かめかめ・かめラ
北海道東・道北紀行
(北海道)
(2012/10/3-9)

【1 メロンの街の夕張へ 〜カレーそば〜】

(2012/10/3)(記 2013/5/8)


 2012年10月3日から、遅い夏休みがやっと取れました。それもうれしいことに、なんと一週間も。世の万物に感謝です(笑)。どこへ行こうかといろいろと考えましたが、一週間あればやっぱり北海道かなぁ。妻や次男と一緒に行こうかと思えど、仕事のある身ではそうそう一緒に休みは取れないなぁ、ということで、まず「北海道一人旅」が決定しました。2006年にも行ったのですが、その時は今はなき北海道フリーパス(グリーン車用)を利用したので、必然的に特急列車の利用が多くなりました。そこで今回は、往復は飛行機を利用して、道内は北海道フリーパスを使って、鈍行列車(普通列車)中心に旅をしようと考えました。そして、懇意にしているESツアーに「ANAフリープラン北海道 ホテルチョイス1泊」とJRの「北海道フリーパス」を申し込みました。
 しばらくしてESツアーのSさんから連絡があり、JRの「北海道フリーパス」は25,500円ですがANAスカイホリデーのオプションとしての「北海道フリーパス」はJRバスの利用はできませんが24,000円です、とのことでした。JRバスを利用する予定はないので、ANAスカイホリデーの「北海道フリーパス」をお願いしました。これで1,500円安くなりました。Sさん、どうもありがとうございました。

 
道内時刻表2012年10月号 ◇ レールウエイマップル北海道

 細かな計画を立てるのは、もちろん全国版の時刻表で可能ですが、旅に携帯することを考えると「道内時刻表」を手に入れた方が便利です。8月号が厚木の有隣堂にあったのは確認していたので、10月号も販売しているのだろうと思っていたのですが、一抹の不安があり、9月号の発売時期に行ってみると道内時刻表がありません。注文カウンターで、店員さんに道内時刻表の10月号を注文すると、手元に届くのは発売日から二週間ほど時間がかかるとのことでした。おいおい、それでは出発する日になってしまうでしょう。もう一度確認するも答えは同じでしたので、注文はキャンセルし、ネットで本体500円+郵送料100円を加え600円で、発売翌日には自宅に宅配されていました。これじゃぁ、本などをネットで購入する人が増えるでしょうね。街の本屋さんにもがんばってほしいものです。

 鉄道に特化した地図は少ないのですが、その中でもデフォルメせずに鉄道中心のわかりやすい地図は、昭文社から出版されているレールウェイマップルのシリーズです。6年前には発売されていなかったのですが、今回の旅の強力なお供になること間違いなしです。

 そんなこんなでやってきました10月3日。携帯のアラームは5時にセットしましたが、4時55分に自然起床しました。何なんでしょう、この現象は。もう目覚ましいらずになってしまったのでしょうか? 隣でぐっすり眠っている妻を起こさぬように、抜き足差し足忍び足で家を出て、伊勢原駅前のなか卯で和風牛丼ミニの朝食です。安いし美味しいし、量もちょうどいいので満足です。

 伊勢原駅を出てしばらくすると、外が明るくなってきました。平日でもこの時間帯はさすがに乗客も少なく座席の3割ほどで、そのうちの半分以上は目を閉じています。

 羽田空港に着き搭乗口に向かうとそこは高校生で溢れています。板橋高校の修学旅行です。生き生きとした高校生っていいですね。見ているだけで楽しそうです。搭乗口で待っていると、リアルタイムブログを見た友人からメールが来ました。リアルタイムブログ復活を喜んでくれているようです。これはリアルタイムブログを続けなければいけませんね(笑)。

 
羽田空港 ◇ ポケモンジェット

 ポケモンジェットもすぐ隣の搭乗口で出発を待っていました。女子高校生には大変な人気でした。

 満員の乗客を乗せたはずのANA53便ですが、窓際の私の座席の隣の2席は乗客はありません。ゆったりとした気分で北海道の地へ向かいました。

 
苫小牧港 ◇ ウトナイ湖

 着陸態勢に入ってから苫小牧港やウトナイ湖が見えました。ウトナイ湖鳥獣保護区は1991年に日本で四番目のラムサール条約登録湿地となりました。


新千歳空港

 新千歳空港に無事に到着しました。ここまでは順調です。これから北海道の鉄道を楽しむことにします。

 
地図 ◇ ANAスカイホリデー 北海道フリーパス

 新千歳空港のANAカウンターでクーポン券を見せ北海道フリーパスを入手しました。そのためこの写真は使用後のものです。予定より早く新千歳空港駅に着いたので、まず快速エアポート101号(6両3ドア)で千歳駅までいくことにします。当初の計画では快速エアポート103号に乗り、南千歳で新夕張行きに乗り換える予定だったのです。快速エアポート103号は札幌から旭川まで特急スーパーカムイになるので、特急型車両のはずです。実際に乗った快速エアポート101号の車両は寒冷地仕様の二重ドアになっています。

 
列車表示 ◇ 車内

 
千歳駅

 千歳駅は高架の大きな駅で駅前にホテルもありました。夜遅く新千歳空港に到着した場合の宿泊先には便利かも知れません。


列車表示

 ここ千歳駅発10時31分の新夕張行きに乗り換えます。南千歳までは逆戻りなので重複するのですが、フリーパスなので経路は関係ないのです。車両は単行(1両)でボックス型セミクロスシート、ワンマン、トイレ付きです。車内は暖房が効いていて暑いくらいなのですが、窓が開けられるので調節できそうです。
   
新夕張行き車両

 定刻通りに千歳駅を出発しました。南千歳に停車すると近くに座っていた中国人中年夫婦の男性から片言の英語で、「追分駅へ行きたいのだが、この列車でいいのか?」と確認されました。尖閣諸島国有化を受けての中国本土での反日デモ(我が国では、あれはデモではなくテロだろうという認識が強くなりました)と日本企業の工場や店舗への襲撃などを思い出しましたが、私はやさしく、そしてこちらも片言の英語で、「この列車で間違いないあるよ」と伝えました。座席に戻ったのもつかの間、また私のところにやって来ました。今度は「この列車にトイレはついているのか?」という質問です。「前方にあるあるよ(笑)」と丁寧に教えてあげました。これで日中関係が少しでも緩和されれば、、、、、、そんなはずないか。

 西早来(にしはやきた)信号場で対向の特急スーパーおおぞら4号と列車交換するのですが、定刻より7分遅れていると車内アナウンスがありました。そのままじっと待つばかりです。周囲を見渡すとトンボがたくさん飛んでいます。木々の緑がほんのわずか黄色や赤に色づいており、北海道にはゆっくりと秋の訪れが感じられました。西早来信号場を出発するとすぐに室蘭本線をオーバークロスし、そして室蘭本線に寄り添うように追分駅に到着しました。

 
追分駅名標 ◇ 地図

 追分駅到着は6分遅れですが、ここで10分停車することになっていたので遅れを挽回できるかと思いました。しかし、室蘭本線岩見沢行きの待ち合わせとともに、石勝本線自体の遅れの影響を受けている特急スーパーとかち3号の停車・通過待ちもあり、追分駅からの出発は4分遅れました。乗客はわずか4人です。発車前に運転士さんに新夕張駅での接続の確認をしたところ、同じホームの向かい側での乗り換えなので問題ないでしょうとのことでした。

 
スーパーとかち3号@追分駅

   
東追分駅 ◇ 川端駅

 川端駅で貨物列車と待ち合わせで6分遅延。さらに滝ノ下信号場で特急スーパーおおぞら6号を待ち合わせます。新夕張駅到着が遅れても、夕張行き列車は待っていますのでご安心をという車内放送が流れました。ここから夕張川と併走し、徐々に高度を上げていきます。竜仙峡が右手に見えると、ハイキングをしている人が目立ってきました。

   
竜仙峡(の近く) ◇ 滝ノ上駅 ◇ 十三里駅

 滝ノ上駅は9分遅れ、十三里(とみさと)駅は8分遅れで、新夕張駅にも8分遅れの11時56分に到着しました。予定では8分の乗り換え時間があったのですが、出発と同時刻に到着ということになってしまいました。ただちにホームの向かい側の列車に乗り換えたのです。こちらの車両も今まで乗ってきたものの同様でした。ただちに夕張行きの列車は出発しました。ところが、出発してすぐに帽子を車内に置き忘れたことに気づきました。もう、ぼうしようもありません(笑)。旅を続ける上で必ず必要なものではないのですが、後で連絡をしてみましょう。

   
地図 ◇ 清水沢駅

 清水沢駅に到着しました。ここは三菱大夕張鉄道の始発駅でした。清水沢〜大夕張炭山までの路線でしたが、1973年に南大夕張〜大夕張炭山が廃止となり、清水沢〜南大夕張までのわずか7.6kmの路線となりました。そして1987年7月には残念ながら全面的に廃止されました。写真で見ると、こちらのホームを向こう側の駅舎との間に、おそらく三菱大夕張鉄道の線路が敷かれていたものと推測されます。客車とともに石炭を積んだ貨物列車が頻繁に行き来していた様子が想像できます。わずか30年〜40年くらい前のことなんですがね。


交通公社時刻表(1980年10月号より)

 1980年の時刻表を見ると、列車は朝1本、夕2本の合計3本で、料金が60円だったことがわかります。

   
夕張駅名標 ◇ (到着した)車両

   
車両側面 ◇ 車止め

 列車は登り坂を苦しそうな音を出しながら、石勝線夕張支線の終点の夕張駅に到着しました。この夕張駅は三代目で、初代から徐々に南側に移り、路線が短くなってきています。

   
駅舎&夕張市観光案内センター ◇ 夕張夫妻

 夕張駅には夕張市観光案内センターが併設されています。そしてその手前には、夕張夫妻という顔出しパネルが設置されています。「ここが噂の終着駅 そして愛の始発駅」という洒落たコピーが書かれています。

   
ホテルマウントレースイ ◇ レースイリゾート前バス停 ◇ セイコーマート

 駅の隣にはホテルマウントレースイがあり、ホテルの前にはレースイリゾート前バス停があり、ここから札幌行きのバスが出ています。1日3本と本数はそれほど多くありませんでしたが、これではますます列車の利用者が減ってしまうのではないでしょうか? 北海道では定番のコンビニのセイコーマートも駅のすぐそばにあります。

 そうだ、新夕張駅に電話をしなければなりません。携帯で電話番号を調べて電話をし、帽子を車内に忘れた経緯を説明すると、その列車はまだ駅のホームに停車中であること、これから見に行くが駅員が自分一人なので、後ほどもう一度電話を欲しいと言われました。親切な対応に感謝いたしました。

 もう一つ電話をします。明後日の厚岸へのかきめしの予約です。おそらく予約しなくてもいいのでしょうが、念には念を入れてというわけです。かきめしで有名な氏家待合所は明日の木曜日が定休日なので、今日(水曜日)中に明後日(金曜日)の予約をするのです。

   
夕張カレーそばパンフ表紙 ◇ 鹿の谷3丁目食堂@パンフ

 夕張市観光案内センターに入ると、とてもきれいな女性が案内係をしていました。こんなことならもっと早く中に入ればよかったなぁ、などとオヤジっぽいことを考えていると、夕張カレーそばのパフレットが目に入りました。隣の夕張屋台村の鹿の谷3丁目食堂で食べられることを念のため、本当に念のためにきれいな女性に確認しました。幻の味の元祖・藤の家直伝のカレーそばのようです。お腹も空いてきたので、ここで昼食としましょう。

   
夕張駅前屋台村 ◇ 通称“バリー屋台” ◇ カレーそば幟

 “ゆうばり”なので、通称はバリー屋台となっています。ばりばりのオヤジギャグのようで、個人的には好きです(笑)。

   
鹿の谷3丁目食堂

 鹿の谷3丁目食堂は店内はカウンター7席ですが、オープンスペースが広く、どちらでも食事できます。店内のカウンターの隅の席だけが空いていたのでそこに座り「カレーそば」を注文しました。

   
カレーそば

 とろみのあるカレー餡が溢れるばかりたっぷりかかっています。食べてみると、スパイスがかなり利いています。豚バラ肉とタマネギの具もしっかりとしていて存在感があり、なかなか食べ応えがありました。これが夕張のカレーそばなんですね。美味しくいただきました。

 食後の13時15分、再度新夕張駅に電話してみました。すると私の帽子が車内でみつかり保管していただいているとのことでした。夕張駅を13時27分発の列車に乗れば新夕張駅には13時48分に着きます。この列車は追分まで行くのですが、ここで途中下車して駅舎で帽子を受け取り、新夕張15時09分の特急スーパーとかち6号で南千歳へ行き、そして苫小牧へ向かおうと思い、「夕張駅発13時27分の列車でそちら(新夕張駅)へ向かいますので、よろしくお願いします。」と話すと、「ちょっと待って下さいね、、、、、えーっと、、、、、それでは一本列車が遅れてしまいますので、私がホームに届けます。」という予想外のうれしい返事が返って来ました。親切な駅員さんだなぁと感激してお礼を言って電話を切りました。親切にされるとなんだか気分がよくなります。今回の旅はなんだかとても素敵な旅になるような予感がしてきました。 
羽田空港
0800
|  ANA 53便
0935
新千歳空港
1004
|  千歳線 快速エアポート101号  札幌・小樽行き
1011
千歳
1031
|  千歳線・石勝線  新夕張行き
1105
(追分)
1113
|  石勝線   新夕張行き
1156
新夕張
1156
|  石勝線(夕張支線)  夕張行き
1222
夕張
【1 メロンの街の夕張へ 〜カレーそば〜】 
【2 新夕張の奇跡・追分の感動 〜苫小牧ホッキ炙りめし〜】 
【3 日本一長い定期普通列車1(滝川〜落合)】 
【4 日本一長い定期普通列車2(落合〜釧路) 〜スパカツ〜】 
【5 森林・海岸そして湿原 〜かきめし〜】 
【6 雄大な車窓とともに根室へ】 
【7 爽やかな釧路湿原 〜マス漬けトロ丼〜】 
【8 オホーツク海の風に吹かれて】 
【9 瞰望岩と白滝村の静寂 〜かにめし・旭川醤油やきそば〜】 
【10 秘境駅の趣】 
【11 海に浮かぶ利尻富士】 
【12 最北の地・稚内 〜リシリアンカレー〜】 
【13 鶴沼駅探訪】 
【14 日本海を眺めながら】 
【15 増毛歴史的建造物群 〜にしん親子そば・オランダせんべい〜】 
【16 かなやま湖・狩勝越えの絶景 〜月見そば〜】 
【17 十勝の青空 〜中華ちらし〜】