かめかめ・かめラ
北海道妄想の旅1978
(北海道)
(1978/10/1-20)

【3 松前線・江差線】
(1978/10/3)(記 2018/1/26)

北海道妄想の旅1978:08函館〜木古内

【1】
 1978年10月3日の旅(1)


 函館から7時19分発の普通列車に乗る。松前行きの急行松前、そして江差行きの急行えさしも運行されているが車窓を楽しむなら普通列車である。

【4】
 五稜郭駅を出ると左にカーブする。左手に函館山を見ながら函館平野の田園地帯を進む。次は七重浜(ななえはま)。私が生まれる前だが、昭和29年(1954年)9月、台風の影響で青函連絡船の洞爺丸が転覆、沈没し、この七重浜に多くの遺体が打ち上げられたという。その浜には洞爺丸海難者慰霊碑が静かに立っている。

(茂辺地〜渡島当別)
 上磯には巨大な軍艦のような日本セメント上磯工場がある。次の茂辺地で対向列車との列車交換。そして茂辺地を過ぎると左手には函館山の姿が目に入る。渡島当別を過ぎると左手に下北半島と津軽半島が見えてくる。海岸線沿いに進み、8時22分に木古内に到着した。

(木古内駅)
 すでに木古内駅には、江差から8時18分に、松前から8時20分に列車が到着しており、これらは併合して8時24分発の函館行きとなる。この列車は江差行きと松前行きに切り離され8時43分に松前に向けて出発する。

函館0719-0822木古内 江差線 721D
北海道妄想の旅1978:09木古内〜松前〜木古内

【1】
 1978年10月3日の旅(2)

【1】
 木古内に21分停車した列車は定刻に出発した。

【4】
 山側の防雪林を見ながらまっすぐに南下して渡島知内へ。ここから列車は西へ直角に曲がり海に別れを告げる。湯ノ里を出て知内川橋梁を渡ると25パーミルの急勾配となり列車はあえぎながら千軒に到着する。

【9】(千軒駅)

【10】(千軒駅)
 千軒駅で列車交換である。

【9】(白符駅)

【9】(白符〜渡島吉岡)
 スノーシェルターと福島トンネルを抜けると、眼前に津軽海峡が見える。白符でまた海岸に近づくが、すぐに海岸を離れる。そして白神トンネルを抜けると渡島大沢となり再び左手に津軽海峡が見える。

【9】(松前駅付近)
 及部から次の終着駅の松前に至る間には桜の名所の松前公園、左手の線路脇には松前城が佇んでいる。松前は北海道唯一の城下町である。

【7】(松前駅)

【10】(松前駅)

【7】(松前駅)
 木古内から1時間15分で終点の松前に着いた。ゆっくりと観光をしたいところだが、折り返す列車で戻ることにする。

木古内0843-0958松前 松前線 4821D 【松前線完乗】

【1】
 10時11分発の普通列車で木古内へ向かう。松前駅での滞在時間はわずか13分。乗り鉄の旅はこんなものだ。

松前1011-1135木古内 松前線 4826D
北海道妄想の旅1978:10駅前飯店急行

(木古内駅)
 木古内駅に到着した。

(駅前飯店急行)
 駅から徒歩30秒の駅前飯店急行(通称"急行食堂")で昼食を食べよう。

【12】(急行食堂店内)

【12】(急行食堂店内)
 店内は昭和レトロでほっとする空間が広がっている。「花は香り 人は心」と書かれた色紙が飾られている。この急行食堂の名物は「名代焼きそば」である。

【12】(焼きそば)

【12】(焼きそば弁当)
 具だくさんの焼きそばはコショウが効いている。やや太めの麺も郷愁を誘う。焼きそば弁当も販売している。
北海道妄想の旅1978:11木古内〜湯ノ岱〜江差

【1】
 1978年10月3日の旅(3)

【1】
 急行食堂から木古内駅に戻り12時55分の江差行き普通列車に乗り込む。

【4】

(木古内〜渡島鶴岡)
 木古内を出ると、松前線を左に分け、木古内川右岸をゆっくり登っていく。

(渡島鶴岡駅)
 渡島鶴岡、吉堀を過ぎると谷は狭くなり上り勾配が強くなる。稲穂トンネル(827m)の前後は25パーミルの急勾配。トンネルを挟んだ吉堀と神明の駅間距離は13.2kmもあり、普通列車で22分かかる。

(神明駅)

(天の川)
 神明からは天の川(あまのがわ)右岸を下っていく。星空の天の川ではなく、水の流れる天の川なのである。次の湯ノ岱で列車交換であるが、ここで途中下車する。駅から徒歩10分。天の川を越えたところにある湯ノ岱温泉国民温泉保養センターで一風呂浴びるという魂胆である。3種類の温度の浴槽があり炭酸泉なので人気があるようだ。

木古内1255-1342湯ノ岱 江差線 723D

 温泉浴でリフレッシュできた。先へ進もう。しばらくして天の川を渡り線路は左岸に移るが、すぐにまた右岸に戻る。桂岡の手前で天の川から離れ狭い平野の北岸を北西に進む。

(上ノ国〜江差)
 上ノ国駅を出てしばらくすると左手に日本海が見えて来る。海岸段丘の段丘崖を走る列車からは日本海とともに、鴎(かもめ)島が見える。鴎島の向こう側に江差の港がある。

【7】(江差駅)

【7】(江差駅)
 昔からヒノキ材やニシン漁で栄えた、江差追分も有名な江差が終着駅である。といっても江差の中心地からは600mくらい離れているので駅前は少し寂しい。

湯ノ岱1518-1551江差 江差線 725D 【江差線完乗】

(鴎(かもめ)島)
 駅前の空き地を進めば、鴎島がさらにはっきりと見渡せる。
北海道妄想の旅1978:12前井食堂

【6】(前井食堂外観)
 以前から江差に来たら行ってみたい老舗の食堂があった。それは厚沢部町の前井食堂だ。何と明治30年(1897年)創業というから今年で81年目となる。距離が離れているのでタクシーを利用しよう。節約したいが、そうたびたび来られる場所でもない。江差駅前から乗車し約15分で前井食堂に到着した。

【14】(鍋焼きうどん)
 自家製麺の鍋焼きうどんが創業以来のメニューの一つだ。熱々のうどんで身体も心も温まる。

【14】(みそラーメン)
 もう一杯、みそラーメンも食べよう。昨日からラーメン、焼きそば、うどん、ラーメンと麺類ばかりだが、好きなのだからしょうがない(笑)

【7】(焼きそば、カレーライス)
 焼きそばやカレーライスも好評のようだ。

【HPから】(横山家)

【HPから】(にしんそば)
 北海道指定有形民族文化財の横山家(よこやまけ)で、江差名物の「にしんそば」も食べてみたいが今回は断念しよう。
北海道妄想の旅1978:13江差〜函館〜札幌

【1】
 1978年10月3日の旅(4)

【1】
 満腹になったので列車に乗ろう。日が落ちて真っ暗になった江差駅19時53分発の函館行きの普通列車に乗り込む。暗闇の中にディーゼルエンジンの音が響き渡る。吉堀で江差行き列車と行き違いした後、木古内には21時07分に到着した。すでに松前から到着していた列車と併合し、函館へ向けて21時18分に出発した。上磯で列車交換し、函館には定刻の22時26分に着いた。

江差1953-2107木古内2118-2340函館 734D

【2】(鰊(にしん)みがき弁当)
 今日の旅はこれで終わりではない。これから札幌まで移動する。夜食か朝食用に鰊(にしん)みがき弁当を買った。江差でにしんそばを食べなかったからである。

【1】

【1】
 急行すずらん5号の車中の人となった。函館23時40分発で、終点の札幌には明朝の6時08分に到着する。

【1】
 自由席での移動となる。できるだけ睡眠時間を確保したいものだ。

函館2340-0608札幌 急行すずらん5 函館本線/室蘭本線 1218
【1 夜行で青森へ】  【2 道南8の字めぐり】  【3 松前線・江差線】  【4 岩内線・瀬棚線】  【5 胆振線】  【6 相生線・釧網本線】  【7 標津線】  【8 千歳線・日高本線・広尾線】  【9 白糠線・池北線】  【10 石北本線・富良野線】  【11 士幌線・根室本線・札沼線】  【12 興浜北線・興浜南線・渚滑線】  【13 湧網線】  【14 富内線】  【15 夕張線・室蘭本線】  【16 幌内線・万字線・歌志内線】  【17 深名線・留萌本線】  【18 羽幌線・天北線】  【19 美幸線・名寄本線・宗谷本線】  【20 函館本線】