かめかめ・かめラ
北海道妄想の旅1978
(北海道)
(1978/10/1-20)

【12 興浜北線・興浜南線・渚滑線】
(1978/10/12)(記 2018/1/26)

北海道妄想の旅1978:46稚内〜浜頓別

 今日は天北線で浜頓別まで行き、興浜北線と宗谷バスと興浜南線を使って興部方面へ出ようと思う。稚内から浜頓別へ向かうには、稚内発5時20分の始発と、その次の9時30分発、そして11時55分発の急行天北がある。稚内着が6時22分であるので、始発はすでに出発している。  そしてせっかく最北の地に来ているのだから宗谷岬も行ってみたい。この旅でも、観光は少ない中、函館山、えりも岬、納沙布岬となんとなく出っぱり部には行っている。稚内駅から宗谷岬へのバスがあるが、朝一のバスが稚内駅8時00分発で宗谷岬着が9時15分、そして折り返して宗谷岬発が9時36分で稚内駅着が10時51分となるので、9時30分発の列車には間に合わず、11時55分の急行天北に乗ることになる。しかし急行天北に乗ると、その後の列車やバスの接続が悪く、雄武まですら行けない。
 さて、どうしよう?

 逡巡したが決めた。タクシーを利用して宗谷岬に行き、稚内発9時30分発の列車に乗ろう。痛い出費ではあるが、稚内まで来ることは人生においてそう何度もあるものではない。またバイトでがんばればよい!

稚内0645-0730宗谷岬 タクシー

【HPから】(宗谷岬)
 日本最北端の地という文字がある。遠くには樺太も見えている。

宗谷岬0800-0845稚内 タクシー

 ぜいたくな小旅行をしてしまった。さて、朝食は稚内駅直結のふじ田食堂で食べよう。

【12】(ふじ田食堂)
 ラーメン、丼物、カレーライス、定食などまんべんなくそろっている。ホタテラーメンや蟹チャーハンといった稚内ならではの味覚を散りばめた料理もある。お店の方にお勧めを尋ねたところ、「すりみ定食がオススメです!」と答えてくれた。素直な私は、「すりみ定食」を注文した。

【12】(すりみ定食@ふじ田食堂)
 ホッケのすり身がたっぷり入ったすりみ汁がメインの定食だ。ダシもいいなぁ。懐かしい感じのする定食だ。

(稚内駅舎)

(稚内駅舎)
 お腹も満足したので駅に入ろう。

(稚内駅)

(稚内駅)
 日本最北端の駅だけにいろいろとモニュメントが多い。

(稚内駅ホーム)
 稚内駅はターミナルだが、質素にも1面2線だけのホームだ。

(駅スタンプ)
 改札のところに駅スタンプが置いてあった。「日本最北端の駅」と「宗谷岬」が描かれている。

【1】
 1978年10月12日の旅(1)

【1】

【4】
 稚内を出た列車は宗谷本線を走り、南稚内から天北線となる。南稚内駅で、稚内行きの普通列車と列車交換した。

【10】(宇遠内仮乗降場)
 周辺に学校の多い宇遠内(うえんない)仮乗降場を過ぎ、声問(こえとい)川を渡ると左手の河口に宗谷湾が迫ってくる。

【10】(宇遠内〜声問)
 声問の右手には大沼があり、やがて左に稚内空港が見える。

【10】(声問駅)

【10】(声問駅)
 稚内から声問までは区間列車もあるので利用者はそこそこ多いのだろう。

【10】(声問〜恵北)
 声問から線路は南へ向かい、海を離れて内陸へ向かう。

【10】(恵北〜樺岡)
 恵北、樺岡を過ぎ、ニタトロオマナイ川を渡って、沼川へ。

【10】(沼川〜曲淵)
 沼川周辺では酪農が盛んなようだ。

【9】(曲淵駅)

【9】(曲淵駅)

【10】(曲淵〜小石:冬)
 曲淵(まがりふち)と小石間は17.7kmあり、かつては在来線最長の駅間距離であった。現在では根室本線の落合〜新得間の28.1kmが最長駅間距離である。

【10】(小石駅)

【10】(鬼志別駅)
 鬼志別(おにしべつ)川を渡ると鬼志別。ここは猿払村役場もあり、猿払村の中心地である。炭鉱や林業が衰退したため、7年前から10年計画でホタテ稚貝放流事業を実施している。

【4】

【10】(鬼志別〜芦野)

【10】(芦野駅)

【10】(芦野〜猿払)

【10】(芦野〜猿払:ポロ沼)

【10】(芦野〜猿払:ポロ沼)
 芦野、猿払、浅茅野(あさじの)あたりは原生植物と原始林に囲まれた「森と沼の国」だ。

【10】(浅茅野駅:冬)

【10】(飛行場前仮乗降場)
 昔、陸軍の飛行場があった飛行場前仮乗降場を過ぎる。

【10】(安別〜山軽:クッチャロ湖)

【10】(安別〜山軽:クッチャロ湖)

【10】(山軽駅)
次の安別仮乗降場、山軽あたりでは右手にクッチャロ湖が間近に見える。

【9】(山軽〜浜頓別)

【10】(浜頓別駅)

【9】(浜頓別駅:冬)

【9】(浜頓別駅:冬)
 クッチャロ湖を右手に従えながら列車は興浜北線の分岐駅の浜頓別に着く。ホームには稚内行きの普通列車が到着を待っていた。

稚内0930-1140浜頓別 天北線 724D
北海道妄想の旅1978:47浜頓別〜北見枝幸〜雄武

【1】
 1978年10月12日の旅(2)

【1】
 線名が示すように、天北線の浜頓別(はまとんべつ)と名寄本線の興部(おこっぺ)を結ぼうとした線の北側の一部である。沿線は北オホーツク道立自然公園の一部を走り、海岸に群立する奇岩が十分に目を楽しませてくれる。静かな佇まいの海で、冬は流氷に覆われる。

【4】

 浜頓別は稚内、名寄、網走方面を結ぶ交通の要衝である。浜頓別を出た列車は、天北線を右手に分け、左にカーブしながら頓別川を渡り、頓別仮乗車場を過ぎる。

【9】(豊牛〜豊浜)

【9】(斜内〜目梨泊)
 このあたりから左手にオホーツク海が迫ってくる。夏には浜辺一面にハマナス、カンゾウなどの花が咲き乱れて美しい。豊牛、豊浜仮乗車場、斜内(しゃない)と続く。

【9】(斜内〜目梨泊)

【9】(斜内〜目梨泊)

【9】(斜内〜目梨泊:冬)

【9】(斜内〜目梨泊:冬)
 次の目梨泊(めなしどまり)の北約800mの神威岬は山裾がそのまま海に落ち込んで絶壁となった景勝地である。

【9】(目梨泊〜山臼)
 山臼仮乗車場、問牧(といまき)と過ぎ、終点の北見枝幸に入る手前の海岸は、岩が畳のように敷き詰められたウスタイベ千畳敷がみごとである。

【7】(北見枝幸駅)

【7】(北見枝幸駅)

【7】(北見枝幸駅:冬)

【9】(北見枝幸駅:車止め)
 定刻の12時30分に北見枝幸に到着した。

浜頓別1144-1230北見枝幸 興浜北線 925D 【興浜北線完乗】

【4】

【8】
 北見枝幸から雄武までの延伸計画の地図。ここがつながれば興浜線が完成するのだが、工事は進んでいない。

【1】

 北見枝幸からはバスでの移動となる。20分の待ち時間でバスに乗り込むと乗客は5人ほど。出発して枝幸の町を出ると、左手には浜の向こうにオホーツク海が広がっている。音標が枝幸町の南限で、この先からは雄武町となる。そしてしばらく走って終点の雄武へ。自治体名は「おうむ」だが、駅名は「おむ」となっている。

北見枝幸1250-1410雄武 宗谷バス

【HPから】(かどや食堂)
 ちょっと遅いが昼食を食べよう。時間は40分しかない。駅から徒歩1分のかどや食堂に入ると、昼食どきではないので空いている。「時間がないので早くできるメニューをお願いしたいのですが」と頼んだところ、オヤジさんが「せっかく遠くから来たのならホタテラーメン食べてって」といいながらすぐに作り始めてくれた。

【HPから】(ホタテラーメン@かどや食堂)
 大きなホタテが二つ乗ったラーメンが出てきた。スープは塩味だが、魚介のダシがしっかり出ている。美味しいラーメンだった。早く作ってくれたオヤジさんにお礼を言って店を出た。

 時間がないのですぐに雄武駅に戻ろう。
北海道妄想の旅1978:48雄武〜興部〜渚滑

【1】
 1978年10月12日の旅(3)

【1】

【4】

 14時45分に雄武駅に着いた。出発の5分前だ。これから乗る興浜南線は、名寄本線の興部(おこっぺ)と天北線の浜頓別(はまとんべつ)を結ぼうとした線の南側の一部である。

【9】(雄武駅)

【7】(雄武駅)

【7】(雄武駅:冬)
 漁業と酪農の町である雄武(おむ)を出た列車は、雄武川を渡り雄武共栄仮乗車場を過ぎ、しばらくすると左手にオホーツク海が見えてくる。

【9】(栄丘駅)

【9】(栄丘駅:海霧)

【45】(栄丘〜沢木)
 栄丘、元沢木仮乗車場と寂しい海辺を走り、松前藩が北方警備の狼煙台を設けたという日ノ出岬を過ぎると沢木に着く。

【9】(沢木〜興部)
 冬は流氷で閉ざされるオホーツク海を左手に見ながら興部川河口近くを渡り、右にカーブして、左から名寄本線が近づいてくると興部に到着する。

【9】(興部駅)

【45】(興部駅:冬)

雄武1450-1520興部 興浜南線 828D 【興浜南線完乗】

【1】
 ここで名寄本線に乗り換える。

【4】

【9】(興部駅出発)
 興部を出ると、左に興浜南線が分岐し、名寄本線は右に曲がる。旭丘仮乗降場を左手にオホーツク海が姿をみせる。山側は牧草地でウシが草を食んでおり、豊野からは寂しい浜辺を列車は走る。

【10】(豊野〜沙留)
左前方には沙留(さるる)岬が突き出て、ウミネコが群れている。

【10】(沙留駅)

【10】(沙留駅)

【10】(沙留駅)
 列車は岬の丘に登って漁港の沙留に着く。

【10】(富丘仮乗降場)

【9】(富丘仮乗降場:冬)
 富丘仮乗降場を過ぎると、オムシャリ沼の湿原と海とに挟まれた細い砂地の上を国道238号線と並んで走る。

【10】(富丘〜渚滑)

【10】(富丘〜渚滑)
 寂寞としたオホーツク海岸の景色を代表するようなところで、冬はもちろん一面の流氷と雪で白一色となる。

【10】(富丘〜渚滑:渚滑川)
 しばらくすると渚滑川の河口に開けて平地となり、右手から渚滑線が合流すると渚滑に着く。

【10】(渚滑駅)

興部1559-1626渚滑 名寄本線 627D
北海道妄想の旅1978:49渚滑〜北見滝ノ上〜渚滑〜紋別

【1】
 1978年10月12日の旅(4)

【1】

【4】

【10】(渚滑駅)

【9】(渚滑駅)
 渚滑(しょこつ)を発車すると右に渚滑川のつくった幅1kmほどの平地が開ける。じゃがいも畑や牧草地になっている。川は平地の向こうの山裾を流れているので見えない。

【9】(上東仮乗降場:冬)
 元西仮乗車場、下渚滑、十六号線仮乗降場、中渚滑、上東(じょうとう)仮乗降場と約15kmに渡って同じような景色が続く。

【9】(上渚滑〜奥東:冬)
 上渚滑を過ぎると、はじめて渚滑川を渡るが、このあたりからは深い河岸段丘の底を流れるので、また川は見えなくなる。奥東(おくとう)仮乗降場、滝ノ下、雄鎮内(ゆうちんない)仮乗降場を過ぎて、再び渚滑川を渡ると平地が尽き、濁川を過ぎると、にわかに両岸が迫って峡谷となり、右窓に渚滑川の本流が滝となって流れ落ちるのがちらっと見える。しかしそれもつかの間で、家並みに入り、製材所で活気あふれる終点の北見滝ノ上に着く。

【7】(北見滝ノ上駅)

【7】(北見滝ノ上駅:冬)

渚滑1629-1724北見滝ノ上 渚滑線 727D 【渚滑線完乗】

【1】
 北見滝ノ上にはわずか12分の滞在。折り返す列車で渚滑に戻る。

北見滝ノ上1736-1828渚滑 渚滑線 730D

【1】
 そして渚滑から紋別までも同じ列車で運行された。渚滑をでた列車は紋別の市街地に入って潮見町を過ぎると、大きな町の紋別はもうすぐである。紋別は名寄本線沿線では唯一の市制施行の水産都市であるが、冬は流氷に覆われて港は機能を停止する。

【10】(紋別駅)
 紋別駅には18時39分の定刻に到着した。

渚滑1832-1839紋別 名寄本線 730D

 今日の宿はホテルハーバービュー。チェックインをしてから街に繰り出す。

【HPから】(レストランあんどう)
 老舗の洋食屋であるレストランあんどうをホテルで勧められた。ホテルからは徒歩3分ほど。

【HPから】(ハンバーグとカニクリームコロッケのセット@レストランあんどう)
 メニューの中から、ハンバーグとカニクリームコロッケのセットを注文した。セットはライスとクリームスープとコーヒーがつく。久しぶりの洋食に満足、満足!

 夜のニュースでは、クラウンライターライオンズが、西武グループの国土計画に買収され、西武ライオンズとして本拠地も福岡市から埼玉県所沢市に移転することが報道された。
【1 夜行で青森へ】  【2 道南8の字めぐり】  【3 松前線・江差線】  【4 岩内線・瀬棚線】  【5 胆振線】  【6 相生線・釧網本線】  【7 標津線】  【8 千歳線・日高本線・広尾線】  【9 白糠線・池北線】  【10 石北本線・富良野線】  【11 士幌線・根室本線・札沼線】  【12 興浜北線・興浜南線・渚滑線】  【13 湧網線】  【14 富内線】  【15 夕張線・室蘭本線】  【16 幌内線・万字線・歌志内線】  【17 深名線・留萌本線】  【18 羽幌線・天北線】  【19 美幸線・名寄本線・宗谷本線】  【20 函館本線】