かめかめ・かめラ
北海道東・道北紀行
(北海道)
(2012/10/3-9)

【2 新夕張の奇跡・追分の感動 〜苫小牧ホッキ炙りめし〜】

(2012/10/3)(記 2013/5/8)

 
地図 ◇ 追分行き列車が夕張駅に到着

   
追分行き列車

 13時19分に新夕張駅から夕張に列車が到着しました。この列車が折り返して13時27分発の追分行きになるのです。定刻に出発した列車は、下り坂を快適に進んでいきます。あっという間に新夕張駅が近づいてきました。

 新夕張駅のホームに駅員さんがいるのが遠くからわかりました。手に帽子を持っています。駅に到着してから、ドアを降りて駅員さんに話しかけ帽子を受け取りました。そしてすぐに列車に戻りました。

 
戻ってきた帽子

 これは私にとっては「新夕張駅の奇跡」です。勝手にそう呼ばせていただきます。Nさん、本当にありがとうございました。

 数人の乗客を降ろした列車は、私一人の専用列車となり夕張川に沿って追分駅へ下っていきます。滝ノ上駅で特急スーパーとかち5号を待ち合わせしましたが、この列車の遅れのために8分の遅延しました。

 
竜仙峡(の近く)

 追分駅には14時23分到着予定でしたが、5分遅れて14時28分に到着しました。

   

   
追分駅

 昔は石炭を積んだ貨物列車で混雑していたのでしょう。往時を偲ばせる構内の広さです。追分駅で時間がありますので、駅周辺を散策してみました。

 
ぬくもりの湯

 駅から北へ向かうと安平町ぬくもりセンターに併設された“ぬくもりの湯”がありました。500円で日帰り入浴が可能なので、入浴しようか迷いましたが、バスタオルが借りられないというので諦めました。ここは入口で靴をぬいでから館内に入る仕組みだったのですが、バリアフリーで高さが同じため靴を履いたまま館内に入ってしまいご迷惑をおかけしました。

   
追分橋

 駅に戻ると真ん前にある「追分橋の親柱」は、ここが“鉄道のまち”と呼ばれてきたことにちなみ、蒸気機関車の動輪と石炭をデザインしています。素敵なメロディーを聴きたくてボタンを押してみたのですが、故障しているのか何も流れませんでした。

   
センターブリッジ入口と眺め

 駅のすぐ脇に、線路を越えて駅の東西とを結ぶいわば自由通路である歩道橋がありました。センターブリッジという名前がついています。入口では小鳥たちが迎えてくれました。小学校の低学年らしき子ども4人(男女2人づつ)が私の前を下校していきます。私の姿を見つけると、後ろを向いて「こんにちは」と挨拶されました。いきなり挨拶されるとは思っていなかったのですが、もちろん私も「こんにちは」と挨拶を返しました。
「これらかおうちに帰るの?」
「そうだよ。おじさん、どっから来たの?」
「神奈川だよ」
「神奈川? ふーん」
「この橋は長いねぇ」
「うん。センターブリッジっていうんだよ」
「へぇ、そうなんだ。この橋の先には何があるの?」
「鹿公園とかいろいろあるよ。フィールドアスレチックもあるけど、へびも出るよ。気をつけてね!」
などといろいろ会話を楽しみました。素直な小学生です。ひょっとして都会では見知らぬおじさんに声をかけてはいけないなどと教育しているのかも知れませんが、こちらではそういうことはなさそうです。清々しい気分になり感動しました。

 それにしてもセンターブリッジから駅構内を眺めると、その広さに圧倒されます。改めて石炭産業隆盛だった頃の様子が偲ばれます。

   
樽たるハウス

 センターブリッジを渡るとそこには赤い三角の屋根が二つ見えました。近寄ってみると「樽たるハウス」と書いてありました。醤油や漬物の樽として使用されていたのですが、時代とともに活躍の場を失い使命を終えた樽で作られています。子どもの遊び場として楽しそうです。

 
鹿公園案内図

 その先にある大きな公園が鹿公園です。キャンプ場や萌の森、フィールドアスレチックなどいろいろな複合施設となっています。緑に包まれた誰もいない公園内を散策して、つかの間の森林浴をしました。ちなみに鹿にもヘビにも出会いませんでした。

 
センターブリッジの欄干

 そしてセンターブリッジを渡り駅へ戻ろうとすると、センターブリッジ中央の欄干に列車がデザインされているのに気がつきました。来るときは小学生と会話しながらだったので、気がつきませんでした。その写真を撮っていると、向こうからやってきた今度は小学校高学年の男子3人から
「何を撮っているんですか?」と聞かれました。
「ここに列車がデザインされてるのに気がついたから写真を撮っていたんだよ」
「これは僕たちが考えたんですよ」
「へぇ、それはすごいなぁ」
などと会話が弾みました。なかなか元気がよくて礼儀正しい小学生が多いのですね。

 
駅前シンボル

 追分駅へ戻ってきました。駅前ロータリーの脇には、安平町のシンボルのような塔がありました。「未来の子供たちへ私たちが手渡します。さわやかな環境、豊かな自然を!」と書いてあります。

 

 追分駅に戻ってきました。時刻は15時15分です。ここで時刻表を見直して、予定を変更することにしました。当初の予定は、追分駅15時55分の室蘭本線で乗り換えなしで苫小牧(16時33分着)を目指すことにしていましたが、時間を持て余したので追分駅15時30分の石勝線の特急スーパーとかち6号で南千歳まで行き、千歳線で苫小牧を目指すことにしました。

 待合室には千歳から追分にくる車内で私にいろいろと話しかけてきた中国人中年夫婦がいました。目が合いましたが、会釈も何もしません。中国人気質なのかも知れませんね。

 
追分駅・新夕張駅開駅120周年

 追分駅と新夕張駅は開駅120周年です。新夕張駅は当初は紅葉山駅でしたが1981年石勝線開業に伴い新夕張駅に改称されました。

 
スーパーとかち6号@追分駅

 3分遅れのスーパーとかち6号の自由席に座り、ゆっくりする間もなく次の停車駅の南千歳駅で下車します。

   
列車表示@南千歳駅 ◇ 南千歳駅

 
苫小牧行き列車が到着

 今度は4両編成の列車に乗り換えて苫小牧駅を目指します。

 
苫小牧駅前通商店街

 ホッキ貝が迎えてくれました。これからホテルへチェックインします。今日の宿は樽前の湯 ドーミーイン苫小牧です。大浴場とサウナが付いていますので、ゆっくりと旅の疲れを取ることができます。

 苫小牧はホッキの水揚げ高が日本一なので、街おこしとして苫小牧ホッキ炙りめしを開発したようです。さっそく、宿泊しているホテルから近い四季の味 熊谷を尋ねてみましたが、ホッキ炙りめしはすでに完売でした。人気があるんですね。うーん、残念です。

   
四季の味 熊谷→完売! ◇ 店内@彩菜房き・き

 そこで次のお店に向かいました。彩菜房 き・きというちょっと変わった名前の飲食店です。ここにはホッキ炙りめしはまだ残っていました。

   
苫小牧ホッキ炙りめし ◇ 苫小牧ホッキ炙りめし@彩菜房き・き 特別メニュー

 さっそく、座席に座り苫小牧ホッキ炙りめしを注文しました。いきなりコンロがどーんと目の前に出てきてちょっとビックリ。そして苫小牧ホッキ炙りめしの蘊蓄や食べ方が書かれたチラシをいただいたのでそれを読みました。食べ方を説明してくれるお店の男性は一所懸命に解説してくれます。とても親切です。帰宅後にネットで調べると、障害者の社会復帰を支援している飲食店のようでした。

 
苫小牧ホッキ炙りめし(ほぼ全容)

 手前左側がホッキの刺身です。奥の右側がホッキ貝焼きで、左側がホッキ炙り焼きです。その他、次から次へとホッキを使った料理が小鉢などで出てきます。

   
貝焼き(完成前) ◇ 炙り焼き(完成前)

   
刺身 ◇ 前菜

   
蒸し物 ◇ ちまき

 蒸し物はかなり美味しく感じました。
   
コンロ ◇ 着火1

   
苫小牧ホッキ炙りめし ◇ 着火2

   
貝焼き(完成) ◇ 炙り焼き(完成)

 自分で調理という作業をしながら食べるので楽しいのです。メインの貝焼きと刺身も美味しかったのですが、蒸し物のホッキもなかなか美味しくいただきました。ただ、炙り焼きは野菜でくるんで食べるのですが、私にはちょっと食べにくかったようです。味付けも自分好みにできますし、デザートのシフォンケーキまで美味しくいただきました。

 ホテルに帰って、大浴場とサウナで汗を流し旅の疲れをとったのは言うまでもありません。今回の北海道の旅、出足はすこぶる順調です。
夕張
1327
|  石勝線(夕張支線)  追分行き
1348
(新夕張)
1349
|  石勝線  追分行き
1428
追分
1534
|  石勝線 特急スーパーとかち6号  札幌行き
1545
南千歳
1604
|  千歳線  苫小牧行き
1624
苫小牧
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