かめかめ・かめラ
北海道妄想の旅1978
(北海道)
(1978/10/1-20)

【10 石北本線・富良野線】
(1978/10/10)(記 2018/1/26)

北海道妄想の旅1978:40北見〜旭川

【1】
 1978年10月10日の旅(1)

【1】
 昨夜はぐっすりと眠ることができ、疲れがとれた。今朝は北見駅を6時37分の急行大雪2号で出発する。

【4】

(北見トンネル)
 北見を出ると、昨年完成したばかりの市街地の下を通る北見トンネル(2,100m)をくぐって西へ向かい、てんさいの畑の中を国道39号線に沿って東相ノ内、相ノ内と過ぎる。

(留辺蘂駅)
 谷が狭くなってくると製材と酪農の留辺蘂(るべしべ)へ着く。国道39号とはここで別れ、ここからは国道242号線と並走する。登り勾配がきつくなるなか金華(かねはな)へ。ここで網走行きの普通列車と列車交換。こちらは急行なので金華は通過する。

【22】(金華〜常紋信号場)


金華→常紋信号場
 国道242号線を左に分け、ここからはさらに急勾配を登り、常紋信号場を過ぎるとすぐに常紋トンネル(507m)に入る。常紋トンネルは湧水が多く難工事で犠牲者も多数でている。

【22】(常紋信号場〜生田原)

【45】(常紋信号場〜生田原)


常紋信号場→金華

 トンネルを出てからは急勾配で谷を下り、やや平になったところが生田原。金華から生田原まで15.0kmを普通列車で25分ほどかかる。

【4】
 生田原川の谷を下り、生野仮乗降場、安国を過ぎると谷が広く開けてくる。

(瞰望岩)
 そして湧別川を渡り、左手に大きわ岩山の瞰望岩(がんぼういわ)(81m)が見えて来ると名寄本線との接続駅の遠軽に着く。

(遠軽駅)
 遠軽では進行方向が反対になる。上川発遠軽行きの普通列車の到着(7時39分)を待ってから7時42分に出発する。5分後の7時47分には名寄本線の中湧別行きの列車も出発する。遠軽を出ると平地の北東川の山裾にへばりつくように西へ進む。

(瀬戸瀬駅)
 新栄野仮乗降場を過ぎ、瀬戸瀬を過ぎると谷は狭くなってくる。

【4】

(丸瀬布駅)
 さらに登ると丸瀬布(まるせっぷ)。丸瀬布川と武利川が湧別川に合流している。

(湧別川)
 谷はさらに幅を狭くして湧別川を遡る。この先、下白滝、旧白滝仮乗降場、白滝、上白滝、奥白滝と18.8kmの中に「白滝」とつく駅が五つも並んでいる。

(下白滝駅)

(旧白滝駅)
 下白滝で遠軽行き普通列車と列車交換。

【4】
 白滝駅の周囲のみ集落がみられる。上白滝から25パーミルの急勾配を登っていき、奥白滝で釧路行きの急行大雪1号と列車交換。ともに急行なので奥白滝には停車しない。北見峠の石北トンネル(4,356m)をくぐり上川地方に入る。そして上越(かみこし)信号場を過ぎ、石狩川の支流の留辺志部川の狭い谷を延々と下っていく。

(紅葉)
 周囲は原生林ばかりで民家もない。少しずつ紅葉しはじめている。奥白滝から次の中越(なかごし)までは16.7kmもあり急勾配のため普通列車では30分ほどかかる。

【4】
 天幕(てんまく)を過ぎ、谷が開けてくると上川に着く。留辺蘂で別れた国道39号線は石北峠や層雲峡を通ってここで合流する。上川からは石狩川に沿って谷を下る。

【22】(中愛別〜愛山:石狩川と大雪山)
 東雲仮乗降場、難読駅の一つの安足間(あんたろま)、愛山仮乗降場、中愛別、愛別と続く。愛別にて網走行きの特急オホーツクと列車交換。愛山仮乗降場と中愛別駅との間の左手には屏風のように長く高くそそり立つ石垣山がみえてくる。次の伊香牛(いかうし)からは石狩川を離れて上川盆地の東の山裾に沿って南下する。

【45】(伊香牛〜当麻)
 当麻(とうま)では上川行き普通列車と列車交換。さらに桜岡となり、旭川市街に入り北日ノ出仮乗降場、東旭川となり、次の新旭川からは宗谷本線に合流して旭川に着く。

北見0637-0956旭川 急行大雪2 石北本線 502D 【石北本線完乗】

【HPから】(げそ丼@天勇)
 朝食を食べてなかったので、立ち食いそばの天勇でげそ丼を食べる。そばよりも、げそ丼発祥のお店として天勇は知られている。甘いタレが特徴だ。
北海道妄想の旅1978:41旭川〜富良野

【1】
 1978年10月10日の旅(2)

【1】
 げそ丼の余韻の残る中を旅に戻ろう。旭川市は「あさひかわ」と読むが、旭川駅は「あさひがわ」と濁って読む。旭川駅の富良野線のホームは南に100mほど離れており、このため函館本線などとの直通運転はできない。

【4】
 旭川を出ると線路は南下してすぐに神楽岡、続いて西御料へ。ここまでは旭川市街の中だ。次の西瑞穂あたりから住宅がまばらになりはじめる。美瑛川の谷を走っており、東側にはその右岸台地が延々と続いているため見晴らしは開けない。ただ前方には丘越しに大雪山・十勝岳連峰が少し顔を出す。西神楽、西聖和、千代ヶ岡、北美瑛までこの状態が続く。西神楽で旭川行き普通列車と列車交換した。西御料から西聖和まで「西」から始まる駅が四つ続くのも珍しい。

(千代ケ岡駅)
 西聖和からは美瑛川支流の辺別(べべつ)川の谷へ入っていたが、北美瑛で辺別川に別れをつげて、上川、富良野両盆地を分ける丘陵に登っていく。ここの勾配が25パーミルあって思いのほかきつい。

(美瑛駅)

【24】(美瑛駅)
 登りきったところで美瑛に着く。美瑛を出てすぐに、西聖和で別れた美瑛川を渡り、今度はその支流の憩川の谷を遡る。遡る途中で南西に進み、小丘陵を越えて美瑛美馬牛川の谷へ、次いでまた小丘陵を越えて美馬牛大成川の小支流の谷へ出て、そしてまたまた小丘陵を越えて美馬牛大成川の本流を渡って美馬牛(びばうし)駅に着く。谷と丘陵を何度も乗り越えている。美馬牛で旭川行き普通列車と列車交換する。

【31】(美瑛〜美馬牛)

(美瑛〜美馬牛)
 美馬牛を出たと思うと、また小丘陵を越えて江幌完別(えほろかんべつ)川の谷に出る。十勝岳に登らないように、谷と小丘陵を順番に越えていく。美馬牛から江幌完別川の谷への下りは25パーミルの急勾配でしかも長い。

(美馬牛〜上富良野)

(美馬牛〜上富良野)
 上富良野から富良野盆地に入る。


美馬牛→上富良野

【31】十勝岳(西中〜中富良野)
 線路は谷の西側に走っていくので十勝岳連峰の眺めは抜群だ。山の眺めの手前に盆地いっぱいに水田が広がっている。

【42】(西中〜中富良野:初夏)

【24】(西中〜中富良野:初夏)

【2】(西中〜中富良野:初夏)
 西中には停車せずに中富良野。初夏にはラベンダーが覆い尽くす。

(中富良野)

(中富良野駅)

(中富良野〜富良野)
 正面には芦別岳と富良野西岳がきれいに見える。

(根室本線合流@富良野駅)
 鹿討(しかうち)、学田(がくでん)と過ぎて右から根室本線が合流するともうすぐ富良野に着く。

(富良野駅)

(富良野駅)

旭川1048-1210富良野 富良野線 627D 【富良野線完乗】

【13】(ラーメン@小玉食堂) 
 富良野着が12時10分。ちょうどお昼だ。駅から近い小玉食堂に寄ろう。ここは昭和30年代の創業のそば屋だが、ラーメンが人気だそうだ。さっそくラーメンを注文した。見た目はシンプルな醤油ラーメン。そばの返しをタレに使い、ダシは魚介ベースだが、丸鶏や豚骨でコクを加えている。人気があるのもうなずける。
北海道妄想の旅1978:42富良野〜池田〜帯広

【1】
 1978年10月10日の旅(3)

【1】

【4】
  富良野駅は盆地の南端にある。富良野で2時間以上ゆっくりと休み、これから出発する。富良野を出ると空知川を右手に見ながら南下する。左には十勝岳(2,077m)が見える。

(布部〜山部)
 布部を過ぎて、空知川を渡ると右には芦別岳(1,727m)が見える。

(山部駅)

(山部〜下金山)


山部→下金山

 山部を過ぎて、線路は川にそって一旦左に曲がり、さらに右に折れて下金山となる。空知川は狭い谷になる。国道237号線を並んで空知川を二度渡り、トナシベツ川を渡ると金山へ。

(空知川)
 左にカーブして短いトンネルをくぐり、また空知川を渡る。周りは森林である。

(かなやま湖)
 空知トンネル(2,255m)とくぐると、すぐ左手に水を湛えて緑に囲まれたかなやま湖の絶景が飛び込んでくる。鹿越信号場にて、札幌行き急行狩勝4号と列車交換し、鹿越トンネルをくぐり、東鹿越を通過し湖岸を進む。東鹿越には滝川行き普通列車がこの急行を待ち合わせていた。かなやま湖から離れると幾寅に着く。

(幾寅〜落合)

(幾寅〜落合)


幾寅→落合

(落合駅)
 幾寅からは空知川の源流をたどるかのように谷を遡っていく。10〜16パーミルの勾配を登りながら落合に着く。いくつもの谷の合流点なのでこの名がある。

【4】
 いよいよ狩勝越えだ。12年前までは、ここから東に向かい標高644mの狩勝峠を狩勝トンネル(954m)で越え、うねうねと馬蹄形に旋回しながら新内(にいない)、新得へ下りていった。狩勝トンネルを越えたところからの車窓風景は絶景とされたが25パーミルの連続急勾配が運転上の悩みの種であった。現在では、落合から川沿いに鬱蒼とした森の中を第一〜第五までの落合トンネルをくぐり南下する。第五落合トンネルをくぐり川を渡り、新狩勝トンネル(5,810m)に入る。工事中の石勝線のトンネル入口は分かれていて、トンネル内で合流する。ここの標高は約460mで、まっすぐに東に向いている。

【32】(新狩勝信号場〜広内信号場:冬)
 トンネルを出ると新狩勝信号場で、シェルターを被っている。右に回って高い築堤を南に下り、増田山トンネルから、広内信号場の先で第二広内トンネルに入り、左へ回り広内信号場の下にでる。線路は大きな馬蹄形をしている。


狩勝越え(落合→新得)

(新狩勝信号場〜広内信号場)
 新狩勝トンネルを出てから、この先の西新得信号場までの景観は素晴らしい。

(広内信号場)
 右に回りながら第一広内トンネルをくぐり、西新得信号場を過ぎ、右に回って新得山トンネル(1,683m)をくぐる。さらに右に大きく回って旧線と合流してゆっくりと新得に入る。落合〜新得間は四つの信号場があるが駅間距離28.1kmは12年前から日本最長をなっている。


広内信号場:列車交換風景

(西新得信号場〜新得)


新得→十勝清水

 新得は十勝平野の西の入口で、佐幌川沿いに国道38号線と並んで南下する。徐々に平地が開けて十勝清水に着く。線路は南下の態勢をとり、平野川信号場から南東に方向を定めて羽帯となる。しだいに下り勾配となり、御影を過ぎ、築堤の上を進む。左を走る道路に接近すると、右から芽室川が近づいてくる。

【4】

(芽室駅)
 上芽室信号場を通過し芽室川を渡る。いよいよ十勝平野の中心部に降りてきた。列車は芽室の駅に着く。さらに東へ進み、美生川を渡り、左にカーブして国道38号線沿いに東へ進み、西帯広へ。

(帯広駅)
 そこから築堤の上へ出て、右に曲がると左から士幌線の線路が合流し帯広へ着く。帯広では2分停車。下車しない。

 帯広を出た列車は国道の下をくぐり市街を東南東に横切っていく。広尾線はそのまま真っ直ぐに進むが、根室本線は少し左に折れて、これと別れる。

(札内川)
 札内川を渡ってしばらくすると札内。札内から少し進んで築堤の上に出ると右側は山地である。途別川を渡り、さらに築堤を進む。十勝川の氾濫原をさけるために築堤を通っているのだろう。

(幕別駅)
 稲士別仮乗降場を過ぎ、猿別川を渡って左折すると幕別に着く。幕別で帯広行き急行池北と列車交換。ともにここには停車せずドアは開かない。

(十勝川)
 幕別から北東に進み右に折れて十勝川橋梁(745m)で十勝川を渡る。線路は真っ直ぐに進み山に行き当たり、そこから右に向きを変えたところが利別である。ここは利別川が十勝川に合流する地域で増水のたびに洪水を起こしたという。利別を出ると利別川を渡り右に曲がる。左から南下してきた池北線と合流し池田に着く。ここで下車する。

富良野1430-1658池田 急行狩勝3 根室本線 403D

【1】
 池田からは翌日に備えて帯広に戻る。ちょうど急行狩勝6号が来たので乗り込む。幕別で陸別行き普通列車と列車交換。わずか26分で帯広に着いた。  

池田1711-1737帯広 急行狩勝6 根室本線 406D

 今夜の宿の帯広ステーションホテルにチェックインし夕食タイムである。

【15】(炉ばたのあかり外観)
 ホテルで情報を得て、今日は「炉ばたのあかり」というお店へ行く。昭和30年に店を構えて、今年で23年目となる。

【15】(炉ばたのあかり店内)
 炉ばたを囲むようにカウンターがあるのが、一人旅にはうれしい。炉の炭は備長炭を使用している。

【15】(オススメメニュー)
 アルコールとともに、オススメのメニューをいただく。写真上から、(1)大きな油揚げの揚げ納豆(山わさびと大根おろし付き)、(2)焼き魚メンメ(きんき)、(3)メンメはサービスで残った骨で特製スープにしてもらえ、ラーメンの麺を入れてくれる、(4)石焼じゃがいも(バターと塩辛付き)。メンメのラーメンと塩辛の石焼じゃがいもが美味しかったなぁ。

 今日も早めに眠れそうだ。
【1 夜行で青森へ】  【2 道南8の字めぐり】  【3 松前線・江差線】  【4 岩内線・瀬棚線】  【5 胆振線】  【6 相生線・釧網本線】  【7 標津線】  【8 千歳線・日高本線・広尾線】  【9 白糠線・池北線】  【10 石北本線・富良野線】  【11 士幌線・根室本線・札沼線】  【12 興浜北線・興浜南線・渚滑線】  【13 湧網線】  【14 富内線】  【15 夕張線・室蘭本線】  【16 幌内線・万字線・歌志内線】  【17 深名線・留萌本線】  【18 羽幌線・天北線】  【19 美幸線・名寄本線・宗谷本線】  【20 函館本線】