かめかめ・かめラ
時刻表見聞録1964年10月
【4 四国】

(記 2021/12/27)

99予讃本線・土讃本線普通列車

 ここからは四国に入ります。


予讃本線

 四国は狭いのでそれほど長距離の普通列車はありません。その中で高松0時03分発の松山行きがありました。快速列車のように駅をとばしますが松山着は5時32分です。宇高連絡船からの接続とはいえ、とんでもない時間帯の列車です。寝ぼけ眼で松山に着きますが、まだ寝ぼけていそうな時間帯です。松山で5時48分の普通列車に乗り換えれば、終点の宇和島に9時05分に着きます。


土讃本線

 ほぼ同時の0時10分に高松を出発する列車は多度津から土讃本線に入ります。こちらも快速列車のように止まらない駅も数多くあります。終点の須崎には6時18分の到着です。須崎で6時52分の普通列車に乗り換えれば窪川には7時57分に到着します。

【普46】21:高松0003−0532松山(5時間29分)
【普47】121:高松0010−0618須崎(6時間08分)  
100準急うわじま1号・足摺1号


予讃本線

 予讃本線を高松から宇和島まで行く準急うわじま1号です。高松発5時07分と朝早い出発です。準急ですからこまめに停車していきます。松山には8時29分、終点の宇和島には10時54分に到着します。現在では松山で優等列車が分断されていますが、この頃は宇和島まで直通していました。のんびりとした6時間足らずの時間がすごせました。


土讃本線

 ほぼ同時の5時17分に高松を出発する準急足摺1号は多度津から土讃本線に入ります。阿波池田、高知を経て窪川には10時13分に到着します。途中、阿波池田から大杉までは51分間も停車しません。窪川からは普通列車となり土佐佐賀には10時38分に到着します。足摺岬から名付けられたのでしょう。

【準38】うわじま1号:高松0507−0829松山0838−1054宇和島
【準39】足摺1号:高松0517−0846高知0848−1013窪川
101予讃本線普通列車


予讃本線

 高松から宇和島までの普通列車がありました。これが四国最長の普通列車だと思います。高松を10時45分と余裕の出発で松山には15時58分に到着し、終点の宇和島には19時18分の到着です。

 夕陽が美しいことで有名な下灘駅には16時41分と、日の短い冬だったらちょうど夕陽を眺められるかもしれません。途中下車しても17時26分と18時26分に普通列車が停まりますから心配ありません。

【普48】53D:高松1045−1918宇和島(8時間33分)
102急行道後・浦戸


予讃本線

 急行道後です。高松11時24分発の松山行きです。終点松山には14時20分に到着します。急行だけに停車駅も少なく、多度津・観音寺・新居浜・伊予西条・今治のみです。わずか3時間の列車旅です。


列車編成

急行道後は下り6両、上り5両の編成です。松山にある道後温泉から名付けられたのでしょう。


土讃本線

急行浦戸です。高松を11時27分に出発します。多度津からは土讃本線に入り、琴平・阿波池田・土佐山田のみの停車です。阿波池田から土佐山田までは1時間15分も停車しません。終点の高知には14時09分の到着です。


列車編成

 こちらは上り・下りともに5両編成です。浦戸とは高知市の土佐湾に面する浦戸湾から名付けられたのでしょう。桂浜がある場所です。

【急13】道後:高松1124−1420松山
【急14】浦戸:高松1127−1409高知
103準急せと


予讃本線

準急せとです。高松13時03分発、宇和島18時43分着です。準急なのでこまめに停車していきます。下灘駅を17時前後に通過します。瀬戸内海には夕陽が広がっているかもしれませんね。

 寝台急行「瀬戸」(東京−宇野)があり、こちらは準急「せと」です。漢字とひらがなの違いはありますが、音は同じですので間違えないのでしょうか? 本州と四国だからかまわないのかなぁ?

 ちなみに東京から寝台急行「瀬戸」に乗ると、宇野には11時14分に到着します。接続する宇高連絡船(宇野11時35分発)で高松には12時45分に着きますので、「瀬戸」から準急「せと」に乗り継ぐことができます。

【準40】せと:高松1303−1623松山1626−1843宇和島
104急行四国


予讃本線

急行四国。なんだか四国を代表する急行列車みたいな名前です。四国を一周するのかと思いきや、高松(18時50分発)から宇和島(23時46分着)までの急行です。高松から松山までの急行が「道後」で、宇和島までの急行が「四国」なのでしょうか。


列車編成

 編成をみると、高松から松山までは5両で、松山から宇和島までは4両になるようです。上りは松山から高松までは6両ですね。

【急15】四国:高松1850−2145松山2148−2346宇和島
105準急うわじま1号・いしづち・阿佐2号・南風(多層建て列車)


予讃本線

四国にも多層建て列車がありました。準急うわじま1号は7時40分に宇和島を出発します。松山からは準急いしづちを併結します。そして多度津でいしづちを切り離します。


土讃本線

 いしづちは多度津から土讃本線に入ります。善通寺・琴平に停車し阿波池田に到着します。


土讃本線

一方、窪川を9時50分発の準急南風は、高知から阿佐2号を併結します。そして阿波池田で阿佐2号を切り離します。


徳島本線

阿佐2号は阿波池田で南風から切り離され、今度はいしづちと併結します。そのため阿佐2号は阿波池田で18分間停車します。


牟岐線・小松島港線

 阿波池田へ併結された阿佐2号といしづちはそのまま徳島を経由して終点の小松島港へ向かいます。


運転略図

 図で示してみました。なかなかややこしいですよね。なお多度津から高松へのうわじま1号と南風は併結していません。約1時間半ほどのづれがあります。

 ところでいしづちは四国最高峰の石鎚山から、阿佐は、阿波と土佐から名付けられたのでしょうね。

【準41】うわじま1号:宇和島0740−0943★松山0948−1226☆多度津1229−1301高松
【準42】いしづち:松山0948−1226☆多度津1231−1318★阿波池田1321−1437徳島1438−1425小松島港
【準43】阿佐2号:高知1122−1303☆★阿波池田1321−1437徳島1438−1452小松島港
【準44】南風:窪川0950−1115★高知1122−1303☆阿波池田1306−1409多度津1410−1442高松
★併結、☆分離
106準急足摺2号・よしの川


土讃本線

 高松8時20分発の高知方面への準急足摺2号。土讃本線終点の土佐佐賀(13時04分着)まで行きます。途中から準急よしの川と併結している。


徳島本線

準急よしの川は徳島8時10分発。足摺2号の高松発とほぼ同時刻。阿波池田で足摺2号併結し高知で分離される。しいて名付けるなら結婚・離婚列車かな(笑)。

【準45】足摺2号:高松0820−0940★阿波池田0945−1117☆高知1119−1304土佐佐賀
【準46】よしの川:徳島0810−0932★阿波池田0945−1117☆高知
★併結、☆分離
107坪尻駅・新改駅


土讃本線

 スイッチバックの秘境駅である坪尻駅と新改駅に停車する列車はどれくらいあるのだろうか。

 まずは坪尻駅。多度津方面は午前2時53分発の普通列車も入れて12本!もあります。高知方面も10本もあるのです。

 次いで新改駅。多度津方面は午前0時12分発の普通列車(これが坪尻駅2時53分発になります)も入れて9本!もあります。高知方面も9本もあるのです。すごいことなんです。

 なぜかというと、2020年3月の時刻表では、坪尻駅・新改駅ともに多度津方面3本、高知方面4本とぐっと減ってしまっているんです。
108中村線


中村線

 窪川から土佐佐賀までは中村線です。前の年[1963年(昭和38年)]に土讃本線の延長として窪川から土佐佐賀までが開業しました。準急も1日1本ですが、土佐佐賀まで乗り入れています。


路線図

 1970年(昭和45年)には中村まで全通しています。1988年(昭和63年)4月から中村線は土佐くろしお鉄道中村線に移管されました。

 中村から宿毛までは1997年(平成9年)に全通して、土佐くろしお鉄道宿毛線となっています。宿毛からは海沿いを通って宇和島まで行く路線も計画されていましたが着工されませんでした。
109内子線


内子線

内子線の歴史にはいろいろな経緯がありました。


路線図

1918年(大正7年)に愛媛鉄道が、長浜(現:伊予長浜)から大洲(現:伊予大洲)間を開通させ、その2年後の1920年(大正9年)にさらに大洲から内子までを開通させました。まだ松山とはつながっていません。そして1933年(昭和8年)に愛媛鉄道が国鉄に買収され愛媛線となりました。1935年(昭和10年)に松山から海沿いに伊予長浜まで線路がつながり、この時に五郎から内子までが内子線となりました。


地図(予讃本線短絡ルート)

 1986年(昭和61年)に予讃本線の短絡ルート(向井原−内子−伊予大洲)が完成しましたが、この短絡ルートの内、新谷(正確には伊予若宮信号場)から内子は予讃本線とはならず内子線のまま残りました。
110宇和島線


宇和島線

 当時は宇和島から江川崎まで宇和島線が通っていました。1974年(昭和49年)に江川崎からから窪川間が開業し、伊予と土佐をつないでいることから予土線と改称されました。


地図[1971年(昭和46年)]

 江川崎から窪川までは四万十川に沿って走ります(しかも窪川方面が上流)。清流の四万十川や沈下橋が車窓からよく見えます。
111小松島線


小松島線

 牟岐線の中田(ちゅうでん)から小松島までのわずか1.9kmで、当時としては最も営業キロが短い国鉄路線として知られていました。終点の小松島港駅は仮乗降場の扱いでした。


路線図

 徳島港に比べ小松島港の方が深度があり大型船が入港しやすかったために、神戸・大阪・和歌山からの航路として重要な路線でした。優等列車が乗り入れていることからもわかると思います。

 当初は徳島から小松島までの路線でしたが、牟岐線が開業したため徳島から中田は牟岐線に統合されました。しかし、1985年(昭和60年)に廃止となりました。
112鍛冶屋原線


鍛冶屋原線

 高徳本線の板野から鍛冶屋原(かじやばら)間の6.9kmを結んでいました。


路線図

徳島本線の穴吹まで結ぶ計画がありましたが実現しませんでした。8年後の1972年(昭和47年)に廃止となりました。
113土讃本線普通列車


土讃本線

 土讃本線ではこの列車が最長でしょうか。窪川10時15分発で高松18時31分着の普通列車です。所要時間は8時間16分です。スイッチバックの新改などには停車しませんので快速列車の要素もあるかもしれません。もう一つのスイッチバックの坪尻には停車します。

【普49】128:窪川1015−1831高松(8時間16分)
114準急いよ1号・いしづち・阿佐2号・土佐(多層建て列車)


土讃本線

 準急阿佐2号と書かれた下にいしづちといよ1号という文字もあります。準急いしづちと阿佐2号は14時57分に小松島港を出発します。ほぼ同時刻の14時55分に準急土佐が高松を出発します。両者は阿波池田で落ち合い、阿佐2号と土佐は併結して高知へ向かいます。

 一方、いしづちは阿波池田で阿佐2号と分離して単独走行となりますが、多度津で高松16時45分発の準急いよ1号と併結して松山を目指します。


運転略図

 この時代には、併結や分離が多かったのですね。なお高松から多度津へのいよ1号と土佐は併結していません。

【準47】いよ1号:高松1645−1725★多度津1730−2024松山
【準48】いしづち:★小松島港1457−1626☆阿波池田1635−1723★多度津1730−2024松山
【準49】阿佐2号:★小松島港1457−1626☆★阿波池田1636−1809高知
【準50】土佐:高松1455−1633★阿波池田1636−1809高知
★併結、☆分離
115牟岐線


牟岐線

 徳島から牟岐までが牟岐線です。高松から直行する準急むろとが2本設定されています。計画としては室戸岬を通り、高知への延伸する予定でしたが、未完成で終わりました。


路線図

 阿波富岡駅は現在の阿南駅です。この後、1973年(昭和48年)に海部まで延伸されました。そして阿佐海岸鉄道阿佐東線として海部から甲浦が1992年(平成4年)に開業しました。
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