かめかめ・かめラ
北海道妄想の旅1978
(北海道)
(1978/10/1-20)

【6 相生線・釧網本線】
(1978/10/6)(記 2018/1/26)

北海道妄想の旅1978:22北見〜美幌〜北見相生

【1】
 1978年10月6日の旅(1)

【1】
 急行大雪9号は留辺蘂あたりで日の出を迎える。北見には5時50分着。ここからは普通列車として網走へ向かう。北見に26分間停車してから出発した。北見の次の端野で網走始発の急行大雪2号と列車交換する。

【9】(緋牛内〜美幌)
 北見は常呂川流域だが、端野、緋牛内と過ぎると網走川流域の美幌へ到着する。

北見0616-0658美幌 石北本線 1527

【4】  

【1】
 美幌から相生線で北見相生を目指す。美幌と北見相生を結ぶ相生線は、明治時代の計画では、釧路、阿寒を経て美幌に通じる釧路ー北見間の最短の線路(釧美(せんび)線)になるはずだった。しかし幻の路線に終わった。

 美幌7時25分発の列車に乗り込む。美幌を出ると石北本線から分かれて右へ大きくカーブし、すぐ旭通仮乗降場に着く。美幌の中心街で町役場や官公庁にかようサラリーマンや学生は、美幌駅で乗り降りするよりむしろ近い。住宅がまばらになりしだいに山へ近づくと美幌峠に通じる国道243号線と立体交差して上美幌。周囲ではてんさいやジャガイモ畑が目立つ。

【9】(達美〜津別:冬)
 豊幌仮乗降場、活汲(かつくみ)、達美仮乗降場を過ぎて沿線に木材工場が何軒か見えてくると津別。古くから木材の集積地として賑わった。津別で列車交換する。津別川を渡ると、津別高校のある高校前仮乗降場。さらに山間を登って恩根(おんね)、本岐(ほんき)、大昭仮乗降場、開拓仮乗降場、布川と続く。山林地区から、近ごろは畑作地帯に変わってきた。布川を過ぎると前方に雌阿寒岳がわずかに顔をだす。山々はところどころ紅葉している。

【7】(北見相生駅)

【7】(北見相生駅)
 終点の北見相生は、釧北峠を通って阿寒湖に通じる西の玄関口である。

美幌0725-0830北見相生 相生線 723D 【相生線完乗】
北海道妄想の旅1978:23北見相生〜美幌〜網走

【1】
 1978年10月6日の旅(2)

【1】
 北見相生駅の周囲を散策し、8時58分発の遠軽行きの列車で美幌に戻る。美幌着が9時50分。朝食を食べていないので少し早いが昼食としよう。駅前の地元の人に尋ねてみると蕎麦のかね久を勧められた。

北見相生0858-0950美幌 相生線 726D

【HPから】(まかないつけめん@かね久)
 美幌駅から徒歩2分。かね久は創業50年を超える地元に愛されるお店だ。人気No1はまなかいつけめんということだ。これはホタテの貝柱、桜エビ、イカ、ピーマンのかき揚げが蕎麦つゆの上に乗っていて、これに蕎麦をつけて食べるようだ。

【HPから】(美幌豚の生姜焼き丼セット@かね久)
 悩んだ末に注文したのは、まかないつけめんではなく、美幌豚の生姜焼き丼セット(笑)。がっつりと食べたいのだ。美味しい豚丼とコシのある蕎麦のセットを食べて満足である。

【1】
 美幌駅に戻り旅を続ける。11時04分美幌発の列車に乗る。線路は左にカーブし西女満別へ。

【4】
 西女満別駅は女満別空港の最寄駅。次の女満別から呼人までは網走湖の東側湖岸を走るが防雪林に遮られて湖面はみえない。

(網走湖)
 呼子からは網走湖の湖面を楽しむことができる。

(網走駅)

(網走駅)
 網走駅に到着した。駅近くには紅葉した樹木も見られる。

美幌1104-1135網走 石北本線 555D

(網走駅)
網走駅前にはタクシーも数多く止まっている。

(網走駅)
 駅名看板が縦書きなのは、網走刑務所から出所してくる受刑者が、もう二度と「横道に反れないように」という願いが込められているそうだ。

(網走川からの眺め)
 網走駅からすぐそばの網走川の橋から西の山を眺めると、こちらも紅葉が始まっている。
北海道妄想の旅1978:24網走〜斜里

【1】
 1978年10月6日の旅(3)

【1】
 網走からは旭川始発の急行大雪1号に乗る。網走からは浜小清水、斜里、清里町、川湯、弟子屈、標茶、塘路に停車し釧路が終点である。

【4】
 オホーツク海に沿って走るこの区間は風光明媚なことで知られている。

(網走駅)
 釧路からの急行大雪2号の到着を待って、急行大雪1号は定刻の12時03分に出発した。網走駅は市街地の南西にあり、発車してしばらくは南から迫る女満別台地の北端の崖下を走っていく。次の桂台仮乗降場の方が市街地に近い。そして網走トンネル(527m)を抜けると左手にオホーツク海が、そして正面には知床連峰の絶景が飛び込んでくる。今日は天気がよいので窓を開けてみよう。車内に入ってくる風を感じながら車窓を楽しむという超贅沢である。


北浜→藻琴(進行方向逆)

 藻琴(もこと)駅を過ぎると右手の陸側に藻琴湖が見え、優美な姿の藻琴山(1,000m)が見える。屈斜路湖カルデラの外輪山であり、向こう側は屈斜路湖だ。

(北浜駅)
 北浜駅はホームの外側が砂浜で「オホーツク海に一番近い駅」として知られている。左手にはオホーツク海がずっと寄り添ってくる。

(展望台からの景色@北浜駅)

(展望台からの景色@北浜駅)
 駅舎には流氷見学用展望台もあり、知床連山もよく見える。

(北浜駅)

(濤沸湖)
 そして北浜駅を過ぎると右手に濤沸(とうふつ)湖が見えて来る。右斜め前方には知床連峰の斜里岳(1,545m)で、羅臼岳(1,660m)がその左側に見える。北浜と浜小清水の間にあった原生花園仮乗降場は4日前に閉鎖されたばかりだ。

【33】(急行しれとこ@涛沸川橋梁:北浜〜浜小清水)


北浜〜浜小清水


浜小清水〜北浜(進行方向逆)

【2】(北浜〜浜小清水)
 再び海沿いの景色を楽しみながら、浜小清水へ。

【4】

【33】(止別〜斜里)


斜里〜止別(進行方向逆)

 止別(やんべつ)を過ぎ、知床連山を正面見て、砂丘の上をオホーツク海に沿って走りながら列車は斜里駅に入る。

網走1203-1517釧路 急行大雪1 釧網本線 368
北海道妄想の旅1978:25斜里〜標茶

【1】
 1978年10月6日の旅(4)

【1】

【4】
 斜里からは線路を右に大きく曲げて南下する。

(斜里岳)
 斜里岳は今度は左前方に見えて来る。

(畑:南斜里〜清里町)

(畑:南斜里〜清里町)
 ジャガイモやてんさいの畑の中を進み、清里町駅に停車する。


札弦〜清里町(進行方向逆)

 耕地を区切る樹木の列が美しく、広大な土地を感じる風景である。

(札弦駅)

(緑駅)
 札弦(さっつる)、緑という集落を拾いながら南下している。緑では普通列車と列車交換。緑をでてからは札弦川の支流のオニセップ沢川の谷を25パーミルの急勾配を上っていく。屈斜路湖の外輪山を釧北トンネル(549m)で抜けてカルデラに入る。釧路川水系となり25パーミルの勾配を今度は下って川湯につく。緑から川湯までは14.5kmもあるがほとんどが森の中で眺望は期待できない。

 川湯駅は川湯温泉の最寄り駅で、右手前方には屈斜路湖カルデラの中央火口丘の一つの硫黄山が見える。3年前の高校修学旅行で硫黄山に来ている。あの時はバスで美幌峠を越えてきたような記憶がある。バスガイドさん、綺麗な人だったなぁ(笑)。

(美留和駅)
 川湯を出ると森の中を走って美留和、弟子屈と続く。このあたりは鉄道防雪林の森が多い。弟子屈では上りの急行しれとこ4号がこちらの到着を待っていた。弟子屈からは釧路川に沿って走る。このあたりからは牧草地が多くなる。ゆっくりと高度を下げて南弟子屈、磯分内、標茶とすべるように進む。

網走1203-1517釧路 急行大雪1 釧網本線 368

 なお、8年前までは斜里から越川まで、南東方向に根北(こんぽく)線があった。最終的には標津線の根室標津まで延伸する予定だったが、廃止された。
北海道妄想の旅1978:26標茶〜釧路

【1】
 1978年10月6日の旅(5)

【1】

【4】

(五十石駅)
 標茶を出ると線路は徐々に釧路川に近づき、かつて五十石船が遡ったことに由来する五十石駅を過ぎる。右手に釧路川の旧流路を見ながらまもなく茅沼。

(茅沼駅)

(茅沼駅)
 茅沼駅は丹頂鶴が見られることでも知られている。以前の駅長さんが餌付けをしていたのだそうだ。茅沼からは釧路湿原の東のへりを線路が走る。この区間の車窓も絶景である。

【3】(釧路湿原を走る釧網本線)

【22】(茅沼〜塘路:夏)

【33】(茅沼〜塘路)
 この先は右手の視界が開け、遥か遠くまで見渡せる。やがて左側も湿原となり、湿原に囲まれた築堤を走る。まもなく左にシラルトロ湖の水面が見え、左へカーブして国道391号線の向こうに塘路湖が見えてくると塘路駅。ここで普通列車と待ち合わせする。


細岡展望台から釧路湿原

(釧路湿原)
 湿原と丘陵の境目をたどって左へ大きくカーブしており、釧路川本流を間近に眺められる。細岡を過ぎると右手遠くに岩保木水門が見えて来ると釧路湿原は見納めである。

(釧路駅)

(釧路駅)
 遠矢駅からは少しずつ民家が見え出し、東釧路を経て道東の中心都市の釧路に着く。

網走1203-1517釧路 急行大雪1 釧網本線 368 【釧網本線完乗】
北海道妄想の旅1978:27釧路〜厚岸〜根室

【1】
 1978年10月6日の旅(6)

【1】

【4】

 釧路駅をでて旧釧路川を渡り川沿いに進み、右に曲がると東釧路。釧網本線はここから左に分かれていく。今度は根室本線の旅なので、ここから別保川沿いの谷に沿って曲折して別保へ。


別保→上尾幌

 国道272号線の分岐点の下をくぐって別保トンネルに入る。この先は原野らしき森の中をクネクネしながら線路が敷かれている。釧厚トンネル、尾幌トンネルをくぐり上尾幌へ。このあたりは野生のシカやクマが線路にでてくることがたびたびある。


上尾幌→尾幌

 少しだけ直進するが、再び曲がりくねった谷間に入る。今度は尾幌川沿いに進み下り勾配となる。森を抜けて左に曲がると尾幌である。別保駅から、まったく違った山を越えてきた国道44号線を合流する。国道と並走しながら、右手には尾幌原野と呼ばれる湿原がある。国道の下をくぐると門静である。ここで普通列車と列車交換。


門静→厚岸

 門静を出ると、すぐに右手に海が飛び込んでくる。海沿いを真っ直ぐに進む。右手前方には厚岸湾を囲む厚岸半島が見えて来る。海沿いを離れるとしばらくして厚岸に到着する。

釧路1530-1622厚岸 急行ノサップ3 根室本線 415D

(厚岸駅)

(厚岸駅)
 駅舎にある氏家待合所でかきめしを食べよう。待合所とは、北海道で駅付近に多く存在した業態で、屋内で列車などを待つことができるようにしたスペースを提供し、列車待ちの客に食事や飲み物を出すという商売である。

(かきめし@氏家待合所)
 ここのかきめしは全国的に有名な駅弁だ。待合スペースで食べてみる。

(かきめし@氏家待合所)
 かきはもちろんだが、つぶ貝やシジミなどの他の貝類も入っている。特筆すべきはご飯で、かきの煮汁で味が付いており、これだけでも美味しい。

(かきデザインの街灯@厚岸)
 厚岸の街の街灯もかきがデザインされている。

【1】


別寒辺牛川河口(厚岸→糸魚沢)

 もう夕暮れが近い。厚岸を出ると線路は左にカーブし、厚岸湖沿いに北上する。清々しい風が窓から入ってくる。そして別寒辺牛(べかんべうし)川の河口右岸に沿いながら進む。列車の音に驚いて水鳥が羽ばたいている。

(別寒辺牛湿原)
 しばらくすると別寒辺牛湿原を通る。湿原の中に築堤を築いて線路を通している。釧路湿原より規模は小さいが、より近くを走るので、私のお気に入りの車窓の一つである。


別寒辺牛湿原(前半)(厚岸→糸魚沢)


別寒辺牛湿原(後半)(厚岸→糸魚沢)

 車窓を眺めていると、やがて糸魚沢(いといざわ)につく。

【4】


茶内へ到着

 国道と並行してなだらかな丘の上に出ると茶内(ちゃない)。段丘崖の上をそのまま走り浜中へ。南には霧多布(きりたっぷ)湿原があるが、ここからはみえない。姉別を過ぎると、標津線の分岐駅である厚床になる。

 厚床には17時47分に根室方面から、そして17時57分に中標津方面から列車が到着しており、それらが併合されて釧路への出発を待っていた。私の乗った列車は18時ちょうどに厚床につき、18時02分にお先に出発する。釧路行きの出発は18時10分である。

 もう車窓は楽しめない。西和田で約10分停車し、急行ノサップ4号と列車交換した。暗い闇の中を淡々と根室へ向かって進んでいく。

厚岸1708-1800厚床1802-1913根室 根室本線 239D
北海道妄想の旅1978:28オランダせんべい&エスカロップ

(オランダせんべい)

(オランダせんべい)
駅の売店で根室名物のオランダせんべいを買う。


オランダせんべい

 せんべいと言っても、ご覧のように柔らかい個性的なせんべいである。

(根室駅スタンプ)
 根室駅のスタンプがあった。「朝日が一番早い納沙布岬の街」と書いてある。

(ニューモンブラン外観)

(ニューモンブラン店内)
 駅から徒歩3分ほどのニューモンブランで夕食である。

(エスカロップ)
 このエスカロップも根室の地域限定の名物料理だ。エスカロップとは、炒めたバターライスにポークカツを乗せ、その上にデミグラスソースをかけたもので、皿の端にはサラダが添えたものだ。皿はアルミ製で給食のような感じである。のんびりとした雰囲気の中で食べるエスカロップは、妙に温かかった。

 今日の宿泊先は根室グランドホテルだ。
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