スリッパの用意がしてあります。 お願い  寝台使用中は禁煙となっております。ゆかたのまま寝台車のそとへおいでになることはご遠慮願います。」


 「寝台車は昼間は座席になります。」(・・・なりま「り」・・・誤植です)


 A寝台でも個室とそうでないものがあったようです。定員は18〜22名です。


 寝台車の見取り図がありました。


 A寝台の個室では線路と平行にベッドが設置されますが、個室でないA寝台は線路と垂直にベッドが設置されます。


 B寝台の定員は54〜60名です。


 B1等寝台ではベッドは線路と平行ですが、2等では線路と垂直になります。
306国鉄営業案内:青函連絡船寝台案内図


 青函連絡船寝台案内図です。


 雑魚寝できるスペースもあると思いましたが、寝台設備のある部屋もあったようです。

「ベッドを使用できる時間は、21時から翌朝7時までとなっております。(寝台は昼間は座席になります。) 1等寝台には、ゆかた・ハンガー・スリッパの用意がしてあります。」
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 これで1964年10月号の時刻表見聞録は終了します。会社線が残っていますが、気が向いたらまとめるかも知れません(笑)。お読みいただきありがとうございました。
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