かめかめ・かめラ
北海道妄想の旅1978
(北海道)
(1978/10/1-20)

【9 白糠線・池北線】
(1978/10/9)(記 2018/1/26)

北海道妄想の旅1978:37釧路〜白糠〜北進〜白糠

【1】
1978年10月9日の旅(1)

【1】
 夜行列車よりもやはりホテルの方がゆっくり休める。しかし今日の朝も早い。今までは好天に恵まれていたが、今日は曇天である。

【4】
 釧路始発は5時02分発だが、その次の5時35分発の普通列車に乗る。白糠線の終点の北進駅まで直通するからだ。

(大楽毛駅)
 釧路を出ると新釧路川を渡り新富士、大楽毛(おたのしけ)へ。阿寒川を渡り、海沿いを西進する。右手は湿原である。やや内陸に入り庶路。ここで釧路行きの急行狩勝7号(夜行)と列車交換。急行は庶路を通過する。庶路川を渡って西庶路。石炭岬をまわって白糠へ。白糠は白糠線の分岐駅である。

釧路0535-0617白糠 根室本線 252D

【4】

【1】
 白糠線は1日に3本しか走っていない超過疎路線だ。

【42】(白糠駅から分岐)
 白糠駅で直別行きと北進行きに分離され、北進行きは7分停車後の6時24分に白糠駅を出発する。白糠を出た列車は左手の根室本線と別れて右に大きくカーブし、白糠市街を抜けると、酪農を中心とした畑作地帯を走る。

【9】(白糠〜上白糠)

【11】(上白糠駅)
 左手の茶路川に沿って終点の北進まで茶路川の橋梁を何度も渡る。

【11】(茶路駅)
 上白糠、共栄仮乗降場を過ぎて茶路(ちゃろ)に入ると、道道が並行しその左側を茶路川が流れている。線路と道路は川の蛇行に沿って走り続ける。

【11】(縫別駅)
 鍛高トンネルをくぐってしばらく進むと縫別(ぬいべつ)。周囲は丘陵地の酪農地帯で、広い牧草地で悠然と草を食むホルスタイン種のウシの群れがのどかに見える。

【11】(上茶路駅)

【11】(上茶路駅)
 縫別トンネルをくぐり茶路川を四回渡ると上茶路。縫別や上茶路には以前は数多くの炭鉱があり賑わっていたという。

【9】(上茶路〜下北進:冬)

【9】(上茶路〜下北進)

【11】(下北進駅)
 山間を抜けてしばらく走ると下北進に着く。

【7】(北進駅)

【7】(北進駅)
 そして次は終点の北進となる。

白糠0624-0708北進 白糠線 531D 【白糠線完乗】

【8】(未成線)
 北進駅がある場所の地名は二股だが、地図のように北進〜足寄(池北線)〜上士幌(士幌線)〜新得まで路線を伸ばす計画があったため、さらに北へ進んで発展するように「北進」と命名した。しかし、石炭産業の斜陽化で日の目を見なかった。

 北進に着いた列車は私だけの専用列車と化していた。運転手さんといろいろと会話をしていると、停車時間の11分はあっという間になくなり、7時19分に白糠駅へ向かって出発した。

北進0719-0802白糠 白糠線 532D
北海道妄想の旅1978:38白糠〜池田

【1】
1978年10月9日の旅(2)

【1】
 白糠駅で35分の待ち合わせの後、8時37分の列車で池田を目指す。

【4】

(古瀬信号場)
 白糠を出ると和天別(わてんべつ)川沿いに進み、左に曲がって勾配を上ると古瀬信号場。

【42】(馬主来湿原)

【23】(馬主来湿原)


馬主来(ばしくる)湿原(音別→古瀬)(進行方向逆)

 ここから馬主来(ばしくる)沼をかかえる馬主来湿原を通る。湿原の規模はそれほど大きくないが、手を伸ばせば届くような感覚は、厚岸と糸魚沢の間の別寒辺牛湿原によく似ている。

【23】(古瀬〜音別)


音別→古瀬(進行方向逆)

 馬主来湿原が終わると、海沿いに飛び出す。

【23】(音別駅)

(音別駅)
 左手に海をながめながらのんびりと音別へ。

(音別川)

(尺別駅)
 音別川を渡り、次は尺別。

(直別駅)
 トンネルを越えて左手に湿原をみながら直別へ。音別、尺別、直別と「ベツ」のつく駅が連続する。

【4】


厚内→直別(進行方向逆)

(厚内駅)
 直別川を渡り、トンネルをくぐって海岸沿いを走ると厚内。ここからは十勝川河口に出て、十勝川沿いに北上すれば話は早いが、十勝川河口が極めて低湿なために、一度内陸へ向かうことになる。

(浦幌駅:火薬庫)
 厚内川沿いに登って上厚内へ。さらに谷を遡りトンネルをくぐって浦幌川沿いにでて浦幌へ。浦幌で16分停車し、ともに釧路行きの急行ぬさまいと普通列車と列車交換する。

 川沿いに南下し十勝川左岸の丘陵地沿いに右へ、右へ、右へと曲がり新吉野。十勝川の谷の丘陵沿いを北西に進み、豊頃へ。ここで函館行きの特急おおぞら4号に追い抜かれる。

(十弗駅)

(十弗駅)
 次は十佛(とうふつ)。十佛駅は「十ドル」駅と呼ばせたいようだ。十佛川を渡ると、次は池田である。

白糠0837-1043池田 根室本線 422
北海道妄想の旅1978:39池田〜陸別〜北見

【1】
1978年10月9日の旅(3)

【1】

【19】
 池田駅に到着すると、3番線にはすでに陸別行きの池北線列車が出発を待っていた。池田は十勝ワインで一躍有名になった。ヨーロッパの城を思わせるワイン工場を右後方にみながら、根室本線を左手に分ける。池田の町を抜けると沿線一帯はじゃがいも、てんさい、大豆など十勝平野の畑作地帯。ところどころにワインの原料となる山ぶどうを栽培している農家も見える。

【9】(高島駅)
 国道242号線と並走しながら、様舞(さままい)へは停車せず、高島へ。ここで帯広行きの普通列車と列車交換する。

【9】(勇足駅)

【10】(勇足駅)
 畑の真ん中にある大森仮乗降場を過ぎ、勇足(ゆうたり)、南本別まで進むと十勝平野もそろそろ尽きて、周囲の小高い山が近づいてくる。本別川を渡ると本別。木材の町としての栄光は今は昔でひっそりとしている。駅の右側には霊山として崇められてきた義経山が見える。

【10】(仙美里駅)

【10】(仙美里駅)
 仙美里(せんびり)を過ぎ利別川を渡ると、まもなく足寄(あしょろ)。松山千春のふるさとである。

【19】(未成線)
 白糠線のところでも触れたが、北進〜足寄〜新得を新線計画があった。

【9】(愛冠駅)
 列車は山の中の坂を登って愛冠(あいかっぷ)へ。可愛らしい駅舎である。「愛のカップル」の語呂合わせで縁起切符の人気が高い。

【10】(愛冠駅付近)

【10】(愛冠駅付近)

【10】(上利別駅)

【10】(大誉地駅)
 利別川の流れに沿って何回か橋梁を渡りながら、西一線、塩幌の両駅には止まらず、上利別、大誉地(おおよち)、薫別(くんべつ)を山間を縫うように走る。陸別川を渡るとこの列車の終点である陸別。陸別は日本一寒い町として知られている。ここで下車する。

池田1058-1237陸別 池北線 923D

【HPから】(秦食堂外観)

【HPから】(秦食堂店内)
 陸別駅到着は12時37分。朝食も食べてないので、お腹がペコペコである。駅から徒歩3分の秦(はた)食堂に向かう。ここは昭和22年(1947年)創業なので、今年で31年目を迎える。

【HPから】(天ぷらそば@秦食堂)
 今日も天気はいいが気温が低いので、暖かくなりそうな天ぷらそばを注文する。滑らかでやや太打ちの田舎蕎麦はコシもあって美味しい。そば粉で解いた、とろとろなそば湯は個性的で、温かいそばにも提供している。

【1】
 陸別駅に戻り、旅を再開しよう。北見方面から帯広行きの急行池北が14時59分に到着した。私の乗る北見行きの列車は15時02分に到着し、ここで列車交換を行う。北見行きの列車は急行池北より早く15時07分に出発した。

【9】(分線〜川上:冬)
 陸別からはさらに山を縫って、分線、川上となる。

【10】(小利別駅)
 しばらくすると小利別。ここは、小高い山にすっぽりと囲まれた盆地状の町で、冬は氷点下40度以下になることもあり、陸別町、深名線の幌加内町母子里と並んで日本一寒い町として知られている。

【9】(置戸駅)

【10】(置戸駅)
 小利別から置戸(おけと)までは15.9km。釧北峠までは登りの連続で、その後は下り勾配となる。常呂川を渡ると置戸に着く。置戸は豊富な森林資源に恵まれ木材の集積地として栄えた。

【42】(置戸〜豊住)
 列車は常呂川の流れに沿うように下り、豊住、境野、西訓子府(にしくんねっぷ)、西富、訓子府(くんねっぷ)と続く。訓子府で池田行きの普通列車と列車交換。

【9】(日ノ出駅)
 その後、穂波、日ノ出、広郷と続く。山間にタマネギ、てんさいなどの畑や、酪農、水田地帯が点在する。

【10】(上常呂駅)

【10】(上常呂駅)
 上常呂、北光社を過ぎて、北海学園大学を右手に見て、左から来る石北本線と合流すると終点の北見に着く。

陸別1507-1647北見 池北線 933D 【池北線完乗】

 北見には16時47分に着いた。今日の旅はこれで終了。ホテル黒部にチェックインし、しばし休憩をとる。暗くなってから夜の街へ繰り出して夕食である。

【15】(香風園)
 北見といえば焼肉である。ここ香風園は4年前の昭和49年(1974年)の開店だ。それでも北見で知らない人はいないほど有名なお店である。

【15】(香風園店内)
 肉の旨みを最高に引き出すために練炭ではなく炭と七輪を使っている。

【15】(焼肉@香風園)
 (1)牛タン、(2)ホルモン、(3)牛サガリ、(4)牛刺し、ミノ刺し、肝(レバー)の刺身セット、を1人前ずつ食べてお腹いっぱいになった。

 今日はゆっくり眠れそうだ。おやすみなさい。  
【1 夜行で青森へ】  【2 道南8の字めぐり】  【3 松前線・江差線】  【4 岩内線・瀬棚線】  【5 胆振線】  【6 相生線・釧網本線】  【7 標津線】  【8 千歳線・日高本線・広尾線】  【9 白糠線・池北線】  【10 石北本線・富良野線】  【11 士幌線・根室本線・札沼線】  【12 興浜北線・興浜南線・渚滑線】  【13 湧網線】  【14 富内線】  【15 夕張線・室蘭本線】  【16 幌内線・万字線・歌志内線】  【17 深名線・留萌本線】  【18 羽幌線・天北線】  【19 美幸線・名寄本線・宗谷本線】  【20 函館本線】