かめかめ・かめラ
山陰・山陽紀行
(兵庫県〜岡山県〜島根県〜山口県〜広島県)
(2015/9/18-22)

【3 中国山地:芸備線・木次線】

(2015/9/19)(記 2015/5/13)

山陰山陽21:新見〜布原


  これからは、芸備線で備後落合へ行き、木次線に乗り換えて宍道へ。そして山陰本線で出雲市まで行く予定です。


  芸備線の備後落合方面への時刻表です。5時18分の始発の次がこれから乗ろうとする13時ちょうどの列車なのです(7時18分発は途中の東城行き。それも土休日運休)。そしてこれを逃すと次は18時23分の最終列車です(16時15分と21時44分は東城まで)。つまり1日3本しかない閑散区間なのです。


  改札を通り、地下通路通ってホームに向かいます。


  ホームに上がってきました。


  列車が入線してきました。もっと空いているかと思いましたが、予想以上の乗車率です。


  地図の右手の姫新線で新見にやってきて、赤矢印の左方面に進んでいきます。新見から備中神代(びっちゅうこうじろ)までは伯備線を、その後は芸備線を通ります。


  新見駅を出発しました。すぐ右手に新見富士(小川山)が見えるのですが、どちらの山でしょうか? おそらく右側の山だと思います。


  伯備線は電化されており、この区間は複線になっています。


  布原駅です。ホームが互い違いになっているこの構造は「千鳥式ホーム」といいます。この布原駅は芸備線列車は停車しますが、伯備線の普通列車は通過してしまいます。

2015/9/19
新見1300ー1424備後落合 芸備線
山陰山陽22:布原〜東城


  布原を出た列車は、高梁川の支流の西川に沿って登っていき備中神代へ向かい、そこから左に折れて非電化の芸備線を備後落合へ向かいます。


  西川の澄んだ流れが車窓から見え隠れします。おそらくこのあたりが阿哲峡なのでしょう。


  備中神代(びっちゅうこうじろ)駅が見えてきました。一番左側のホームに到着しました。


  備中神代〜坂根間です。稲刈り前の黄金色の田んぼと山の緑、そして青空と白い雲がきれいです。


  野馳(のち)駅です。駅から徒歩30分のところに若山牧水の歌碑があるようです。あの有名な「幾山河 越えさり行かば 寂しさの 終てなむ国ぞ 今日も旅ゆく」の歌はこのあたりでできたのですね。今日も山や川を越えて列車で旅をしています。親子三人の歌碑が同じ場所にあるのも珍しいですね


  鄙びた土地を通って東城駅に着きました。ここから備後落合までが1日3本の閑散区間となります。野馳駅までは岡山県でしたが、東城駅からは広島県に入ります。

2015/9/19
新見1300ー1424備後落合 芸備線
山陰山陽23:東城〜備後八幡


  東城〜備後八幡にかけて、成羽川に沿って登っていきます。ディーゼル気動車があえぎながら川沿いの線路をゆっくりと登っていくのです。


東城〜備後八幡1


 さらにゆっくりと登っていきます。まさに「幾山河 越えさり行かば」の境地です。


東城〜備後八幡2

2015/9/19
新見1300ー1424備後落合 芸備線
山陰山陽24:備後八幡〜内名


  備後八幡駅を出ると右側に何かの事業所らしきものがありました。


  その後はまた成羽川に沿って登っていきます。


備後八幡〜内名




  成羽川の流れが車窓から綺麗に見えます。


  内名駅に着きました。

2015/9/19
新見1300ー1424備後落合 芸備線
山陰山陽25:内名〜備後落合


  内名駅を出てしばらくは平地があり黄金色の田んぼが綺麗です。


  相変わらず成羽川はきれいです。


  そしてさらに山の中へ登っていきます。


  速度15km規制の場所です。地盤が弱いのでしょう。ゆっくりとゆっくりと走っていきます。


道後山〜備後落合1

 道後山駅を出てトンネルを過ぎると今度はくだり坂になってきます。


  備後落合駅が近づいてきました。


道後山〜備後落合2

2015/9/19
新見1300ー1424備後落合 芸備線
山陰山陽26:備後落合駅


  備後落合駅に着きました。「ビンゴ」「Bingo」といい響きです(笑)


  私の乗った列車は地図右側(新見方面)から備後落合駅に到着しました。赤矢印方面の木次線(宍道方面)に乗り換えるのですが、左下の三次方面へいく芸備線もあり、三方向へ行く線路がある駅なのです。


  新見駅から来た列車は3番線に到着しました。14時24分です。


  駅構内は広く、昔の駅員宿舎らしき建物も残っています。


  1番線には宍道駅から14時22分着の木次線列車が停まっていました。


  備後落合駅の入口です。


  駅舎の中は小綺麗になっています。


  三次駅から14時31分着の芸備線列車が、1番線の木次線の脇を通り過ぎて、2番線に停まりました。


  14時34分に3番線の新見行きが出発した後に、一番最後に到着した2番線の三次行きが14時38分に出発しました。


  私の乗った宍道行きの木次線列車は14時44分の出発予定です。木次線の備後落合から出雲横田までの区間も1日3本しかない閑散区間です。

14時22分から44分までの列車の到着・出発の様子をまとめてみます。

14時22分 1番線 木次線(宍道駅から)列車が到着
14時24分 3番線 芸備線(新見駅から)列車が到着
14時31分 2番線 芸備線(三次駅から)列車が到着
14時34分 3番線 芸備線(新見駅へ)列車が出発
14時38分 2番線 芸備線(三次駅へ)列車が出発
14時44分 1番線 木次線(宍道駅へ)列車が出発

 数少ない列車ですが、このようにまとめて備後落合駅で落ち合うことで、相互乗り換えの便を図っているのですね。
山陰山陽27:備後落合〜出雲坂根


  さて、備後落合駅を出発しました。左に分かれる線路は三次に向かう芸備線です。


  次の油木駅から三井野原駅までさらに登りになります。


油木〜三井野原


  三井野原駅に着きました。ここから島根県です。三井野原駅の標高は727mで、JR西日本の駅の中では最も高いところにある駅です。意外ですね。


  ここから線路は下りになります。そして正面の短いトンネルを超えると絶景が現れます。


  その前に位置関係を整理しましょう。短いトンネルが(A)のトンネルです。


  トンネルを抜けると車窓左側に現れるのが、三井野原大橋です。地図の(B)の橋です。


  そして(C)あたりから見ると、奥出雲おろちループがこのように見えてきます。


  木次線は大きくカーブしたトンネルを通り、(D)あたりで奥出雲おろちループと最も接近します。

 この三井野原大橋と奥出雲おろちループが1992年に完成したために、木次線の存在価値が低くなってしまったようです。

2015/9/19
備後落合1444ー1736宍道 木次線
山陰山陽28:スイッチバック


  次の出雲坂根駅はスイッチバックの駅として有名です。林の向こう側に見えている赤い屋根が出雲坂根駅です。


  地図の(A)から見下ろしています。


  これは(B)あたりから(C)の線路を見下ろしているところです。下に見える線路が徐々に近づいてきます。


  車両の一番後ろから見ています。だんだん近づきてきましたね。


  このシェルターの中で合流しました。雪などからポイントを守るためにシェルターがあるのでしょう。


  運転手さんが移動してきて、進行方向が変わり、前面展望です。今度は右側の(C)の線路を下ります。


  さらに下っていきます。


  しばらくすると右側に(D)の線路が見えてきます。


  (D)の線路と合流して、シーサスクロッシングを超えると出雲坂根駅です。


  出雲坂根駅はもうすぐです。三井野原から出雲坂根までは6.4kmですが、15分もかかっています。

2015/9/19
備後落合1444ー1736宍道 木次線
山陰山陽29:出雲坂根駅


  出雲坂根駅に着きました。ここで5分停車します。


  「三段スイッチバック」「標高564m」と書いてあります。手前の三井野原駅から163mも降りてきました。


  「となりの三井野原駅は標高726m」「JR西日本で一番に高所にある駅です」と書いてあります。あれっ、727mではなかったのかな? まぁどちらでもいいでしょう。とにかくJR西日本で最高所にあることには違いありません。


  出雲坂根駅の愛称は「天真名井(あめのまない)」だそうです。この駅の周辺では湧き水がこんこんと湧き出ていて延命水と呼ばれています。高天原の天真名井と同じように身も心も清めてくれるようです。


  ホームから進行方向を眺めます。スイッチバックですので、行くのも来るのもこの方向になります。反対方向は行き止まりです。


  運転手さんに了解を取り、駅舎を出ると道の向こうに延命水が飲める場所がありました。2006年に奥出雲おろち号に乗った時はホームに延命水が飲める場所があったホームに延命水が飲める場所があったのですが、今回は見当たりませんでした。なくなってしまったのか、奥出雲おろち号だけのサービスだったのかはわかりません。


  駅の構内踏切から列車を撮影しました。

2015/9/19
備後落合1444ー1736宍道 木次線
山陰山陽30:出雲横田駅


  出雲坂根を出て、八川を経て、出雲横田駅に着きました。ここでも12分停車します。


  出雲横田駅の愛称は「奇稲田姫(くしいなだひめ)」です。駅近くの稲田神社で生まれたと伝えられているようです。運転手さんに了解を取り、駅舎の外まで出てみました。


  駅のスタンプです。神話のふるさと出雲横田駅と書いてあります。船通山(せんつうざん)も古事記に出てくる地名だそうです。


  もう一つスタンプがありました。「中国やまなみ街道」「JR出雲横田駅」「スタンプラリー」と書いてあります。てっきり中国地方の鉄道に関するスタンプラリーかと思い調べたら、全く異なり、松江・宍道方面から三次を経て尾道へ抜ける高速道路のことを「中国やまなみ街道」と呼ぶのだそうです。尾道から四国の今治へ抜ける「しまなみ海道」につながっているので、いい名前ですね。ちなみに「しまなみ街道」ではなく「海道」です。


  これが出雲横田駅の駅舎です。出雲大社を模した建物ですが、立派で貫禄があります。赤いポストも懐かしいですね。


  駅の真横には「雲州そろばん伝統産業会館」があります。2006年にはこちらにも立ち寄っています。


  さぁ、そろそろ出発時刻が近づいてきました。


  行き違い列車(木次発備後落合行き最終列車:出雲横田駅15時58分着)の到着を待ってから、出発しました。

2015/9/19
備後落合1444ー1736宍道 木次線
山陰山陽31:出雲横田〜木次


  まだまだ山あいの線路は続きます。


  亀嵩駅に着きました。ここは松本清張作の「砂の器」で有名になりました。駅の愛称は「少彦名命」(すくなひこなのみこと)です。最近では駅舎内の扇屋という蕎麦屋が有名です。


  ここは出雲八代駅です。愛称は「手摩乳」(てなづち)です。木造駅舎が懐かしいですね。「砂の器」の映画では、この出雲八代駅が亀嵩駅という設定でロケが行われたようです。今でもロケで使えそうな感じの駅舎です。


  木次駅へ到着しました。ここでも11分停車します。その間に出雲横田駅行きの列車が出発しました。


  駅員さんに断ってから駅舎の外で出てみます。


  構内に駅スタンプがありました。「奥出雲おろち号と神話の駅」と書いてあります。


  こちらのスタンプには木次駅の愛称である「八岐大蛇駅」と書いてあります。


  大きな駅舎であり、駅前にタクシー乗り場もあります。


  ホームに戻ると、向こう側のホームには「歓迎 奥出雲おろち号」と書いてあります。


  そろそろ出発時刻が近づいてきました。

2015/9/19
備後落合1444ー1736宍道 木次線
山陰山陽32:木次〜宍道


  加茂中駅でも4分停車します。列車待ち合わせのためです。


  この駅の愛称は「事代主命」(ことしろぬしのみこと)です。


  加茂中駅の周囲にも石州瓦の家がありました。

2015/9/19
備後落合1444ー1736宍道 木次線
山陰山陽33:宍道駅


  終点の宍道駅に着きました。17時36分の定刻通りです。


  宍道駅名標と木次線の0キロポストです。


  木次線ホームには、「木次線で行く『神話の舞台』 木次線トロッコ列車 奥出雲おろち号」という看板があります。


  高架橋への階段を上ると、「歓迎 石灯ろうとみずうみのまち 宍道町」とあります。歓迎してくれているみたいですね(笑)


  駅舎側のホームには石灯ろうを模した壁と、宍道町特産の来待石製のベンチがありました。


  宍道駅舎の全景です。
山陰山陽34:宍道湖

 スマホの地図を見ると、宍道湖には5分くらいでいけそうです。


  途中の道には石材店がありました。店頭には石灯ろうがいくつかありました。


  5分足らずで宍道湖です。夕陽は雲に隠れているようですが、雲の間からの木漏れ日が幻想的です。


  広い広い湖です。


  宍道駅に帰るときに気がつきました。地元の商店街のキャンペーンでしょうか。
山陰山陽35:出雲市駅1


  宍道駅に戻ってきました。


  駅舎側ホームには「宍道駅開通80周年記念」の記念碑が、石灯ろうと共にありました。


  定刻の18時32分に出雲市駅に着きました。今日の鉄旅はこれで終了です。午前6時から長い長い旅でしたが、天気に恵まれて旅の初日が無事に終わりました。


  宍道駅から出雲市駅まで乗ってきた車両です。2両編成でした。


  出雲市駅では島根県観光キャラクターのしまねっこが迎えてくれました。


  出雲阿国(いずものおくに)の像もありました。出雲阿国は安土桃山時代の女性芸能者で、現在の歌舞伎の元となったと言われているかぶき踊りを創設したのだそうです。


  駅のスタンプもありました。「神話と伝説出雲の駅」と書いてあります。

2015/9/19
宍道1814ー1832出雲市 山陰本線
山陰山陽36:篠寛ラーメン


  さて夕食の時間です。お腹が空いていたので、事前にネットで調べておいた献上そば 羽根屋本店へ向かいます。ここは日本そば屋ですが、ラーメンもメニューにあるのです。駅から徒歩10分。郵便局の隣に目的のお店がありました。店内に入って店員さんに「ここはラーメンも食べられるんですよね」と尋ねると、「昔はやっていたんですが、5年ほど前に止めました」とつれない答えでした。ショックに耐えて、バックアップしておいたお店へ向かいます。


  バックアップしておいたお店は篠寛ラーメンです。地図をみる一畑電鉄の電鉄出雲市駅の高架下にあるらしいのです。さっそくお店を探すもなかなか見つかりません。あらら、閉店か移転しちゃったのかなぁ、とがっかりして、その他のバックアップのお店に行こうとしますが、店構えを見ただけで、あまり入る気持ちがおきません。どうしようかと悩み、もう一度よ〜〜くスマホの地図をよくみると、篠寛ラーメンはもっと駅から離れた場所にあることに気がつきました。そしてさらに歩いて歩いて、そこにありました!!! 


  もっと地図をしっかりと確認すればよかったのですが、やっと見つかったお店に入ることの喜びは、すんなりと見つかった場合よりも大きいのは確かです。大きな喜びとともに篠寛ラーメンに入りました。


  ガラス戸に「本日あります 牛骨ラーメン 650yen」のチラシがありました。牛骨ラーメンを食べましょう。


  店内にも「牛骨らーめん」押しの手書きのメニューがありました。店員さんに牛骨ラーメン(650円)を注文してからしばし待ちます。かなりのお客さんが入っており、人気があるお店なんだと認識しました。


  牛骨ラーメンのスープはとてもあっさりしています。縮れ麺によく絡んでちょうどいい加減です。トッピングののりには「篠寛」の文字が入っています。美味しいラーメンを食べて今回の旅の最初の宿となるビジネスホテルに向かいました。どうもごちそうさまでした。
2015/9/19
姫路0613ー0632本竜野 姫新線
本竜野0718ー0728播磨新宮 姫新線
播磨新宮0745ー0816佐用 姫新線
佐用0832ー0931津山 姫新線
津山1005ー1146新見 姫新線
新見1300ー1424備後落合 芸備線
備後落合1444ー1736宍道 木次線
宍道1814ー1832出雲市 山陰本線
【乗車時間】8時間14分
【1 サンライズ瀬戸】  【2 中国山地:姫新線】  【3 中国山地:芸備線・木次線】  【4 山陰海岸:出雲市〜益田】  【5 山陰海岸:益田〜下関】  【6 山陽本線】  【7 呉線】  【8 井原鉄道:神辺〜矢掛】  【9 井原鉄道:矢掛〜総社】