かめかめ・かめラ
北海道妄想の旅1978
(北海道)
(1978/10/1-20)

【8 千歳線・日高本線・広尾線】
(1978/10/1-2)(記 2018/1/26)

北海道妄想の旅1978:32札幌〜苫小牧

【1】
 1978年10月8日の旅(1)

【1】
 早朝の札幌駅だが人の行き来は多い。先月から札幌エスタが開業し、さらに活気が出てきている。来月からは高架化の工事が始まる予定だ。7時40分札幌発の急行ちとせ2号室蘭行きと急行えりも1号様似行きの併合急行に乗る。様似へ行くので乗った車両は急行えりも1号である。

(石狩鮭めし)

(石狩鮭めし)
 朝食は札幌駅の石狩鮭めしの駅弁だ。車窓を楽しみながら、ゆっくりと鮭といくらのコラボレーションを堪能する。

【4】

【2】(上野幌〜北広島)

【9】(上野幌〜北広島)
 札幌を出て苗穂、白石と市街地を通る。札幌貨物ターミナルを通って、函館本線の上下線の間に入って高架になり新札幌を過ぎて、築堤を下ると上野幌である。線路が右にカーブするとすぐに北広島。広島県人による開拓地で北広島となった。

 丘陵地を進み島松川を越えると島松、そして恵み野。このあたりは直線が続く。左に折れると恵庭に着く。

【4】
 恵庭からはまた直線で丘陵の間を進み、長都(おさつ)、千歳となる。千歳駅は高架工事中である。千歳からも直線区間が続き、千歳空港を右手に見ながら美々(びび)に至るがこのあたりは石勝線の工事が行われている。

【25】(植苗〜沼ノ端)
 ここから先は湿地帯に入り、植苗を過ぎると室蘭本線をオーバークロスして右にカーブし沼ノ端に着く。沼ノ端から植苗に向かう下り線からはウトナイ湖が見えるが、上り線からは見えない。沼ノ端を出ると左から日高本線が合流し、工場と住宅地を進むと苫小牧である。

札幌0740-0838苫小牧 急行えりも1 千歳線 4801D 【千歳線完乗】
北海道妄想の旅1978:33苫小牧〜様似

【1】
 1978年10月8日の旅(2)

【1】

【4】
 苫小牧で急行ちとせと急行えりもを切り離す。4分の停車で急行えりも1号は今までと反対方向に出発する。苫小牧から室蘭本線と並走し、工場地帯が終わるあたり、沼ノ端の手前で右にカーブする。森の中を走って勇払へ。

【9】(勇払〜浜厚真)
 ここから線路は東へ曲がって太平洋の海岸と平行に走っていく。安平(あびら)川を渡ったあたりが勇払原野の南端である。海岸と平行して線路は走るものの、浜から少し離れており樹木や砂丘などに阻まれて海はほとんど見えない。厚真(あつま)川を越えると浜厚真(はまあつま)。ここまで寥々とした荒地ばかりでひどく侘しい。浜厚真で普通列車と列車交換した。

(富川駅)
 ここから線路は直線になり、浜田浦、鵡川となる。鵡川は富内線の分岐駅だ。ここでも日高町発の富内線から日高本線直通の列車と列車交換。鵡川では線路はやや内陸に入るが、鵡川を渡るとまた海の近くを走る。汐見を過ぎてしばらくすると線路はますます海に近づいていき、やがて海ぎわにでるがすぐに90度左に回転して富川に着く。

(日高門別駅)
 富川を出ると今度は90度右に回転し沙流(さる)川を渡り、再び海岸へ近づき、静内まで海岸を走り続ける。ただし、次の日高門別までは波打ち際からやや遠く砂丘に隠れて海は見えない。

【46】(日高門別〜豊郷)
 日高門別を出て門別川を渡り、線路は段丘崖を国道235号線と一緒に走る。豊郷を過ぎて、清畠の先で線路は波打ち際に出るがすぐに国道の山側に移る。

(厚別川橋梁)
 厚賀には停車する。出てすぐに厚別川を渡るが、一瞬海の上に投げ出されたような感じがする。

【25】(厚賀〜大狩部)

【46】(厚賀〜大狩部)

【25】(厚賀〜大狩部)
 厚賀から大狩部までは線路は海沿いぎりぎりを走る。

(大狩部駅からの車窓)
 大狩部はホームが海ぎわにあり、停車した列車から海を間近に見ることができる。

(大狩部〜節婦)

(大狩部〜節婦)
 大狩部から節婦(せっぷ)までもまた線路は海辺ぎりぎりを走る。

(判官岩が迫る)

【25】(判官岩)
 節婦からは線路は広い砂浜の内側となり、判官岩のトンネルをくぐって新冠へ。

(静内駅)
 新冠からは再び海ぎわを走り静内へ着く。

(日高つぶめし弁当)

(日高つぶめし弁当)
 静内で日高つぶめし弁当を買い、さっそく車内で食べる。日高昆布のダシでの炊き込みご飯の上につぶ貝がたくさんのっていてものすごく美味しい駅弁だった。

【4】

【25】(東静内〜春立)
 静内を出て静内川を渡ると海沿いを走って東静内へ。ここからは内陸へ入り、アザミ川の狭い谷を標高60mくらいまで登り、トンネルを四つくぐる。そしてこれまた狭い谷を下って海岸におりて春立に着く。春立で再び列車交換。対向普通列車の隣を急行えりも1号はゆっくりと走り抜けた。

【46】(日高三石〜蓬栄)
 春立を出ると、布辻(ぶし)川の谷をのぼり、日高東別を過ぎて南の山地に入り、トンネルをくぐって下り、海岸沿いの日高三石で停車する。車窓には草を食む若駒の放牧の姿が目立つようになってきた。

【25】(本桐〜荻伏)

(本桐〜荻伏)

(荻伏駅)
 三石川を渡り、その谷を上って蓬栄、本桐を過ぎて、今度は海岸には近づかないで谷間を進み、トンネルをでて、荻伏(おぎふし)へ。

(絵笛駅)

(絵笛駅周囲)
 そして絵笛(えふえ)川の谷に入り、川を渡って絵笛。絵笛の周囲は牧草地で数多くの馬が遊んでいる。

(浦河駅)
 絵笛からまた谷に入り、トンネルをくぐって海岸に出ると浦河に着く。

【25】(コンブ干し)

(コンブ干し)
 浦河から様似までは海岸沿いを走る。国道の下をくぐると東町仮乗降場で、打ち寄せる白い波を見ながら日高幌別へ。このあたりの浜ではコンブを干してある姿が見られる。

(日高幌別〜鵜苫)

(鵜苫駅)
 湿原らしき場所の側を通り、日高幌別川と鵜苫(うとま)川を渡って鵜苫へ。

(様似駅)

【7】(様似駅)

【7】(様似駅)
 鵜苫からは山地に入り、右に折れてトンネルをくぐると西様似。ここでまた列車交換。谷を越えてトンネルをくぐって下っていき、様似川を渡ると終点の様似である。

苫小牧0842-1134様似 急行えりも1 日高本線 4801D 【日高本線完乗】
北海道妄想の旅1978:34様似〜えりも岬〜広尾

【1】
 1978年10月8日の旅(3)

 かつて日高本線の終点の様似と広尾線の終点の広尾とを結ぶ鉄道の計画(日高国と十勝国を結ぶので日勝線)があった。見切り発車として国鉄バスを走らせ、国鉄バス日勝線といった。

【HPから】
 バスは様似からえりも岬を通って広尾に達するルートと、えりも岬を通らずにえりもから庶野へ短絡ルートの二つがあった。

【4】

【1】
 国鉄バスの時刻表をみると、えりも岬を通るのは10月10日までのものが多い。今日は10月8日でラッキーである。

【7】(様似駅前バス停)
 様似駅11時50分発の国鉄バスに乗る。ワイド周遊券の範囲に含まれているので安心だ。海岸線の国道336号線(襟裳国道)を走り、左手にはアポイ岳が見えている。歌別で国道336号に別れをつげて海沿いのえりも岬へ向かう道に入る。人家の少ない風の強い寂しい土地をバスはえりも岬は走る。えりも岬バス停へは12時55分に着いた。

様似1150-1255えりも岬 国鉄バス日勝線

【HPから】(食堂むてき)
 お昼時なので食堂むてきに入る。この食堂は昭和20年(1945年)創業なので、今年で33年を迎える。ちなみに”むてき”とは、「無敵」ではなくて「霧笛」のことだ。BGMには、もちろん森進一の「襟裳岬」がながれている。4年前に日本レコード大賞を受賞した名曲である。

【13】(つぶラーメン@食堂むてき)

【13】(灯台つぶ)
 えりもで取れるつぶ(通称”灯台つぶ”)は大粒で身が柔らかいので、それをたっぷりとトッピングしたつぶラーメンを食べよう。日高昆布でダシでとった塩ベースのスープは。つぶの旨味が溶け込んでいる。縮れ麺とスープの絡みもよい。

【HPから】(えりも岬)

【HPから】(襟裳岬灯台)
 せっかくここまで来たのだから岬まで行こう。さっき聞いた「襟裳岬」の歌を口ずさみながら、強い風の中を岬と灯台までやってきた。時間がないのですぐに戻る。

 帰りは13時30分発のバスで広尾に向かう。百人浜を通って庶野漁港を見下ろしながら国道336号線に合流し、山が海に落ち込んだような平地が少ない海岸線を走る。トンネルや洞門が多い。庶野〜広尾までを黄金道路と呼ぶが、これは断崖に道路を作ったため、建設費が莫大になったためだとか。うーん、すごい道路を通っている。広尾駅には14時47分に着いた。

えりも岬1330-1447広尾 国鉄バス日勝線
北海道妄想の旅1978:35広尾〜帯広

【1】
 1978年10月9日の旅(4)

【1】

【19】

【10】(広尾駅)

【7】(広尾駅)
 広尾からは広尾線で帯広へ向かう。広尾を出ると右手に太平洋が顔を出す。

【9】(野塚駅)
 楽古(らっこ)川を渡り、新生、野塚と続く。

【9】(野塚〜豊似)

【10】(豊似駅)
 野塚川と豊似川を渡って豊似。

【10】(石坂駅)

【10】(石坂駅)
 さらに紋別川を渡って石坂へ。

【10】(大樹駅)
 ペテガリ岳の登山基地で、歴舟川のほとりにある大樹(たいき)へ。

【10】(十勝東和駅)
 日方川橋梁を渡り、20パーミルの急勾配を登ると十勝東和(とかちとうわ)、そして忠類(ちゅうるい)へ。駅の近くでナウマン象のほぼ全骨格の化石が発掘された。

【10】(上更別駅)

【10】(上更別駅)
 再び20パーミルの急勾配を登り上更別を過ぎると、更別、中札内(なかさつない)の手前まで約10kmは直線が続く。

【9】(中札内〜幸福)

【24】(幸福駅)

【9】(幸福駅)
 幸福駅は板張りホームが一本あるだけの無人駅。しかし「愛の国から幸福へ」のキャッチコピーで知名度は横綱クラス。

【10】(幸福駅)

【10】(幸福駅)
 愛国ー幸福間の切符は爆発的な売れ行きだった。乗車券は委託された駅売店で発売している。

【9】(幸福駅)

【10】(幸福駅)
 この日も観光客が多く、駅前の土産屋も混雑していた。観光バスでやってきては愛国ー幸福まで列車に乗るのが一つの観光コースになっているようだ。

【10】(大正駅)

【10】(大正駅)
 大正駅の近くにある農林省十勝馬鈴薯原原種農場でメークインが誕生した。畑の境には防風林が整然とならび、釧網本線の清里町、札弦付近の景色とよく似ている。この大正駅で列車交換のため6分ほど停車する。

【9】(大正〜愛国)

【10】(愛国駅)

【10】(愛国駅)

【10】(愛国駅)
 次の愛国駅も切符ブームで有名になった。左手に日高山脈を眺めながら、大豆、じゃがいも、てんさい、小麦などの畑の中を列車は進む。

【9】(札内川橋梁:依田〜帯広)
 北愛国、依田と過ぎ、札内川を渡り右手から根室本線が近づいてくるともうすぐ帯広に到着する。

広尾1528-1728帯広 広尾線 828D 【広尾線完乗】
北海道妄想の旅1978:36帯広〜釧路

【12】(ふじもり)
 夕食は、帯広駅近くのふじもりへ。ここは明治38年(1905年)創業なので、今年で創業73年になる。

【12】(豚丼@ふじもり)
 ここの名物は豚丼。素直に豚丼を注文した。十勝産の上質な豚ロース肉を何度も甘辛い秘伝のタレにくぐらせながら網で焼いた香ばしい香りが食欲をそそる。そのタレが染みたご飯もまた美味い。

【1】
 もう日が暮れて真っ暗な中を、帯広から釧路に向かう。利別で急行ぬさまいと列車交換。次の池田では、帯広を14分後に出発した特急おおぞら5号に追い抜かれる。そして常豊信号場でも列車交換。白糠では急行狩勝8号と列車交換と、なかなか忙しい。約3時間で釧路に着いた。

帯広1945-2244釧路 根室本線 439D

【13】(かど屋)
 さて小腹が空いたので、昭和42年創業のかど屋へ。本当に道の”角”にある。ここはつぶ貝とラーメンの専門店だ。

(つぶ焼き@かど屋)
 つぶ貝に特製のタレをかけては焼いて寝かせ、また焼いてを繰り返しており、独特の美味に仕上がっている。

【13】(ラーメン@かど屋)
 そしてラーメン。スープは石炭のように黒く見えるが、それほど塩辛くない。むしろ若干の甘みさえ感じる。

 さて満腹になった。今日の宿はホテル八芳園。明日も早いのですぐに眠ろう。
【1 夜行で青森へ】  【2 道南8の字めぐり】  【3 松前線・江差線】  【4 岩内線・瀬棚線】  【5 胆振線】  【6 相生線・釧網本線】  【7 標津線】  【8 千歳線・日高本線・広尾線】  【9 白糠線・池北線】  【10 石北本線・富良野線】  【11 士幌線・根室本線・札沼線】  【12 興浜北線・興浜南線・渚滑線】  【13 湧網線】  【14 富内線】  【15 夕張線・室蘭本線】  【16 幌内線・万字線・歌志内線】  【17 深名線・留萌本線】  【18 羽幌線・天北線】  【19 美幸線・名寄本線・宗谷本線】  【20 函館本線】